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1人と1振り
少女の救世主
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「はぁはぁはぁ」
薄暗い林の中を少女が必死で走る。
一角うさぎやスライムくらいしか出ない安全な林は、村人がよく薬草や山菜を採りにくる場所だった。
少女も怪我をした弟の為に薬草を採りに来たのだが、安全なはずの林には薄汚れた服を着た3人の男達が居た。
少し離れた山にアジトを構えていた盗賊団が冒険者の襲撃により壊滅し、命からがら逃げ出した3人の盗賊が林に身を隠していたのだった。
「ひゃっはははぁ~!」
「ほらほらお嬢ちゃん、捕まえちゃうよぉ」
「ひ、ひひ久し振りの女だ、ひひ」
下品な笑みを浮かべた3人の盗賊は少女に追いつかない様に後を追っている。
このまま、付かず離れずで追いかけて少女が疲れ切った所で捕まえるつもりだ。
これまで何度も行った行為だ。
弱い者をいたぶるのが好きな3人はこの行為が、お気に入りだった。
「はっはっはっ、あ⁉︎」
必死で逃げていた少女は、張り出していた木の根に躓いて転んでしまう。
地面に打ち付けられた身体が痛み、その痛みがコレから自分の身に起こる事への恐怖を増加させる。
「あれ~転んじゃったんだ~」
「大丈夫ぅ?ひひ」
「ほら、こっちにおいでよ、気持ちよくしてやるからよ」
ニヤニヤと笑いながら盗賊達は少女へと近づいてくる。
「いや!来ないで!」
少女が必死に叫んでも盗賊達は更にニヤニヤと笑うだけだった。
そして、盗賊の1人が少女の服に手を掛けようとした時だった。
「その辺にしておけ」
盗賊達に声をかける者がいた。
盗賊達か声の主の姿を確認する。
そいつは冒険者の様だった。
盗賊達は3人、相手は1人だ。
しかし、冒険者を相手にするには単純な数の差では考えられない。
当然だ。
わざわざ自分からこちらに声を掛けて来たのだ。
当然、冒険者は盗賊達が3人居る事を理解した上で声を掛けてたと言う事だ。
冒険者と盗賊なら冒険者の方が強い。
冒険者に簡単に勝てるくらい強ければ盗賊なんてやってはいないだろう。
それこそ、冒険者や兵士しでもなれば、街中で人並みの暮らしが出来るのだから当然だ。
冒険者はゆっくりと盗賊達に近づいて行く。
腰のレイピアに手を掛けてはいるが、抜いてはいない。
それは、己の強さへの自信故の物だろう。
「……………………ちっ、ずらかるぞ」
盗賊達は急ぎ足で立ち去って行った。
冒険者はレイピアの柄から手を離し、その手を少女へと差し伸べる。
「大丈夫かい?」
「は、はい。
ありがとうございます。
なんとお礼を言っていいか」
「礼なんていらないさ、僕は当然の事をしたまでだからね」
「あ、あの、お名前をお聞きしても良いですか?」
「ああ、僕の名はアーク、戦場に咲く美しき赤き薔薇、全ての女性の守り人、アークとは僕の事だよ、子猫ちゃん」
赤く染め抜いた皮鎧と白いマントを身に付けた金髪の男はアークと名乗ると前髪を搔き上げる謎のポーズをとった。
「は、はあ」
その行動の意味が理解出来ず、少女は曖昧な笑みを浮かべるのだった。
薄暗い林の中を少女が必死で走る。
一角うさぎやスライムくらいしか出ない安全な林は、村人がよく薬草や山菜を採りにくる場所だった。
少女も怪我をした弟の為に薬草を採りに来たのだが、安全なはずの林には薄汚れた服を着た3人の男達が居た。
少し離れた山にアジトを構えていた盗賊団が冒険者の襲撃により壊滅し、命からがら逃げ出した3人の盗賊が林に身を隠していたのだった。
「ひゃっはははぁ~!」
「ほらほらお嬢ちゃん、捕まえちゃうよぉ」
「ひ、ひひ久し振りの女だ、ひひ」
下品な笑みを浮かべた3人の盗賊は少女に追いつかない様に後を追っている。
このまま、付かず離れずで追いかけて少女が疲れ切った所で捕まえるつもりだ。
これまで何度も行った行為だ。
弱い者をいたぶるのが好きな3人はこの行為が、お気に入りだった。
「はっはっはっ、あ⁉︎」
必死で逃げていた少女は、張り出していた木の根に躓いて転んでしまう。
地面に打ち付けられた身体が痛み、その痛みがコレから自分の身に起こる事への恐怖を増加させる。
「あれ~転んじゃったんだ~」
「大丈夫ぅ?ひひ」
「ほら、こっちにおいでよ、気持ちよくしてやるからよ」
ニヤニヤと笑いながら盗賊達は少女へと近づいてくる。
「いや!来ないで!」
少女が必死に叫んでも盗賊達は更にニヤニヤと笑うだけだった。
そして、盗賊の1人が少女の服に手を掛けようとした時だった。
「その辺にしておけ」
盗賊達に声をかける者がいた。
盗賊達か声の主の姿を確認する。
そいつは冒険者の様だった。
盗賊達は3人、相手は1人だ。
しかし、冒険者を相手にするには単純な数の差では考えられない。
当然だ。
わざわざ自分からこちらに声を掛けて来たのだ。
当然、冒険者は盗賊達が3人居る事を理解した上で声を掛けてたと言う事だ。
冒険者と盗賊なら冒険者の方が強い。
冒険者に簡単に勝てるくらい強ければ盗賊なんてやってはいないだろう。
それこそ、冒険者や兵士しでもなれば、街中で人並みの暮らしが出来るのだから当然だ。
冒険者はゆっくりと盗賊達に近づいて行く。
腰のレイピアに手を掛けてはいるが、抜いてはいない。
それは、己の強さへの自信故の物だろう。
「……………………ちっ、ずらかるぞ」
盗賊達は急ぎ足で立ち去って行った。
冒険者はレイピアの柄から手を離し、その手を少女へと差し伸べる。
「大丈夫かい?」
「は、はい。
ありがとうございます。
なんとお礼を言っていいか」
「礼なんていらないさ、僕は当然の事をしたまでだからね」
「あ、あの、お名前をお聞きしても良いですか?」
「ああ、僕の名はアーク、戦場に咲く美しき赤き薔薇、全ての女性の守り人、アークとは僕の事だよ、子猫ちゃん」
赤く染め抜いた皮鎧と白いマントを身に付けた金髪の男はアークと名乗ると前髪を搔き上げる謎のポーズをとった。
「は、はあ」
その行動の意味が理解出来ず、少女は曖昧な笑みを浮かべるのだった。
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