53 / 63
第二章 冒険者活動編
第53話 ダンジョンアタック前の打ち合わせ
しおりを挟むその後、ハーレィの部屋を出たダンジョンアタック参加者達は、ギルドに併設された酒場にて集まっていた。
「……超常的存在を討伐する目的のダンジョンアタックは、通常は《超越級》で統一するもんなんだがな」
頬杖をついて愚痴をこぼすのは、《超越級》の冒険者パーティのリーダーだ。
「仕方ねぇさ、どうやら《超越級》は他の依頼で出払ってるようだしな」
「《ステイタス》持ちの金等級と流れ者はまぁわかる。が、《ステイタス》を持っていない銀等級パーティがいるっていうのが気に入らねぇ」
愚痴をこぼした冒険者が、更なる悪態を付く。
《鮮血の牙》のリーダーであるウォーバキンは、本当は言い返したいがぐっと堪えている。
何故なら、彼の愚痴も理解できるからだ。
そもそも、超常的存在を討伐する際は、《ステイタス》がないと非常に厳しいと言われている。
超常的存在は魔物とは全く違い、人間と同等の知性を持ち合わせている。
更に、彼等の力を借りて放つ魔法をポンポン放ってくるのだ。
そうなってくると、超常的存在と渡り合うには《ステイタス》は必須であり、過去の討伐記録でも犠牲を出して辛勝だったようだ。
つまり、《ステイタス》を持っていない《鮮血の牙》とリュートは、討伐で足を引っ張る可能性が高いのである。
「……さて、愚痴タイムは終了だぜ。やるからには命ぃ賭けてもらうぜ」
先程まで愚痴をこぼしていた冒険者が立ち上がる。
「んじゃ、気を取り直して自己紹介と行こうか。オレは《黄金の道》のリーダーの《ラファエル》だ。魔法金等級パーティで、オレの位階は五十三だ」
おおっとざわめきが起きる。
超越級で位階が五十代なのは、相当高い。
位階には壁が存在しており、丁度五十が境目になっている。
この壁を超えるのは相当苦労するようで、ラファエルは壁を何とか乗り越えた優秀な冒険者なのだ。
「スキルはパーティ全員が揃った時、改めて紹介した方がいいと思うから、今は割愛するけど戦闘タイプのスキルを持っているぜ。よろしくな」
ラファエルは着席すると、別の冒険者が立ち上がる。
「次は俺だな。《栄光の剣》のリーダーを務めている《ギャロウズ》だ。魔法銅等級で位階は四十七だ。俺自身のスキルは戦闘タイプだが、パーティメンバーはどの戦局でも対応できるバランスタイプだな。よろしく」
「私も紹介しておくか。《運命の叛逆者》のリーダー、《カシウス》だ。魔法銅等級で位階は四十である。私のスキルは――少しここでは言いにくいものだが、役に立つものだ」
「《超越級》ではうちが最後かな。《伝説の存在》っていうなかなか痛いパーティ名のリーダーをやってる《ケイン》だよ。《超越級》では一番下の白金等級で、位階は三十七だね。スキルは戦闘タイプぶっぱだから、討伐向きだね。よろしく!」
《超越級》の冒険者の自己紹介が終わった。
「どうやらオレが一番等級が上だから、わりぃが《黄金の道》が今回の依頼を仕切らせてもらうぜ。んじゃ、《超越級》以外の冒険者も自己紹介頼むわ」
ラファエルが立ち上がり、この場を仕切り始める。
基本的に冒険者の中では、等級が高いものが自動的に隊長の役目を背負う。
《超越級》は低い順から白金等級、魔法銅等級、魔法銀等級、魔法金等級、金剛宝石等級、そして最上位の伝説合金等級となっている為、今回はラファエルが隊長である。
そして、《超越級》以外の冒険者の自己紹介になった。
ハリーはあれから修行を重ね、位階が十二に上がった。
また、新たなスキルが発現し、より攻撃に磨きがかかったのだ。
ウォーバキンはもうちょっとで目標資金に手が届くので、《ステイタス》持ちになる一歩手前。
ショウマはあの地獄の集落のショックから多少の間が空いてしまったが、仲良くなったリュートとウォーバキンとハリーのおかげで、何とか遅れを取り戻し、位階は十八にまで上がった。
最後にリュートは体力が向上しており、戦闘面においても走りながら矢を射る技術を習得しており、命中精度は発展途上ながらも胴体なら確実に命中させられるようになった。
現在は走りながらでも四肢や頭部等、ピンポイントな射撃が可能に出来るように猛特訓中だ。
《超越級》以外の冒険者の自己紹介が終わるが、やはり《超越級》の面々は不安が隠せないようだった。
67
あなたにおすすめの小説
タイム連打ってなんだよ(困惑)
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」
王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。
パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。
アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。
「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」
目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?
※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。
『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
霊力ゼロの陰陽師見習い
三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。
……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」
その言葉は、もう何度聞いたか分からない。
霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。
周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。
同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。
――俺だけが、何もできない。
反論したい気持ちはある。
でも、できない事実は変わらない。
そんな俺が、
世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて――
この時は、まだ知る由もなかった。
これは――
妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる