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第三部
30.<閑話>とある新妻の悩み事(後編)
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遅くなりました、すみません。
R18入りますので、苦手な方はスキップをお願いします。
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「待った、ちょっと待った!」という私の叫びを笑顔で一蹴し、実に手慣れた動作で彼は裸の私を浴室へ連れ込んだ。適度に温かいお風呂の中へ一緒に入る事になり、条件反射で慌てて逃げ出そうとする。
ヤバい、非常にまずい気がひしひしとっ……!
同じく裸の旦那様は、私を逃がさないというようにお腹に腕を回して、背後からがっちりと抱き寄せてくる。って、腹肉のぷにぷにを直に触れるのはやーめーてー!
「少し肉付きがよくなりましたか?」
彼の手がウエストのラインから胸へ移動し、私は悲鳴をあげた。
「ひどい! 人が気にしている事をっ~!!」
夏バテで食欲が減少、なんて症状に陥った事はない。しっかり三食食べられる事は健康的でいいんだろうが、夏は冷たくて甘い物の誘惑が多すぎて困る。しかも冷房を浴びて、変に身体がむくんだりするし。腹筋は続けているけど、全く効果が見えないのに……太ったって思われた!
「何故でしょう? 気にする事はないはずですが。サイズが頻繁に変わる事は、確かに女性からしてみれば大変かもしれませんけど。個人的には麗の胸が成長するのは嬉しいですよ?」
む、胸の話だったのか……。
そういえば以前朝姫ちゃんの家で女子会をやった時、何故か下着のフィテッィングをする事になり、サイズが変わった事を知ったんだっけ。瑠璃ちゃんが泣いて大変だった記憶が……
柔らかく胸を包み込むように触れてくる旦那様の手によって、官能が高められる。彼の指がピンと主張を始めた先端を弾いて、思わず艶めいた声が漏れそうになった。
くすり、と背後で微笑む白夜が憎らしい……。私の反応を見て完全に楽しんでやがっているのだ。
いけない、このままじゃ。お風呂でイチャイチャしながらベッドに連れ込まれて朝までコース……なんて、平日の夜にされたら身体がもたないー!
何か、何か会話を続けなければっ! 身体で会話なんて、今はいいから!!
「びゃ、白夜は私の身体のどこに欲情するの!」
「はい?」
訊いた質問は、些か直球すぎた。
うわ、何疑問に思った事をそのまま訊いてるの私!
だが、開き直るしか道がない私は、くるりと身体を反転し、白夜と向かい合わせに座る。広い浴槽の中で向かい合わせになるには、ちょっと勇気がいるけれど。入浴剤が入ってて良かった……。羞恥心が少しだけ軽減された。
「だって、自分で言うのもあれだけど、私色気ないよ? スタイルだって別にいいわけじゃないし、白夜を気持ちよくさせる事だって出来てない……」
「本気で言ってるのですか? あなたの存在自体に私は欲情しているのに」
「っ!」
す、すごい殺し文句が来たーー! 思わず鳥肌が立ちそうになった。存在だけで欲情って、喜んでいいのか、な? え、でもマジで?
自分でも顔が赤いのをわかりながら、白夜の顔を見つめる。薄らと汗が浮かんでいる肌が何とも言えない色気を醸し出していた。しかも血行が良くなり若干肌が色づいてきた首筋から鎖骨のラインがいつも以上に色っぽい……っ! 女の私よりもセクシーって、もう何なのこの人。
羞恥心が高まる中、私の中での開き直り度も同時に上がった。もうここまで来たのだ、言いたい事は言ってやれ。訊きたい事も訊かないと。人間、我慢は身体によくないと思うの。
「……わかった。じゃ、白夜。喘いで?」
「……はい?」
珍しく旦那様の顔に困惑の色が浮かんだ。
ずいっと開けていた距離を詰める。若干据わった目で彼を見つめた。
「白夜が気持ちよさげに色っぽく喘ぐ姿が見たい」
「ダメです」
すぐに立ち直った彼は即答で答えた。余裕の笑みが再び浮かべられ、内心で舌打ちする。ムクムクと、反抗心が湧いた。
「何で! いっつも私ばかり気持ちよくさせてもらってるのに、私は全然白夜を気持よくさせてあげられてないよ!」
「十分あなたの身体を堪能しているのですから、あなたは何もしなくていい、」
「よくない!」
珍しく私は彼の台詞を遮った。少し驚き顔になった白夜にむすっとした顔で睨む。
「私は白夜と対等でいたいの。そりゃ人生経験や仕事に関しては、対等にいるなんて無理だけど。でも、白夜はいつも私に与えてばかりで、私だって白夜にいろいろ与えてあげたいのに」
「たくさんもらってます。麗は私の傍にいるだけで、十分すぎるほど安らぎを与えてくれてますよ?」
濡れた手で優しく頬を撫でられる。慈しみに溢れる表情は、先ほどの不穏でお仕置きモードの旦那様ではなくて。穏やかで優しい、私の大好きな笑みだ。この笑顔を見るだけで、お腹の奥がキュンって疼く。好き、大好きと言葉に出しても足りないくらい、私は彼を愛してる。
だから、もっと愛させてほしい。
「ダメだよ、白夜。これで十分だと思っていたら、進化も変化も望めないよ。立ち止まらずもっと貪欲に次を求めないと!」
「……一体何の話をしているのでしょう」
「だから! 傍にいるだけで十分じゃなくて、私にしてほしい事をもっと求めて。私は白夜を愛してるんだから、あなたが望む事は叶えてあげたいの!」
至近距離にいる白夜が息を呑んだような顔をした。軽く驚きで目を瞠っている。その隙に彼の身体に触れようとして――手首を掴まれた。
「何をする気で?」
「白夜の快感を高めようと」
「その必要はありません」
「何で! 私だってオーラルセックス位できるよ!」
……多分。
いや、知識は一応あるけれど、本当に出来るかどうかと言われれば、疑問符が浮かぶ。やろうと思えば出来そうな気はするが、したいかと言われれば微妙だ。大好きな人の一部を口に咥える事は、愛があれば出来るはずだと思うけど!
「あ、口じゃなくても、手でとか、」
「却下」
「何故!」と吠えれば、白夜は深々とため息を吐いた。
「あなたに少しでも触れられていると思ったら、すぐに達してしまいそうになるからですよ。そんなみっともなくてかっこ悪いところ、見せたくありません」
みっともなくなんてないよ! と言っても、多分今は逆効果なんだろうな……。プライド高すぎるよ、旦那様! とは言ってやりたい。
男性のプライドを折るような真似はしちゃいけないと思うけど、素直に納得できない。
しばし思案した私は白夜の傍から離れる。
「わかった。それなら私ももっと勉強してくる」
小さく呟いた声をしっかりと拾った白夜は、怪訝な顔色で「麗?」と私を呼んだ。
「男性の悦ぶコツを勉強して修業してくる」
そう言って立ち上がりかけた私を、白夜が慌てて捕まえる。
「どこへ行く気ですか」
「今夜は遅いから鷹臣君に電話で相談する。白夜が気持ちよくなれる方法を」
「何でも鷹臣君に訊くのはやめなさい。あなたは少し彼に頼りすぎです」
「だって鷹臣君は私のお兄ちゃんだもん。わからない事があれば何でも教えてくれるし、男性視点の事なら鷹臣君に訊くのが一番早い……」
何て事を言ったら、旦那様は笑顔で不機嫌オーラを出した。怒るまではいかなくても、確実に機嫌が悪い。
「あなたが頼る男は私だけです。古紫室長を一番に頼ろうとするのは、正直面白くないんですよ。たとえ兄代わりだとしても、彼にまで嫉妬してしまう」
きつく抱きしめられた直後。後頭部に手を添えられ、顔を上に向けられた。咬みつくようなキスに襲われて、治まっていた疼きが再発する。
隙間もない位上半身を密着させて、お互いの唇を貪る。パシャンとお湯が跳ねる音も気に留めないほど、深く情熱的なキスを交わした。
白夜の片腕は私の腰に回し、もう片手は後頭部を押さえている。私も彼のキスに応えるように、両腕を白夜の首に回す。
胸の先端が彼の肌にぶつかり、こすれる。そのわずかな刺激すら快感に繋がり、もっと、もっと繋がりたいと本能で彼を求めた。
「ぁっ……ひゃう、んッ」
腰に回っていた手がいつの間にか下がり、私のお尻の丸みを撫でる。潤いを確かめるかのようにそっと指が秘所を擦り、僅かに唇が離れた瞬間、思わず声が漏れてしまった。
止まないキスだけでも十分感じてしまうのに、同時に中も攻められてはこちらの快感は上がる一方だ。時折突起までいじられると、ビリビリとした電流が流れる位の激しい波に襲われる。
「びゃく、や……」
唇を離し顔を見つめれば、蕩けそうな位妖艶に彼は微笑む。
「腰、上げて?」
ああ、そんな色気が混じった掠れた声で囁くなんて、反則……! 耳にまでぞわぞわとした震えが走ってしまう。
白夜の言う通りに膝立ちのような恰好になれば、指で解されていた蜜壺に彼の欲望が押し当てられる。十分に潤っている私の中にゆっくりとこじ開けるように入って来たそれは、とても熱い。圧倒的な質量を感じながら、ゆっくりと息を吐いた。
「そう、麗……腰を落として」
言われる前に自分から腰を落とし、自重でより深く、奥まで彼の熱を受け入れる。上半身も下半身も隙間なくピッタリくっつくと、言いようのない充足感が込みあがって来た。
「白夜、白夜……顔、見せて」
彼の潤んだ瞳は情欲に濡れている。僅かに零れる吐息も、ふと見せる微笑も、全てに視線が奪われて、知らず中を締め付けた。
「……っ、」
思わず締め付けてしまうとどこか耐えるように顔を歪ませた旦那様は、とてつもなく色っぽい表情で「ダメ、ですよ……」と告げた。
……ちょっとヤバい、何これ。もっと見たいんだけど、この顔が!
切なげな表情に色気が混じり、凄まじい破壊力だ。腰を掴まれ上下に動かされる間も、私は何とか白夜の些細な表情の変化を見逃すことなく見つめる。
自ら腰を振るようにすれば、彼はふと微笑を零し、一言「好きに動いて?」と言った。ああ、この人はどこまで私を振り回すんだろう。
自分の欲望のまま行動したくなる。腰の動きを止め、私は不意打ちのように白夜の首筋を強く吸った。くっきりと痕が残る位、長く強く。
「ぁ、ふっ……、ッ!」
視線を逸らし睫毛を伏せた白夜が嬌声を漏らす。不意打ちの行動にちょっとびっくりしたというか、油断したのだろう。待ち望んでいた表情を見る事が出来て、私は再び感じてしまい、無意識のうちに白夜自身をもギュッと締め付けた。
「っ……う、らら」
腰を両手で掴まれ激しく揺さぶられ、僅かに残っていた冷静さはすぐに失われた。自分の声の方が大きいとか、旦那様の喘ぎ方の方がセクシーとか、何だか納得できない点がいくつかあるけれど! 同時に達し、白夜はそのまま中で精を吐き出す。
身体の奥に、白夜が放った熱が広がる……。じんわりとした熱さを感じながら、私は白夜にもたれかかった。
結婚しているんだから避妊をする必要もないんだけど、生でヤッちゃった……。ああ、でも直に彼の体温が感じられるのは、すごく幸せだ。もっとくっついていたい、離れたくない。その想いから、彼に縋る腕に力を込める。
「白夜……愛してくれて、ありがとう」
怠さが残る身体を預けたまま彼に告げれば、白夜は軽く嘆息して呻いた。
「あなたはどうしてそう、私を翻弄するのがうまいのでしょうか……」
これ以上お湯に浸かっていたらのぼせてしまう。お姫様抱っこをされた私はバスローブを着せられて、リビングにまで移動した。
飲み物を手に持ったバスローブ姿の白夜は、見られるだけで妊娠しそうな位危ないフェロモンが出ているみたいだ。黒い濡れ髪に白のバスローブ姿って、反則だよ!
ミネラルウオーターを飲ませて、若干のぼせてしまった私を甲斐甲斐しく世話する旦那様に、唐突に思いついた最後の質問を投げた。
「自宅のパソコンにも、仕事以外で私に見られちゃいけない物、入っていないんだよね?」
「…………」
え、その沈黙は一体なんですか!
ふいに視線を逸らした白夜を問い詰める事は、今の私にはできなかった。
R18入りますので、苦手な方はスキップをお願いします。
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「待った、ちょっと待った!」という私の叫びを笑顔で一蹴し、実に手慣れた動作で彼は裸の私を浴室へ連れ込んだ。適度に温かいお風呂の中へ一緒に入る事になり、条件反射で慌てて逃げ出そうとする。
ヤバい、非常にまずい気がひしひしとっ……!
同じく裸の旦那様は、私を逃がさないというようにお腹に腕を回して、背後からがっちりと抱き寄せてくる。って、腹肉のぷにぷにを直に触れるのはやーめーてー!
「少し肉付きがよくなりましたか?」
彼の手がウエストのラインから胸へ移動し、私は悲鳴をあげた。
「ひどい! 人が気にしている事をっ~!!」
夏バテで食欲が減少、なんて症状に陥った事はない。しっかり三食食べられる事は健康的でいいんだろうが、夏は冷たくて甘い物の誘惑が多すぎて困る。しかも冷房を浴びて、変に身体がむくんだりするし。腹筋は続けているけど、全く効果が見えないのに……太ったって思われた!
「何故でしょう? 気にする事はないはずですが。サイズが頻繁に変わる事は、確かに女性からしてみれば大変かもしれませんけど。個人的には麗の胸が成長するのは嬉しいですよ?」
む、胸の話だったのか……。
そういえば以前朝姫ちゃんの家で女子会をやった時、何故か下着のフィテッィングをする事になり、サイズが変わった事を知ったんだっけ。瑠璃ちゃんが泣いて大変だった記憶が……
柔らかく胸を包み込むように触れてくる旦那様の手によって、官能が高められる。彼の指がピンと主張を始めた先端を弾いて、思わず艶めいた声が漏れそうになった。
くすり、と背後で微笑む白夜が憎らしい……。私の反応を見て完全に楽しんでやがっているのだ。
いけない、このままじゃ。お風呂でイチャイチャしながらベッドに連れ込まれて朝までコース……なんて、平日の夜にされたら身体がもたないー!
何か、何か会話を続けなければっ! 身体で会話なんて、今はいいから!!
「びゃ、白夜は私の身体のどこに欲情するの!」
「はい?」
訊いた質問は、些か直球すぎた。
うわ、何疑問に思った事をそのまま訊いてるの私!
だが、開き直るしか道がない私は、くるりと身体を反転し、白夜と向かい合わせに座る。広い浴槽の中で向かい合わせになるには、ちょっと勇気がいるけれど。入浴剤が入ってて良かった……。羞恥心が少しだけ軽減された。
「だって、自分で言うのもあれだけど、私色気ないよ? スタイルだって別にいいわけじゃないし、白夜を気持ちよくさせる事だって出来てない……」
「本気で言ってるのですか? あなたの存在自体に私は欲情しているのに」
「っ!」
す、すごい殺し文句が来たーー! 思わず鳥肌が立ちそうになった。存在だけで欲情って、喜んでいいのか、な? え、でもマジで?
自分でも顔が赤いのをわかりながら、白夜の顔を見つめる。薄らと汗が浮かんでいる肌が何とも言えない色気を醸し出していた。しかも血行が良くなり若干肌が色づいてきた首筋から鎖骨のラインがいつも以上に色っぽい……っ! 女の私よりもセクシーって、もう何なのこの人。
羞恥心が高まる中、私の中での開き直り度も同時に上がった。もうここまで来たのだ、言いたい事は言ってやれ。訊きたい事も訊かないと。人間、我慢は身体によくないと思うの。
「……わかった。じゃ、白夜。喘いで?」
「……はい?」
珍しく旦那様の顔に困惑の色が浮かんだ。
ずいっと開けていた距離を詰める。若干据わった目で彼を見つめた。
「白夜が気持ちよさげに色っぽく喘ぐ姿が見たい」
「ダメです」
すぐに立ち直った彼は即答で答えた。余裕の笑みが再び浮かべられ、内心で舌打ちする。ムクムクと、反抗心が湧いた。
「何で! いっつも私ばかり気持ちよくさせてもらってるのに、私は全然白夜を気持よくさせてあげられてないよ!」
「十分あなたの身体を堪能しているのですから、あなたは何もしなくていい、」
「よくない!」
珍しく私は彼の台詞を遮った。少し驚き顔になった白夜にむすっとした顔で睨む。
「私は白夜と対等でいたいの。そりゃ人生経験や仕事に関しては、対等にいるなんて無理だけど。でも、白夜はいつも私に与えてばかりで、私だって白夜にいろいろ与えてあげたいのに」
「たくさんもらってます。麗は私の傍にいるだけで、十分すぎるほど安らぎを与えてくれてますよ?」
濡れた手で優しく頬を撫でられる。慈しみに溢れる表情は、先ほどの不穏でお仕置きモードの旦那様ではなくて。穏やかで優しい、私の大好きな笑みだ。この笑顔を見るだけで、お腹の奥がキュンって疼く。好き、大好きと言葉に出しても足りないくらい、私は彼を愛してる。
だから、もっと愛させてほしい。
「ダメだよ、白夜。これで十分だと思っていたら、進化も変化も望めないよ。立ち止まらずもっと貪欲に次を求めないと!」
「……一体何の話をしているのでしょう」
「だから! 傍にいるだけで十分じゃなくて、私にしてほしい事をもっと求めて。私は白夜を愛してるんだから、あなたが望む事は叶えてあげたいの!」
至近距離にいる白夜が息を呑んだような顔をした。軽く驚きで目を瞠っている。その隙に彼の身体に触れようとして――手首を掴まれた。
「何をする気で?」
「白夜の快感を高めようと」
「その必要はありません」
「何で! 私だってオーラルセックス位できるよ!」
……多分。
いや、知識は一応あるけれど、本当に出来るかどうかと言われれば、疑問符が浮かぶ。やろうと思えば出来そうな気はするが、したいかと言われれば微妙だ。大好きな人の一部を口に咥える事は、愛があれば出来るはずだと思うけど!
「あ、口じゃなくても、手でとか、」
「却下」
「何故!」と吠えれば、白夜は深々とため息を吐いた。
「あなたに少しでも触れられていると思ったら、すぐに達してしまいそうになるからですよ。そんなみっともなくてかっこ悪いところ、見せたくありません」
みっともなくなんてないよ! と言っても、多分今は逆効果なんだろうな……。プライド高すぎるよ、旦那様! とは言ってやりたい。
男性のプライドを折るような真似はしちゃいけないと思うけど、素直に納得できない。
しばし思案した私は白夜の傍から離れる。
「わかった。それなら私ももっと勉強してくる」
小さく呟いた声をしっかりと拾った白夜は、怪訝な顔色で「麗?」と私を呼んだ。
「男性の悦ぶコツを勉強して修業してくる」
そう言って立ち上がりかけた私を、白夜が慌てて捕まえる。
「どこへ行く気ですか」
「今夜は遅いから鷹臣君に電話で相談する。白夜が気持ちよくなれる方法を」
「何でも鷹臣君に訊くのはやめなさい。あなたは少し彼に頼りすぎです」
「だって鷹臣君は私のお兄ちゃんだもん。わからない事があれば何でも教えてくれるし、男性視点の事なら鷹臣君に訊くのが一番早い……」
何て事を言ったら、旦那様は笑顔で不機嫌オーラを出した。怒るまではいかなくても、確実に機嫌が悪い。
「あなたが頼る男は私だけです。古紫室長を一番に頼ろうとするのは、正直面白くないんですよ。たとえ兄代わりだとしても、彼にまで嫉妬してしまう」
きつく抱きしめられた直後。後頭部に手を添えられ、顔を上に向けられた。咬みつくようなキスに襲われて、治まっていた疼きが再発する。
隙間もない位上半身を密着させて、お互いの唇を貪る。パシャンとお湯が跳ねる音も気に留めないほど、深く情熱的なキスを交わした。
白夜の片腕は私の腰に回し、もう片手は後頭部を押さえている。私も彼のキスに応えるように、両腕を白夜の首に回す。
胸の先端が彼の肌にぶつかり、こすれる。そのわずかな刺激すら快感に繋がり、もっと、もっと繋がりたいと本能で彼を求めた。
「ぁっ……ひゃう、んッ」
腰に回っていた手がいつの間にか下がり、私のお尻の丸みを撫でる。潤いを確かめるかのようにそっと指が秘所を擦り、僅かに唇が離れた瞬間、思わず声が漏れてしまった。
止まないキスだけでも十分感じてしまうのに、同時に中も攻められてはこちらの快感は上がる一方だ。時折突起までいじられると、ビリビリとした電流が流れる位の激しい波に襲われる。
「びゃく、や……」
唇を離し顔を見つめれば、蕩けそうな位妖艶に彼は微笑む。
「腰、上げて?」
ああ、そんな色気が混じった掠れた声で囁くなんて、反則……! 耳にまでぞわぞわとした震えが走ってしまう。
白夜の言う通りに膝立ちのような恰好になれば、指で解されていた蜜壺に彼の欲望が押し当てられる。十分に潤っている私の中にゆっくりとこじ開けるように入って来たそれは、とても熱い。圧倒的な質量を感じながら、ゆっくりと息を吐いた。
「そう、麗……腰を落として」
言われる前に自分から腰を落とし、自重でより深く、奥まで彼の熱を受け入れる。上半身も下半身も隙間なくピッタリくっつくと、言いようのない充足感が込みあがって来た。
「白夜、白夜……顔、見せて」
彼の潤んだ瞳は情欲に濡れている。僅かに零れる吐息も、ふと見せる微笑も、全てに視線が奪われて、知らず中を締め付けた。
「……っ、」
思わず締め付けてしまうとどこか耐えるように顔を歪ませた旦那様は、とてつもなく色っぽい表情で「ダメ、ですよ……」と告げた。
……ちょっとヤバい、何これ。もっと見たいんだけど、この顔が!
切なげな表情に色気が混じり、凄まじい破壊力だ。腰を掴まれ上下に動かされる間も、私は何とか白夜の些細な表情の変化を見逃すことなく見つめる。
自ら腰を振るようにすれば、彼はふと微笑を零し、一言「好きに動いて?」と言った。ああ、この人はどこまで私を振り回すんだろう。
自分の欲望のまま行動したくなる。腰の動きを止め、私は不意打ちのように白夜の首筋を強く吸った。くっきりと痕が残る位、長く強く。
「ぁ、ふっ……、ッ!」
視線を逸らし睫毛を伏せた白夜が嬌声を漏らす。不意打ちの行動にちょっとびっくりしたというか、油断したのだろう。待ち望んでいた表情を見る事が出来て、私は再び感じてしまい、無意識のうちに白夜自身をもギュッと締め付けた。
「っ……う、らら」
腰を両手で掴まれ激しく揺さぶられ、僅かに残っていた冷静さはすぐに失われた。自分の声の方が大きいとか、旦那様の喘ぎ方の方がセクシーとか、何だか納得できない点がいくつかあるけれど! 同時に達し、白夜はそのまま中で精を吐き出す。
身体の奥に、白夜が放った熱が広がる……。じんわりとした熱さを感じながら、私は白夜にもたれかかった。
結婚しているんだから避妊をする必要もないんだけど、生でヤッちゃった……。ああ、でも直に彼の体温が感じられるのは、すごく幸せだ。もっとくっついていたい、離れたくない。その想いから、彼に縋る腕に力を込める。
「白夜……愛してくれて、ありがとう」
怠さが残る身体を預けたまま彼に告げれば、白夜は軽く嘆息して呻いた。
「あなたはどうしてそう、私を翻弄するのがうまいのでしょうか……」
これ以上お湯に浸かっていたらのぼせてしまう。お姫様抱っこをされた私はバスローブを着せられて、リビングにまで移動した。
飲み物を手に持ったバスローブ姿の白夜は、見られるだけで妊娠しそうな位危ないフェロモンが出ているみたいだ。黒い濡れ髪に白のバスローブ姿って、反則だよ!
ミネラルウオーターを飲ませて、若干のぼせてしまった私を甲斐甲斐しく世話する旦那様に、唐突に思いついた最後の質問を投げた。
「自宅のパソコンにも、仕事以外で私に見られちゃいけない物、入っていないんだよね?」
「…………」
え、その沈黙は一体なんですか!
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