94 / 233
第94話 気付かずに……
しおりを挟む
「マツイさん、さっき自分で刺した傷は大丈夫ですか?」
地下十階層を慎重に探索しているとククリが訊いてくる。
「ああ、神秘のスカートの効果だろうな。回復魔法を使わなくてもすぐに治ったよ」
履いているだけでダメージを回復してくれる神秘のスカート。
見た目こそ気になるがその効果は確かなものだった。
「なあククリ。キマイラの弱点てないのか? 毎回さっきみたいな戦い方だと身が持たないぞ」
「弱点ですか? ないと思いますけど」
「本当か? よーく思い出せよ」
「本当ですって、信じてくださいよ~」
ククリは口をとがらせる。
「せめてあのヤギみたいなやつの催眠攻撃がなければなぁ」
「あ~、それだったらアイテムでなんとかなりますよ」
とククリ。
「それってどんなアイテムだ?」
「目覚まし草か眠らずのお守りです。目覚まし草は食べると三日は目が冴えたままになりますからどんなことをされても眠りませんし、眠らずのお守りは持っているだけで目覚まし草の効果がずっと続きます」
「なんだよ、そんなアイテムがあるのか」
それがあれば催眠攻撃も効かないしダンジョンで眠る必要もなくなるじゃないか。
「割とレアなので今まではたまたま出てこなかっただけですよ」
「ついでに言うと空を飛ぶのも反則だよなあれ。こっちは飛べないっていうのに」
天使の靴があれば一センチばかり浮くことは出来るが……。
「えっ? 何言ってるんですか? マツイさんも飛べるじゃないですか」
ククリが豆鉄砲をくらった鳩のように目を丸くする。
「は? 俺がいつ飛べるようになったんだよ」
「それですよそれ。三万円も出して買ったじゃないですか」
ククリは俺の羽織っているヒーローマントを指差して答えた。
「へ?」
「え?」
俺とククリは顔を見合わせる。
とその時、背後の通路がゴゴゴゴゴ……と突然石の壁で塞がれた。
「あれ? どうしたんだ急に?」
俺は壁を叩いてみた。びくともしない。
「わっ、マツイさんここフロアボスの部屋ですよっ!」
「なんだってっ!?」
見ると部屋の中央にはひときわ大きいキマイラが鎮座していた。
地下十階層を慎重に探索しているとククリが訊いてくる。
「ああ、神秘のスカートの効果だろうな。回復魔法を使わなくてもすぐに治ったよ」
履いているだけでダメージを回復してくれる神秘のスカート。
見た目こそ気になるがその効果は確かなものだった。
「なあククリ。キマイラの弱点てないのか? 毎回さっきみたいな戦い方だと身が持たないぞ」
「弱点ですか? ないと思いますけど」
「本当か? よーく思い出せよ」
「本当ですって、信じてくださいよ~」
ククリは口をとがらせる。
「せめてあのヤギみたいなやつの催眠攻撃がなければなぁ」
「あ~、それだったらアイテムでなんとかなりますよ」
とククリ。
「それってどんなアイテムだ?」
「目覚まし草か眠らずのお守りです。目覚まし草は食べると三日は目が冴えたままになりますからどんなことをされても眠りませんし、眠らずのお守りは持っているだけで目覚まし草の効果がずっと続きます」
「なんだよ、そんなアイテムがあるのか」
それがあれば催眠攻撃も効かないしダンジョンで眠る必要もなくなるじゃないか。
「割とレアなので今まではたまたま出てこなかっただけですよ」
「ついでに言うと空を飛ぶのも反則だよなあれ。こっちは飛べないっていうのに」
天使の靴があれば一センチばかり浮くことは出来るが……。
「えっ? 何言ってるんですか? マツイさんも飛べるじゃないですか」
ククリが豆鉄砲をくらった鳩のように目を丸くする。
「は? 俺がいつ飛べるようになったんだよ」
「それですよそれ。三万円も出して買ったじゃないですか」
ククリは俺の羽織っているヒーローマントを指差して答えた。
「へ?」
「え?」
俺とククリは顔を見合わせる。
とその時、背後の通路がゴゴゴゴゴ……と突然石の壁で塞がれた。
「あれ? どうしたんだ急に?」
俺は壁を叩いてみた。びくともしない。
「わっ、マツイさんここフロアボスの部屋ですよっ!」
「なんだってっ!?」
見ると部屋の中央にはひときわ大きいキマイラが鎮座していた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
675
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる