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第三部
8.5.世話焼きな旦那様
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二人の土曜日の話です。
甲斐甲斐しく世話する白夜が見たいとのリクエストにお応えしてみました。
********************************************
私の予定では、土曜日はせっかくのお休みだし、久しぶりに買い物に出かけたかった。
これからまだまだ利用するであろう新しい夏のサンダルを買って、響用にも夏服を買ってあげて、そして愛しい旦那様に似合う洋服を選びにショッピングモールにでも行こう。普段は絶対に着ない格好をいろいろ着せて、そんな彼の姿をばっちり写メに撮って、一人でニヤニヤしたい・・・そんな密かな楽しみを描いていたのに。
現実的に、出かけるのは無理そうだ。
そう昨夜の情事中、薄らと予想できた。
◆ ◆ ◆
白夜の宣言通り、昨晩はたっぷりと愛されておいしくいただかれた。
抱きしめられて寝ていたはずだけど、気づいたらベッドの上に一人きり・・・時間を見れば、すっかりお昼時間を迎えていたので驚きだ。休日でもいつもと同じ時間に一度は目が覚めるのに、今回はまったく目覚めなかった。
まあ、ようやく解放されて寝れたのは明け方だったしね・・・ここまでぐっすり寝てしまうのも仕方がないだろう。
ゆっくりと上半身を起こすと、なんだか筋肉痛が・・・それに、全体的に身体もだるい。喉も渇いていて、声を出そうとしたら想像以上にしゃがれた声しか出ず自分でも驚いた。
いつもベッドの隣に置いてあるペットボトルの水を手に取ってのどを潤すと、ようやく一息つけた気分になる。ボトルのお水も半分以上減った。どんだけ私は喉が渇いていたんだ。
「・・・とりあえず、洗面所使いたい・・・」
できればシャワーも浴びたい。
昨日髪の毛だって洗えなくって、その後は想像以上に汗もかいたし。体中べとべと感が・・・!
そうだ、白夜が来る前にさっさとシャワーを浴びに浴室に籠ろう。鍵を開ける技術は多分あるだろうけど、今だけはないことを祈って。(ってか本当に開けられたらドン引きものだけど。)
きっと彼はリビングか仕事用の部屋にでもいるのだろう。忙しい人だしね。自宅に仕事を持ち帰る事も少なくはないようだ。私といる時は緊急じゃない限り自宅で仕事はしないみたいだけど。
そうと決まったら、さっさとベッドから出よう。裸のまま歩く気にはなれないから、近くの椅子の上に畳まれているバスローブを手に取ろうと一歩ベッドから下りた途端。ペタン、とそのまま床に座り込んでしまった。もちろん、全裸のままで。
「え・・・あれ?」
椅子まで数歩・・・たったの5歩くらいなのに、なぜそこまでが遠い! 立ち上がろうとベッドのマットレスに体重をかけるが、腰から下にまるで力が入らない。こんな経験は初めてだ。
って、ちょっと待って! これってまずくないか・・・!?
たらり、と額から汗が流れた。
まずい、この状況を白夜に知られるのは、すっごくまずい気がする! 嬉々として甲斐甲斐しく私の世話をし始める彼の姿がありありと浮かぶんだけど! それこそ、いつかの再来みたいにどこに行くにも私をお姫様抱っこで運んで、トイレ以外ずっと離さないで・・・
そんなのはごめんだ。またそんな状態に陥ったら、軽く気絶できる。
「あと、ちょっと・・・!」
情けない恰好だけど、匍匐前進で前へずりずりと進む。下半身に力が入らないってこんなにも大変だとは思わなかったよ!
でも私はホテルの通気口を匍匐前進で進んだ女。数歩程度ならわけないわ。そう変な自信に押されてようやくバスローブを手に取る事ができた。腕の力を使い何とか床に座って、パパッとバスローブを身にまとったところで――扉が開いた。
目を丸くする白夜と、床にへたり込んでいる私・・・
あ、あっぶねー! あと2秒遅かったら、完全に裸の間抜けな姿を見られるところだった!
内心心臓ばっくばく状態の私は、表面上はにっこりと白夜に微笑んだ。そして朝の挨拶を告げる。
「おはよう、白夜」
「おはようございます、麗」
じっと扉に背を預けたまま動かない旦那様は、微笑みを浮かべたまま私を見つめてくるが・・・お願い。何か喋って! 黙って見つめてこないで!! 私が動けないことが悟られる・・・!!
「えっと、どうして突っ立ってるの?」
沈黙に耐えられなくなった私は、先手必勝と言い聞かせて先に口火を切った。逆に訊かれると困るのは私だからだ。
「そろそろ起きる頃かと思いまして、朝ごはん兼お昼ご飯の用意ができたのですが・・・麗。どうしてそこに座っているのですか?」
「えっと、特に理由は・・・あ、ごはん食べたいけど、先にシャワーを使いたいから、白夜は私に気にせず先に食べてて?」
とびっきりの笑顔を心掛けて浮かべてみたけれど。彼は微動だにせず、ますます笑みを深めて私を見つめてくる。
「私だけ先に食べるなんてできませんよ。麗が出てくるまで待ちます」
「・・・そう、ですか・・・」
そう返って来るとは思ってたけどね!!
ああ、もうここでタイミングよく電話とか鳴らないかなー!?
なんて現実逃避をしてみたけれど、そうそうに都合よくはいかないと判断した。私は気合いと根性を入れて、ベッドに片手をかけて立ち上がろうとする。身体中が重くて鈍くて、筋肉痛だけど! 立ち上がりさえすれば白夜は去ってくれる・・・そう信じてみたが。
やっぱり思惑通りにはいかなかった。
私の脚がフラフラしている事を目ざとく見破り、長い脚で近づいてくるとすぐに間合いを詰められる。そして抱きすくめられたかと思えば、あっという間に横抱きに・・・
「お、下ろして・・・!」
朝からお姫様抱っこは恥ずかしい!
「ダメです。あんなに無茶をさせたのですから、本来ならベッドから起き上がれないと思っていたのに、あなたって人は・・・無理せず私に運ばれてください」
「運ぶって、どこまで!?」
向かう先は浴室・・・って、待った。何だかよくない気配がする!!
「先ほどシャワーを浴びたいと仰っていたじゃないですか。ですが、一人では無理ですね。私も一緒に入ります」
その発言に、私はぎょっとした。
「ま、待った! 白夜はもうシャワー使ったんでしょ!? シャンプーのいい匂いがするから先に使ったはず! なら、一緒に入る必要はないよね!?」
「ええ、入りましたね。ですが、もう一度入っても問題はありません」
問題あるのはこっちだよ!
じたばたとあまり動かない身体で暴れるけれど、よけいに体力を使うだけで、次第に疲れてしまった。ゆっくりと身体を温めた方がいいと判断したのか、白夜はバスタブにお湯を溜め始める。そう時間がかからずに適温のお湯が溜まったまではよかったけれど・・・
しゅるりと衣擦れの音が背後で聞こえて、振り向けない。
シャツを脱いで上半身を露わにした白夜は、私のバスローブに手をかけようとした。って、うわーうわー! 待った!!
「本当に一緒に入る気!?」
「当然です」
「いいです、私は遠慮します! 放っておいてくれて構わないから!!」
「そんなわけにはいきません。あなた一人で入らせたら、お湯から出る事もできないでしょう?」
「・・・・・・」
まさか、その事を考えた上で、わざわざお湯を溜めたとか・・・?
私を結局一人では入らせないように!?
椅子に座らせた私をまた抱き上げて、白夜は私のバスローブの紐をあっさりと解いた。明るい場所で、至近距離で身体を見られ、羞恥から真っ赤になる。思わず片手で彼の目を塞いだ。
「ダメです、見ちゃダメー!」
「・・・麗、散々見られているのに、何を今更仰っているんですか」
「乙女心です! 乙女はそーゆーものなんです!! 明るいところでお互いの裸を見慣れるなんて、私にはまだハードルが高いの!!」
「麗。危ないから、手をどかしなさいね?」
優しく強制されて、渋々ながら覆っていた手はどかした。バスローブはすでに脱衣所の向こうだ。あっという間にバスタブまで運ばれて、ゆっくりとお湯に入れられる。温かいお湯が身体をほぐしていき、ほうっと息を吐いた。
白夜が一旦離れていった事で、私の意思を尊重してくれたんだとばかり思っていたら・・・やはりそううまくはいかなかった。
服を脱いで入ってくる白夜に気付き、慌てて隅っこに寄る。お湯の中でなら簡単に移動できるため、水の浮遊感は便利だな~なんてどうでもいいことまで思った。
「そう恥ずかしがらなくてもいいと思うのですが・・・」
苦笑する白夜がバスタブに浸かり、お湯のかさが一気に増した。背後から抱きしめられて、私の心拍数はもうやばい事になっているだろう。全力疾走並だ。うう、顔が火照る・・・!
「恥ずかしがるななんて、無理・・・」
くるりと反転させられて、白夜の膝の上に座らされる。うっとりと見つめられて、この人は私をどこまでドキドキさせるんだろうと疑問に思った。
チュっと額にキスをされて、それだけでもう、不整脈が・・・!!
「約束しましたよね。今日一日は、あなたの面倒は私がみるって」
「・・・え」
「ですから、麗は何の心配もいりませんよ」
キラキラと王子顔で微笑まれても、私には冷や汗ものなんですけどー!?
その後、白夜の手で散々きれいに身体を磨かれて、ついでに髪の毛も洗われて。トリミングされる犬のような気分になりながら髪を乾かされて、着替えまで全部させられた。そりゃ、始終ご機嫌の笑顔で。
お風呂から出てきた私はぐったりとして、ようやくごはんにありつけるなんて思っていたけれど。ここでも甘かった。
ダイニングテーブルの椅子に座らせる事はせず、白夜は私を膝の上に座らせて、甲斐甲斐しく食べさせてくれる。まるで親鳥が雛に餌を与えるように。自分の食事は二の次だなんて、何を考えているんだ彼は・・・
赤面状態のまま、もうなすがままだ。抵抗はしない方が楽だと自分に言い聞かせた。
しっかりデザートまで用意していた白夜は、コーヒーゼリーを私の口に運んでうっとりと見つめてくる。口にクリームが付いたら、ティッシュで拭うことなどせず、すかさず白夜の舌で舐めとられる。
・・・もう、気絶してもいいですか・・・
お昼ご飯を食べ終わった私は気力も体力もすっかり使い果たして、再び深い眠りに落ちたのだった。
結局土曜日は何もせず、一日が過ぎた。
ああ、せっかくの休日が~・・・!!
************************************************
以前よりもパワーアップ・・・?
誤字脱字、見つけましたらご連絡お願いします。
甲斐甲斐しく世話する白夜が見たいとのリクエストにお応えしてみました。
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私の予定では、土曜日はせっかくのお休みだし、久しぶりに買い物に出かけたかった。
これからまだまだ利用するであろう新しい夏のサンダルを買って、響用にも夏服を買ってあげて、そして愛しい旦那様に似合う洋服を選びにショッピングモールにでも行こう。普段は絶対に着ない格好をいろいろ着せて、そんな彼の姿をばっちり写メに撮って、一人でニヤニヤしたい・・・そんな密かな楽しみを描いていたのに。
現実的に、出かけるのは無理そうだ。
そう昨夜の情事中、薄らと予想できた。
◆ ◆ ◆
白夜の宣言通り、昨晩はたっぷりと愛されておいしくいただかれた。
抱きしめられて寝ていたはずだけど、気づいたらベッドの上に一人きり・・・時間を見れば、すっかりお昼時間を迎えていたので驚きだ。休日でもいつもと同じ時間に一度は目が覚めるのに、今回はまったく目覚めなかった。
まあ、ようやく解放されて寝れたのは明け方だったしね・・・ここまでぐっすり寝てしまうのも仕方がないだろう。
ゆっくりと上半身を起こすと、なんだか筋肉痛が・・・それに、全体的に身体もだるい。喉も渇いていて、声を出そうとしたら想像以上にしゃがれた声しか出ず自分でも驚いた。
いつもベッドの隣に置いてあるペットボトルの水を手に取ってのどを潤すと、ようやく一息つけた気分になる。ボトルのお水も半分以上減った。どんだけ私は喉が渇いていたんだ。
「・・・とりあえず、洗面所使いたい・・・」
できればシャワーも浴びたい。
昨日髪の毛だって洗えなくって、その後は想像以上に汗もかいたし。体中べとべと感が・・・!
そうだ、白夜が来る前にさっさとシャワーを浴びに浴室に籠ろう。鍵を開ける技術は多分あるだろうけど、今だけはないことを祈って。(ってか本当に開けられたらドン引きものだけど。)
きっと彼はリビングか仕事用の部屋にでもいるのだろう。忙しい人だしね。自宅に仕事を持ち帰る事も少なくはないようだ。私といる時は緊急じゃない限り自宅で仕事はしないみたいだけど。
そうと決まったら、さっさとベッドから出よう。裸のまま歩く気にはなれないから、近くの椅子の上に畳まれているバスローブを手に取ろうと一歩ベッドから下りた途端。ペタン、とそのまま床に座り込んでしまった。もちろん、全裸のままで。
「え・・・あれ?」
椅子まで数歩・・・たったの5歩くらいなのに、なぜそこまでが遠い! 立ち上がろうとベッドのマットレスに体重をかけるが、腰から下にまるで力が入らない。こんな経験は初めてだ。
って、ちょっと待って! これってまずくないか・・・!?
たらり、と額から汗が流れた。
まずい、この状況を白夜に知られるのは、すっごくまずい気がする! 嬉々として甲斐甲斐しく私の世話をし始める彼の姿がありありと浮かぶんだけど! それこそ、いつかの再来みたいにどこに行くにも私をお姫様抱っこで運んで、トイレ以外ずっと離さないで・・・
そんなのはごめんだ。またそんな状態に陥ったら、軽く気絶できる。
「あと、ちょっと・・・!」
情けない恰好だけど、匍匐前進で前へずりずりと進む。下半身に力が入らないってこんなにも大変だとは思わなかったよ!
でも私はホテルの通気口を匍匐前進で進んだ女。数歩程度ならわけないわ。そう変な自信に押されてようやくバスローブを手に取る事ができた。腕の力を使い何とか床に座って、パパッとバスローブを身にまとったところで――扉が開いた。
目を丸くする白夜と、床にへたり込んでいる私・・・
あ、あっぶねー! あと2秒遅かったら、完全に裸の間抜けな姿を見られるところだった!
内心心臓ばっくばく状態の私は、表面上はにっこりと白夜に微笑んだ。そして朝の挨拶を告げる。
「おはよう、白夜」
「おはようございます、麗」
じっと扉に背を預けたまま動かない旦那様は、微笑みを浮かべたまま私を見つめてくるが・・・お願い。何か喋って! 黙って見つめてこないで!! 私が動けないことが悟られる・・・!!
「えっと、どうして突っ立ってるの?」
沈黙に耐えられなくなった私は、先手必勝と言い聞かせて先に口火を切った。逆に訊かれると困るのは私だからだ。
「そろそろ起きる頃かと思いまして、朝ごはん兼お昼ご飯の用意ができたのですが・・・麗。どうしてそこに座っているのですか?」
「えっと、特に理由は・・・あ、ごはん食べたいけど、先にシャワーを使いたいから、白夜は私に気にせず先に食べてて?」
とびっきりの笑顔を心掛けて浮かべてみたけれど。彼は微動だにせず、ますます笑みを深めて私を見つめてくる。
「私だけ先に食べるなんてできませんよ。麗が出てくるまで待ちます」
「・・・そう、ですか・・・」
そう返って来るとは思ってたけどね!!
ああ、もうここでタイミングよく電話とか鳴らないかなー!?
なんて現実逃避をしてみたけれど、そうそうに都合よくはいかないと判断した。私は気合いと根性を入れて、ベッドに片手をかけて立ち上がろうとする。身体中が重くて鈍くて、筋肉痛だけど! 立ち上がりさえすれば白夜は去ってくれる・・・そう信じてみたが。
やっぱり思惑通りにはいかなかった。
私の脚がフラフラしている事を目ざとく見破り、長い脚で近づいてくるとすぐに間合いを詰められる。そして抱きすくめられたかと思えば、あっという間に横抱きに・・・
「お、下ろして・・・!」
朝からお姫様抱っこは恥ずかしい!
「ダメです。あんなに無茶をさせたのですから、本来ならベッドから起き上がれないと思っていたのに、あなたって人は・・・無理せず私に運ばれてください」
「運ぶって、どこまで!?」
向かう先は浴室・・・って、待った。何だかよくない気配がする!!
「先ほどシャワーを浴びたいと仰っていたじゃないですか。ですが、一人では無理ですね。私も一緒に入ります」
その発言に、私はぎょっとした。
「ま、待った! 白夜はもうシャワー使ったんでしょ!? シャンプーのいい匂いがするから先に使ったはず! なら、一緒に入る必要はないよね!?」
「ええ、入りましたね。ですが、もう一度入っても問題はありません」
問題あるのはこっちだよ!
じたばたとあまり動かない身体で暴れるけれど、よけいに体力を使うだけで、次第に疲れてしまった。ゆっくりと身体を温めた方がいいと判断したのか、白夜はバスタブにお湯を溜め始める。そう時間がかからずに適温のお湯が溜まったまではよかったけれど・・・
しゅるりと衣擦れの音が背後で聞こえて、振り向けない。
シャツを脱いで上半身を露わにした白夜は、私のバスローブに手をかけようとした。って、うわーうわー! 待った!!
「本当に一緒に入る気!?」
「当然です」
「いいです、私は遠慮します! 放っておいてくれて構わないから!!」
「そんなわけにはいきません。あなた一人で入らせたら、お湯から出る事もできないでしょう?」
「・・・・・・」
まさか、その事を考えた上で、わざわざお湯を溜めたとか・・・?
私を結局一人では入らせないように!?
椅子に座らせた私をまた抱き上げて、白夜は私のバスローブの紐をあっさりと解いた。明るい場所で、至近距離で身体を見られ、羞恥から真っ赤になる。思わず片手で彼の目を塞いだ。
「ダメです、見ちゃダメー!」
「・・・麗、散々見られているのに、何を今更仰っているんですか」
「乙女心です! 乙女はそーゆーものなんです!! 明るいところでお互いの裸を見慣れるなんて、私にはまだハードルが高いの!!」
「麗。危ないから、手をどかしなさいね?」
優しく強制されて、渋々ながら覆っていた手はどかした。バスローブはすでに脱衣所の向こうだ。あっという間にバスタブまで運ばれて、ゆっくりとお湯に入れられる。温かいお湯が身体をほぐしていき、ほうっと息を吐いた。
白夜が一旦離れていった事で、私の意思を尊重してくれたんだとばかり思っていたら・・・やはりそううまくはいかなかった。
服を脱いで入ってくる白夜に気付き、慌てて隅っこに寄る。お湯の中でなら簡単に移動できるため、水の浮遊感は便利だな~なんてどうでもいいことまで思った。
「そう恥ずかしがらなくてもいいと思うのですが・・・」
苦笑する白夜がバスタブに浸かり、お湯のかさが一気に増した。背後から抱きしめられて、私の心拍数はもうやばい事になっているだろう。全力疾走並だ。うう、顔が火照る・・・!
「恥ずかしがるななんて、無理・・・」
くるりと反転させられて、白夜の膝の上に座らされる。うっとりと見つめられて、この人は私をどこまでドキドキさせるんだろうと疑問に思った。
チュっと額にキスをされて、それだけでもう、不整脈が・・・!!
「約束しましたよね。今日一日は、あなたの面倒は私がみるって」
「・・・え」
「ですから、麗は何の心配もいりませんよ」
キラキラと王子顔で微笑まれても、私には冷や汗ものなんですけどー!?
その後、白夜の手で散々きれいに身体を磨かれて、ついでに髪の毛も洗われて。トリミングされる犬のような気分になりながら髪を乾かされて、着替えまで全部させられた。そりゃ、始終ご機嫌の笑顔で。
お風呂から出てきた私はぐったりとして、ようやくごはんにありつけるなんて思っていたけれど。ここでも甘かった。
ダイニングテーブルの椅子に座らせる事はせず、白夜は私を膝の上に座らせて、甲斐甲斐しく食べさせてくれる。まるで親鳥が雛に餌を与えるように。自分の食事は二の次だなんて、何を考えているんだ彼は・・・
赤面状態のまま、もうなすがままだ。抵抗はしない方が楽だと自分に言い聞かせた。
しっかりデザートまで用意していた白夜は、コーヒーゼリーを私の口に運んでうっとりと見つめてくる。口にクリームが付いたら、ティッシュで拭うことなどせず、すかさず白夜の舌で舐めとられる。
・・・もう、気絶してもいいですか・・・
お昼ご飯を食べ終わった私は気力も体力もすっかり使い果たして、再び深い眠りに落ちたのだった。
結局土曜日は何もせず、一日が過ぎた。
ああ、せっかくの休日が~・・・!!
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以前よりもパワーアップ・・・?
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