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995.お買い物
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俺とキースくんはまるで競争でもしているみたいな勢いで、それはもう色々な種類の焼き菓子をたっぷりと選ばせてもらった。
「これとーこれも!」
「アキトくん、こっちのやつも新作だって!」
「よし、それは人数分買おうっ!」
「あ…でもさっきのミニケーキも美味しかったよね…」
どうしようと言いたげに困り顔のキースくんの言葉に、さっき食べたばかりのチクの果実入りのミニケーキを思い浮かべる。うーん、確かにあれも皆に食べて欲しいよね。
「うん、確かに…。そうだ、チクの果実入りミニケーキとこっちの新作をセットにして伴侶ごとに贈ってーそれにそれぞれの好きなお菓子を組み合わせるのはどうかな?」
新作のお菓子を二人で半分こに分けて食べるとか、伴侶大好きなハルの家族なら当たり前にするだろうし。そう思って提案すれば、キースくんはキラキラと目を輝かせた。
「アキトくん、天才!」
「ありがとう、じゃあこれとこれとーケイリーさんのはこれで合ってる?」
「うん、それだよ!」
笑顔でお菓子を選んでいく俺達を、ヴェリスさんは最初はニコニコ嬉しそうに見守ってくれていたんだ。
でも途中からは、まぁそんなにたくさん?って驚いた表情になって、最終的には…本気でこの量を買うおつもりですか?と言いたげな困惑した表情になっちゃってたよ。
うん、さすがに俺も並んだ量を見たら、買いすぎたかなーとは思ったよ。ハルの家族の皆へのお土産以外に、自分がハルと食べる用と、トライプールの皆へのお土産用にもいっぱい買っちゃったからね。
元の世界だったらこんなに買って傷ませちゃわないかなーとか荷物の量が多くてこの後大変だろうなーとかの問題があるけど、こっちの世界では魔道収納袋で一瞬で解決するからありがたい。
ちなみにキースくんは皆へのプレゼント代も払うと一生懸命主張してくれたけど、なんとかここは俺が払わせてもらったよ。
まあ、説得するのはすごく大変だったけどね。これはどう言えば納得してくれるんだろうとなかば途方にくれてたら、ヴェリスさんが味方してくれたんだ。
「アキト様は冒険者としても活躍されてるんですから、ここは甘えたら良いんじゃないでしょうかねぇ。もし気になるなら、キース様もアキト様に何かを贈ってさしあげたら良いですよ」
そう言われたキースくんは、俺に何を贈るべきかと考え始めたみたいで、その隙にこっそりとお会計を済ませんだ。
あれ、これ説得できてないな。まあ支払えたから良いか。
お店の外まで見送りに来てくれたヴェリスさんにまた来ますと笑顔で手を振り、俺たちはヴェリス婆の店を後にした。
「アキトくん、これからどうする?」
上目遣いで尋ねてくるキースくんに、俺はんーと声に出しながら考えた。
いやー、さっきミニケーキをご馳走になったところなんだけどさ、正直かなりお腹が空いてきたんだよね。
ちょこっと食べたら、そのせいで余計に空腹に気づいちゃったって感じだ。なんなら油断したらお腹が鳴るかもしれないぐらい空腹なんだけど、さすがにそれをズバリと言うのは何だか恥ずかしい。
「俺は…そうだな。ちょっとお腹が空いてきたかな」
いや、実際はかなりの空腹感なんだけどね。恥ずかしさに負けてちょっと、とか言ってしまった。
どんな反応をするかなとちらりと視線を向けてみれば、そこには嬉しそうな笑みを浮かべたキースくんの姿があった。
「あ、アキトくんも?」
僕だけかと思ったーと楽し気に笑うキースくんを見てると、恥ずかしくてもお腹が空いてきたと言って良かったなとしみじみ思うよね。
「じゃあ屋台に行こ!」
さっと差し出された手に、俺はそっと手を伸ばした。
これは混み合った市場での迷子防止なのかな。それともいつもこうして家族と手を繋いでるから癖になってるのかな。
どちらなのかは分からないけど可愛い癖だなと考えながら、俺は小さな手をきゅっと握り返した。
「うん、そうしよう」
まるでハルのように完璧なキースくんの案内で、俺たちは人混みの中をかき分けて料理屋台街へとたどり着いた。
前にハルと来た屋台街とはまた違う場所なのか、ざっと見た感じこの辺りには焼き鳥やりんご飴みたいな俺の世界の料理を出してる屋台は無いみたいだ。
もしここで懐かしいってうっかり泣いてしまったりしたらキースくんをびっくりさせちゃうから、今日に限っては無くて良かったんだけどね。
「あ、あそこの屋台、美味しいんだよ?」
どうかな?嫌かな?と言いたげに見上げられたら、拒否なんてするわけがないよね。
「美味しいなら行ってみたいなー」
「うんっ!じゃあ行こう!」
キースくんに手を引かれて屋台へ近づいていけば、そこにはたくさんの野菜や果物がずらりと並んでいた。
「これとーこれも!」
「アキトくん、こっちのやつも新作だって!」
「よし、それは人数分買おうっ!」
「あ…でもさっきのミニケーキも美味しかったよね…」
どうしようと言いたげに困り顔のキースくんの言葉に、さっき食べたばかりのチクの果実入りのミニケーキを思い浮かべる。うーん、確かにあれも皆に食べて欲しいよね。
「うん、確かに…。そうだ、チクの果実入りミニケーキとこっちの新作をセットにして伴侶ごとに贈ってーそれにそれぞれの好きなお菓子を組み合わせるのはどうかな?」
新作のお菓子を二人で半分こに分けて食べるとか、伴侶大好きなハルの家族なら当たり前にするだろうし。そう思って提案すれば、キースくんはキラキラと目を輝かせた。
「アキトくん、天才!」
「ありがとう、じゃあこれとこれとーケイリーさんのはこれで合ってる?」
「うん、それだよ!」
笑顔でお菓子を選んでいく俺達を、ヴェリスさんは最初はニコニコ嬉しそうに見守ってくれていたんだ。
でも途中からは、まぁそんなにたくさん?って驚いた表情になって、最終的には…本気でこの量を買うおつもりですか?と言いたげな困惑した表情になっちゃってたよ。
うん、さすがに俺も並んだ量を見たら、買いすぎたかなーとは思ったよ。ハルの家族の皆へのお土産以外に、自分がハルと食べる用と、トライプールの皆へのお土産用にもいっぱい買っちゃったからね。
元の世界だったらこんなに買って傷ませちゃわないかなーとか荷物の量が多くてこの後大変だろうなーとかの問題があるけど、こっちの世界では魔道収納袋で一瞬で解決するからありがたい。
ちなみにキースくんは皆へのプレゼント代も払うと一生懸命主張してくれたけど、なんとかここは俺が払わせてもらったよ。
まあ、説得するのはすごく大変だったけどね。これはどう言えば納得してくれるんだろうとなかば途方にくれてたら、ヴェリスさんが味方してくれたんだ。
「アキト様は冒険者としても活躍されてるんですから、ここは甘えたら良いんじゃないでしょうかねぇ。もし気になるなら、キース様もアキト様に何かを贈ってさしあげたら良いですよ」
そう言われたキースくんは、俺に何を贈るべきかと考え始めたみたいで、その隙にこっそりとお会計を済ませんだ。
あれ、これ説得できてないな。まあ支払えたから良いか。
お店の外まで見送りに来てくれたヴェリスさんにまた来ますと笑顔で手を振り、俺たちはヴェリス婆の店を後にした。
「アキトくん、これからどうする?」
上目遣いで尋ねてくるキースくんに、俺はんーと声に出しながら考えた。
いやー、さっきミニケーキをご馳走になったところなんだけどさ、正直かなりお腹が空いてきたんだよね。
ちょこっと食べたら、そのせいで余計に空腹に気づいちゃったって感じだ。なんなら油断したらお腹が鳴るかもしれないぐらい空腹なんだけど、さすがにそれをズバリと言うのは何だか恥ずかしい。
「俺は…そうだな。ちょっとお腹が空いてきたかな」
いや、実際はかなりの空腹感なんだけどね。恥ずかしさに負けてちょっと、とか言ってしまった。
どんな反応をするかなとちらりと視線を向けてみれば、そこには嬉しそうな笑みを浮かべたキースくんの姿があった。
「あ、アキトくんも?」
僕だけかと思ったーと楽し気に笑うキースくんを見てると、恥ずかしくてもお腹が空いてきたと言って良かったなとしみじみ思うよね。
「じゃあ屋台に行こ!」
さっと差し出された手に、俺はそっと手を伸ばした。
これは混み合った市場での迷子防止なのかな。それともいつもこうして家族と手を繋いでるから癖になってるのかな。
どちらなのかは分からないけど可愛い癖だなと考えながら、俺は小さな手をきゅっと握り返した。
「うん、そうしよう」
まるでハルのように完璧なキースくんの案内で、俺たちは人混みの中をかき分けて料理屋台街へとたどり着いた。
前にハルと来た屋台街とはまた違う場所なのか、ざっと見た感じこの辺りには焼き鳥やりんご飴みたいな俺の世界の料理を出してる屋台は無いみたいだ。
もしここで懐かしいってうっかり泣いてしまったりしたらキースくんをびっくりさせちゃうから、今日に限っては無くて良かったんだけどね。
「あ、あそこの屋台、美味しいんだよ?」
どうかな?嫌かな?と言いたげに見上げられたら、拒否なんてするわけがないよね。
「美味しいなら行ってみたいなー」
「うんっ!じゃあ行こう!」
キースくんに手を引かれて屋台へ近づいていけば、そこにはたくさんの野菜や果物がずらりと並んでいた。
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