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1248.肉料理
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お肉を焼きながら俺が密に予想していた通りに、ハルがまず最初に手を伸ばしたのは肉料理だった。
うん、やっぱり肉料理が一番好きなハルなら、お肉からだよね。そうなると思ってたと小さく頷いて見守っていると、ハルは薄く切りわけられた肉をくるりとフォークとナイフで器用に巻いて取り皿に移動させた。
そういうちょっとした動きに、一々品があるんだよね。俺もできるようになりたいな、あの動き。後でやってみよう。
そんな事を考えている間に、ハルはそっと口を開いた。
どうやら最初の一口は、ソースをかけずにそのままの肉の味を味わう事にしたみたいだ。下味もつけてあるし、そのままでも美味しいはず。
ぱくりとお肉を口に運んだハルは、もぐもぐと口を動かしている。俺は思わず食い入るようにハルを見つめていた。
だって、反応が気になるんだよ。初めて振る舞う手料理なわけだし。
ドキドキと緊張しながら見守っていた俺だけど、見つめている間に次第に肩の力が抜けてきた。
ハルはまだ言葉は何も発してないけど、でも食べてるハルの顔がすっごく幸せそうに笑ってるんだよね。声に出しては何も言ってなくても、その表情から美味しいと伝わってくる。
ごくりと肉を飲み込んでから、ハルは幸せそうにほうっと息を吐いた。ついで俺を見てにっこりと笑いかけてくる。
「アキト。この肉料理、最高に美味しいよ」
「ハルが気に入ってくれて良かった」
「味付けも美味しいんだけど、特に肉の焼き加減がね。すっごく俺好みだ。アキトがこだわってくれたんだろう?」
「あ、本当?それなら良かった。ハルはこれぐらいが好きだろうなと思ったんだ」
お肉の種類にもよるんだけど、ハルが美味しいっていう肉料理ってけっこうさっと火を通したものが多いんだよね。俺の好みと比べても、ちょっとレアに近い感じだ。
「でも、良く俺のこだわりだって気づいたね?」
「うん、ラスはもっとしっかり火を通すからね。俺の好みはもちろん知ってるだろうけど、この料理はラスの中ではしっかり焼いた方が美味しいという自信があるんだと思う」
なるほど。料理人としてのこだわりで、ラスさんならもっとよく焼くのか。個人個人の好みに合わせるのではなく、料理としての完成度を優先する。それも料理人ならではって感じがするな。
職人さんって感じがして、格好良いこだわりだと思うけど。
「もちろんそれも美味しいんだけどね」
ハルはラスの料理に文句は無いんだとそう続けた。
「でもこの料理は特別だった。料理をしている間、アキトが俺の事をいっぱい考えてくれたんだなって伝わってきたよ」
「ラスさんもね、大事な人を待つ時は料理をして待つんだって」
俺はラスさんが教えてくれた事をハルに説明した。
「作った料理を喜んで食べてくれるところを想像しながら作れば、待ってる間の寂しさが和らぐんだって教えてくれたんだ」
「そうなのか」
「だからそれを作ってる間も、ずっとハルの事を考えてたよ」
ハルはじっと料理を見てから、俺は幸せ者だなとふわりと笑ってみせた。
「せっかくだからそのソースもかけて食べてみて?」
「これだね?アキトが作ったって言うソース」
「そうそう」
言われるがままにソースをかけて食べてくれたハルは、ぐっと声を洩らした。
「そのままも美味しかったけど、このソースをかけるとさらにやばいね」
あ、珍しい事にハルの語彙力が無くなってる。それぐらい美味しかったって事なのかな。それなら嬉しいんだけど。
うなりながらもう一枚口に運んだハルは、ああと声をあげた。
「このソースがあれば、野営地での食事も質が上がりそうだなって考えてしまうぐらい美味しいよ」
ただの串焼きでも豪華になりそうだと苦笑したハルに、俺は笑顔で答えた。
「それなら野営するような依頼の前にも、作って持っていこっか。ラスさんから作り方をしっかり教わって書き残しておいたから、これからはいつでも作れるからね」
レーブンさんとローガンさんに俺が作った料理を食べてもらう事があるかもしれないと思ったから、その話もしたんだけどラスさんは気にせず作って良いって言ってくれたんだ。
そう説明すれば、ハルはパァアッと表情を明るくした。
「ありがとう、アキト。このソースはぜひ次回の野営の時にも作って欲しい――いや、俺も一緒に作りたい!」
「それも良いね。今度ラスさんに許可をもらっておくね」
レーブンさんとローガンさんに作り方を教えても良いって言われたけど、ハルに教えるとは言ってないから念のため確認したいから。
うん、やっぱり肉料理が一番好きなハルなら、お肉からだよね。そうなると思ってたと小さく頷いて見守っていると、ハルは薄く切りわけられた肉をくるりとフォークとナイフで器用に巻いて取り皿に移動させた。
そういうちょっとした動きに、一々品があるんだよね。俺もできるようになりたいな、あの動き。後でやってみよう。
そんな事を考えている間に、ハルはそっと口を開いた。
どうやら最初の一口は、ソースをかけずにそのままの肉の味を味わう事にしたみたいだ。下味もつけてあるし、そのままでも美味しいはず。
ぱくりとお肉を口に運んだハルは、もぐもぐと口を動かしている。俺は思わず食い入るようにハルを見つめていた。
だって、反応が気になるんだよ。初めて振る舞う手料理なわけだし。
ドキドキと緊張しながら見守っていた俺だけど、見つめている間に次第に肩の力が抜けてきた。
ハルはまだ言葉は何も発してないけど、でも食べてるハルの顔がすっごく幸せそうに笑ってるんだよね。声に出しては何も言ってなくても、その表情から美味しいと伝わってくる。
ごくりと肉を飲み込んでから、ハルは幸せそうにほうっと息を吐いた。ついで俺を見てにっこりと笑いかけてくる。
「アキト。この肉料理、最高に美味しいよ」
「ハルが気に入ってくれて良かった」
「味付けも美味しいんだけど、特に肉の焼き加減がね。すっごく俺好みだ。アキトがこだわってくれたんだろう?」
「あ、本当?それなら良かった。ハルはこれぐらいが好きだろうなと思ったんだ」
お肉の種類にもよるんだけど、ハルが美味しいっていう肉料理ってけっこうさっと火を通したものが多いんだよね。俺の好みと比べても、ちょっとレアに近い感じだ。
「でも、良く俺のこだわりだって気づいたね?」
「うん、ラスはもっとしっかり火を通すからね。俺の好みはもちろん知ってるだろうけど、この料理はラスの中ではしっかり焼いた方が美味しいという自信があるんだと思う」
なるほど。料理人としてのこだわりで、ラスさんならもっとよく焼くのか。個人個人の好みに合わせるのではなく、料理としての完成度を優先する。それも料理人ならではって感じがするな。
職人さんって感じがして、格好良いこだわりだと思うけど。
「もちろんそれも美味しいんだけどね」
ハルはラスの料理に文句は無いんだとそう続けた。
「でもこの料理は特別だった。料理をしている間、アキトが俺の事をいっぱい考えてくれたんだなって伝わってきたよ」
「ラスさんもね、大事な人を待つ時は料理をして待つんだって」
俺はラスさんが教えてくれた事をハルに説明した。
「作った料理を喜んで食べてくれるところを想像しながら作れば、待ってる間の寂しさが和らぐんだって教えてくれたんだ」
「そうなのか」
「だからそれを作ってる間も、ずっとハルの事を考えてたよ」
ハルはじっと料理を見てから、俺は幸せ者だなとふわりと笑ってみせた。
「せっかくだからそのソースもかけて食べてみて?」
「これだね?アキトが作ったって言うソース」
「そうそう」
言われるがままにソースをかけて食べてくれたハルは、ぐっと声を洩らした。
「そのままも美味しかったけど、このソースをかけるとさらにやばいね」
あ、珍しい事にハルの語彙力が無くなってる。それぐらい美味しかったって事なのかな。それなら嬉しいんだけど。
うなりながらもう一枚口に運んだハルは、ああと声をあげた。
「このソースがあれば、野営地での食事も質が上がりそうだなって考えてしまうぐらい美味しいよ」
ただの串焼きでも豪華になりそうだと苦笑したハルに、俺は笑顔で答えた。
「それなら野営するような依頼の前にも、作って持っていこっか。ラスさんから作り方をしっかり教わって書き残しておいたから、これからはいつでも作れるからね」
レーブンさんとローガンさんに俺が作った料理を食べてもらう事があるかもしれないと思ったから、その話もしたんだけどラスさんは気にせず作って良いって言ってくれたんだ。
そう説明すれば、ハルはパァアッと表情を明るくした。
「ありがとう、アキト。このソースはぜひ次回の野営の時にも作って欲しい――いや、俺も一緒に作りたい!」
「それも良いね。今度ラスさんに許可をもらっておくね」
レーブンさんとローガンさんに作り方を教えても良いって言われたけど、ハルに教えるとは言ってないから念のため確認したいから。
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