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第三章 王子改造計画
21、二人の関係……なの?
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「シモン王子、お待たせして申し訳ありません。コーデリア、ご挨拶を」
「はい、お母様。シモン王子、お久しぶりでございます。コーデリアです」
頭を下げていたコーデリアがゆっくりと顔を上げるとシモン王子の息を飲む音が聞こえました。
それはそうです!
コーデリアはとっても美少女ですもの!
わたくしはコーデリアの顔を凝視するシモン王子に向かって笑顔で声をかけました。
「シモン王子、何かお言葉をお願い致します」
わたくしの言葉にハッとしたシモン王子がその場で軽く頭を下げると堂々とした態度で声をかけました。
「コーデリア嬢、お久しぶりです。いつも素敵な手紙をありがとうございます。僕は今日お会いできるのをとても楽しみにしていました。そして、幼少の頃は大変失礼な態度を取ってしまって申し訳ありません!!」
シモン王子は一段深く頭を下げるとそのままの体制でコーデリアの言葉を待っていました。
「シモン王子、私も酷い態度でした。ごめんなさい」
コーデリアが謝罪を受け入れて、自分の非を認めた事で先の顔合わせで起こった全ては水に流れたことになりました。
わたくしは嬉しくて、早速二人に話しかけて席に座らせました。
席はシモン王子とアーノルドが並んで座り、その前にコーデリアとわたくしが座りました。
そして、そのままフォーマルランチとなりました。
コーデリアは緊張がMAXなのか、席についてからは何も話さず親の仇の様な顔でランチを見つめております。
わたくしはこのランチのホステスとしてアーノルドやシモン王子に話をふってその場を盛り上げようと頑張りましたわ。
それでも、主役であるコーデリアが俯いて何も話さないと場も鎮まりました。
「コーデリアはシモン王子に何か聞いておきたいことはないの?」
わたくしはコーデリアにも話しかけました。
「あ、あの、シモン王子はどんな女の子が好きですか?」
コーデリア! 直球勝負過ぎますわ!
いくらシモン王子を落とすにしてもこれは露骨過ぎますわ!!
それでも、素直なシモン王子は一生懸命答えてくれました。
「えっと、僕はまだよくわからないのだけど、コーデリア嬢とは婚約者なので、コーデリア嬢と仲良く出来ると嬉しいかな」
完璧ですわ! 完璧な回答ですわ!
コーデリアを見ると顔がほんのり赤くなっている様です。
わたくしは暫く二人を見ていましたが、コーデリアが悪役令嬢になる気配もありません。
やはり強制力というのは真理子さんの勘違いだったのですわ。
わたくしはまだ可愛らしい二人のぎこちないやり取りに胸がキュンキュンと高鳴っておりました。
「あの、コーデリア嬢、よろしければ少し庭園を歩きませんか? 二人で……」
ランチのデザートを食べ終わった段階でシモン王子はマナー通りにコーデリアに声をかけました。
「……はい」
当然断るものと思っていたコーデリアが了承した事に驚いていると、シモン王子はわたくしに向かっても許可をとって来ました。
「おば様、あの、コーデリア嬢を少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
「え、ええ、もちろんですわ……。コーデリアもそれでいいのかしら?」
わたくしが心配して確認するとコーデリアは初々しく頷きました。
きっと、わたくしと同じ様に強制力が勘違いだと気づいたのね。
「それでは、シモン王子、コーデリアをよろしくお願いします」
わたくしが答えると、シモン王子が椅子から立ち上がりコーデリアの前にやってくるとコーデリアは椅子を引かれて立ち上がりました。
「では、参りましょう」
そう言ってシモン王子は完璧なマナーでコーデリアに手を差し出すと完璧なエスコートで部屋を出て行きました。
わたくしが展開について行けずに二人が出て行ったドアを見つめているとアーノルドから声がかかりました。
「母上、多分大丈夫ですよ。ランチ間の二人を見ていましたが、仲良くできそうな雰囲気でしたし、もう、シモンも昔のような性格ではありませんし、コーデリアも満更でも無さそうです」
「そ、そうね。そうよね。では、二人が戻ってくるまで、わたくし達はもう一杯お茶を頂きましょう?」
「はい、母上」
そうして、わたくしとアーノルドはゆったりとしたお茶の時間を楽しんでいた。
「はい、お母様。シモン王子、お久しぶりでございます。コーデリアです」
頭を下げていたコーデリアがゆっくりと顔を上げるとシモン王子の息を飲む音が聞こえました。
それはそうです!
コーデリアはとっても美少女ですもの!
わたくしはコーデリアの顔を凝視するシモン王子に向かって笑顔で声をかけました。
「シモン王子、何かお言葉をお願い致します」
わたくしの言葉にハッとしたシモン王子がその場で軽く頭を下げると堂々とした態度で声をかけました。
「コーデリア嬢、お久しぶりです。いつも素敵な手紙をありがとうございます。僕は今日お会いできるのをとても楽しみにしていました。そして、幼少の頃は大変失礼な態度を取ってしまって申し訳ありません!!」
シモン王子は一段深く頭を下げるとそのままの体制でコーデリアの言葉を待っていました。
「シモン王子、私も酷い態度でした。ごめんなさい」
コーデリアが謝罪を受け入れて、自分の非を認めた事で先の顔合わせで起こった全ては水に流れたことになりました。
わたくしは嬉しくて、早速二人に話しかけて席に座らせました。
席はシモン王子とアーノルドが並んで座り、その前にコーデリアとわたくしが座りました。
そして、そのままフォーマルランチとなりました。
コーデリアは緊張がMAXなのか、席についてからは何も話さず親の仇の様な顔でランチを見つめております。
わたくしはこのランチのホステスとしてアーノルドやシモン王子に話をふってその場を盛り上げようと頑張りましたわ。
それでも、主役であるコーデリアが俯いて何も話さないと場も鎮まりました。
「コーデリアはシモン王子に何か聞いておきたいことはないの?」
わたくしはコーデリアにも話しかけました。
「あ、あの、シモン王子はどんな女の子が好きですか?」
コーデリア! 直球勝負過ぎますわ!
いくらシモン王子を落とすにしてもこれは露骨過ぎますわ!!
それでも、素直なシモン王子は一生懸命答えてくれました。
「えっと、僕はまだよくわからないのだけど、コーデリア嬢とは婚約者なので、コーデリア嬢と仲良く出来ると嬉しいかな」
完璧ですわ! 完璧な回答ですわ!
コーデリアを見ると顔がほんのり赤くなっている様です。
わたくしは暫く二人を見ていましたが、コーデリアが悪役令嬢になる気配もありません。
やはり強制力というのは真理子さんの勘違いだったのですわ。
わたくしはまだ可愛らしい二人のぎこちないやり取りに胸がキュンキュンと高鳴っておりました。
「あの、コーデリア嬢、よろしければ少し庭園を歩きませんか? 二人で……」
ランチのデザートを食べ終わった段階でシモン王子はマナー通りにコーデリアに声をかけました。
「……はい」
当然断るものと思っていたコーデリアが了承した事に驚いていると、シモン王子はわたくしに向かっても許可をとって来ました。
「おば様、あの、コーデリア嬢を少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
「え、ええ、もちろんですわ……。コーデリアもそれでいいのかしら?」
わたくしが心配して確認するとコーデリアは初々しく頷きました。
きっと、わたくしと同じ様に強制力が勘違いだと気づいたのね。
「それでは、シモン王子、コーデリアをよろしくお願いします」
わたくしが答えると、シモン王子が椅子から立ち上がりコーデリアの前にやってくるとコーデリアは椅子を引かれて立ち上がりました。
「では、参りましょう」
そう言ってシモン王子は完璧なマナーでコーデリアに手を差し出すと完璧なエスコートで部屋を出て行きました。
わたくしが展開について行けずに二人が出て行ったドアを見つめているとアーノルドから声がかかりました。
「母上、多分大丈夫ですよ。ランチ間の二人を見ていましたが、仲良くできそうな雰囲気でしたし、もう、シモンも昔のような性格ではありませんし、コーデリアも満更でも無さそうです」
「そ、そうね。そうよね。では、二人が戻ってくるまで、わたくし達はもう一杯お茶を頂きましょう?」
「はい、母上」
そうして、わたくしとアーノルドはゆったりとしたお茶の時間を楽しんでいた。
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