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0話 男の悲願
密閉された空間一面を占領するのは、無数の蒸気を纏った巨大な時計版であった。
まるで世界滅亡のカウントしているかのような、荘厳さと圧倒的な大きさを持ち合わせている。
次の瞬間、悲鳴にも似た雄叫びが室内全体に響き渡った。否、雄叫びではない。もはや、人格を破壊された人間のような、ただただとち狂った叫び声。
この空間において、人間と呼べる生物はたった一人しか存在しない。白衣を纏った男性が、まるで神に捧げるように、スマホの起動画面を上に伸ばしている。
目の前の時計版装置を神と喩えるのならば、男性はその信者と捉えることもできなくはない。
「あぁ……っ! これで、これで三十年間の悲願がッ。世界は僕を見放してはいなかったんだっっっ!!!」
あはははッ、と男性は口角を吊り上げる。
手にしたスマホの画面には、現在時刻が表示されている。しかし、待てと経てど数字に変化は現れない。
男性は再度画面に目を向けると、そのまま腕を振り上げ、力一杯地面に叩きつける。勢いを得たスマホは、数度の回転を経て地面に接触。だが、そのまま地面に張り付いたかのように、自転を止めてしまった。
「ふむ。物質の干渉には影響を与えられないのか……改善の余地は十分にあるな」
例えば、と男性は不気味な笑みをこぼした。
「時間停止下においても、指定した人間には影響を与えられるようにする、とかね」
自身を貶し、侮蔑していた女達の姿を思い返す。奴らの顔を、快楽に満ちた表情に染め上げる。
抵抗もできない、法律すらも感知不可能な世界。
間違っていたのは、自分自身ではない。彼女達であるのだ。
「これからは楽しい日々になりそうですね」
おおよそ神を信仰する信者とは思えない企みに、男性は思考を巡らせ始めた。
――
毎日、21時頃に投稿する予定です。
性描写は2話先からです。
良ければ、お気に入り登録とハート押していただけると嬉しいです!
まるで世界滅亡のカウントしているかのような、荘厳さと圧倒的な大きさを持ち合わせている。
次の瞬間、悲鳴にも似た雄叫びが室内全体に響き渡った。否、雄叫びではない。もはや、人格を破壊された人間のような、ただただとち狂った叫び声。
この空間において、人間と呼べる生物はたった一人しか存在しない。白衣を纏った男性が、まるで神に捧げるように、スマホの起動画面を上に伸ばしている。
目の前の時計版装置を神と喩えるのならば、男性はその信者と捉えることもできなくはない。
「あぁ……っ! これで、これで三十年間の悲願がッ。世界は僕を見放してはいなかったんだっっっ!!!」
あはははッ、と男性は口角を吊り上げる。
手にしたスマホの画面には、現在時刻が表示されている。しかし、待てと経てど数字に変化は現れない。
男性は再度画面に目を向けると、そのまま腕を振り上げ、力一杯地面に叩きつける。勢いを得たスマホは、数度の回転を経て地面に接触。だが、そのまま地面に張り付いたかのように、自転を止めてしまった。
「ふむ。物質の干渉には影響を与えられないのか……改善の余地は十分にあるな」
例えば、と男性は不気味な笑みをこぼした。
「時間停止下においても、指定した人間には影響を与えられるようにする、とかね」
自身を貶し、侮蔑していた女達の姿を思い返す。奴らの顔を、快楽に満ちた表情に染め上げる。
抵抗もできない、法律すらも感知不可能な世界。
間違っていたのは、自分自身ではない。彼女達であるのだ。
「これからは楽しい日々になりそうですね」
おおよそ神を信仰する信者とは思えない企みに、男性は思考を巡らせ始めた。
――
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