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リバース
PAST〜父の過去〜
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~6年前~
「ダイ!スキルを!」
「分かった!」
俺は手を前にだしポイズンポーションを即席で作りジャンに渡す。ジャンはポーションをぐびっと飲みスキルを発動させた。
「リバース!ワンウェイ!」
俺の目の前が眩い光に包まれる。しばらくして目を開けると階層ボスは倒れていた。
「ったく、こんなボスも倒せねえで何が攻略専門ギルドだよ」
ジャンは笑いながらそう言う。
「それはお前が強すぎるんだよ。ジャン。で、今回の報酬の分け前は?」
「今回はお前が3割。俺が2割。他は貧困家庭に配る。これでいいか?」
ジャンは頭をかきながら話す。ジャンの家庭はそこまで裕福ではない。むしろ、貧困家庭に含まれても仕方ない程度だ。
「俺の分はそれでいいが、ジャンの分はほんとにいいのか?」
「家には俺とジュンしかいないから、逆に十分すぎるんだよ。」
親指を立ててジャンはそう答える。
「そうだ。ダイ、ジュンに会わねえか?そろそろ俺もいっちまいそうだし。」
「そうだな、ジュンちゃんにそろそろ会ってみたいな。てか、あとどれくらいなんだ?」
「ちょっと待ってよー」
ジャンはスキル表を確認する。
「あと5ヶ月だな。」
「そうか……」
2人の間に沈黙が流れる。
「まあまあ、しょんぼりしてたって一緒だ。俺がいなくなることは分かってたことだし。」
「それでも……それでもジャンはいいのか?この世界を救えるのはーー」
「ダイ!……ジュンをよろしく頼むよ。」
それが俺たちが交わした最後の言葉だった。
ジャン。お前の息子さん。頑張ってるぜ。
「ダイ!スキルを!」
「分かった!」
俺は手を前にだしポイズンポーションを即席で作りジャンに渡す。ジャンはポーションをぐびっと飲みスキルを発動させた。
「リバース!ワンウェイ!」
俺の目の前が眩い光に包まれる。しばらくして目を開けると階層ボスは倒れていた。
「ったく、こんなボスも倒せねえで何が攻略専門ギルドだよ」
ジャンは笑いながらそう言う。
「それはお前が強すぎるんだよ。ジャン。で、今回の報酬の分け前は?」
「今回はお前が3割。俺が2割。他は貧困家庭に配る。これでいいか?」
ジャンは頭をかきながら話す。ジャンの家庭はそこまで裕福ではない。むしろ、貧困家庭に含まれても仕方ない程度だ。
「俺の分はそれでいいが、ジャンの分はほんとにいいのか?」
「家には俺とジュンしかいないから、逆に十分すぎるんだよ。」
親指を立ててジャンはそう答える。
「そうだ。ダイ、ジュンに会わねえか?そろそろ俺もいっちまいそうだし。」
「そうだな、ジュンちゃんにそろそろ会ってみたいな。てか、あとどれくらいなんだ?」
「ちょっと待ってよー」
ジャンはスキル表を確認する。
「あと5ヶ月だな。」
「そうか……」
2人の間に沈黙が流れる。
「まあまあ、しょんぼりしてたって一緒だ。俺がいなくなることは分かってたことだし。」
「それでも……それでもジャンはいいのか?この世界を救えるのはーー」
「ダイ!……ジュンをよろしく頼むよ。」
それが俺たちが交わした最後の言葉だった。
ジャン。お前の息子さん。頑張ってるぜ。
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