短編怪談

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明かりを消すと……

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今まで、郊外の小さな借家暮らしだった僕らの家族は、お父さんが都会の真ん中にマンションを買ったので、引っ越すことになった。

僕らの家族は貧乏だと思ってたけど、突然都会に住めることになったし、僕の部屋ももらえることになったので、友達と離れる寂しさはあったけど、僕は飛んで跳ねて喜んだ。

お父さんは、かなり格安で買うことができたと言っていたけど、仕事を凄く頑張ってくれたとお母さんが言っていたし、僕は照れ笑いを浮かべるお父さんがとても誇らしく思えた。

でも、引っ越してから気付いたことがあった。
僕はそれからルームライトを点けたまま寝るようになった。
お父さんは中学生の僕が環境の変化で子ども返りしたと言うし、お母さんは電気代がかかると怒ってきた。

でも、僕はルームライトを消さない。

だって、明かりを消すと、見えるから。

うっすらと青白く、首を吊っている人が見えるから。
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