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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
76話 修行の誘い
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「ははは、兄弟子とは言えないな。
大賢者様から私の事を聞いているだろ?」
マーリンの驚き混じりの問い掛けにエレインさんは自嘲気味に笑った。
そのエレインさんにマーリンは少し言いにくそうに答える。
「その……破門された、と」
「ああ、その通りだ。
当時は私も若かった。
とにかくがむしゃらに力を求めていて、禁じられていた術に手を出してしまったんだ。
その件で破門されてね。
この歳になって大賢者様の言っていた事も理解できる様になったが、当時は強力な魔法が使えれば強くなれると信じていたんだ」
Sランク冒険者の深淵の魔導師が大賢者に師事していた事は有名だが、破門されていたのは知らなかった。
確かにエレインさんはさっきから1度も大賢者様の事を師匠とは呼んでいなかった。
「そうでしたか……」
「エリオ君に関する精霊の予言も大賢者様の所にいた時に知ったんだ」
ミルミット王国の国王様も精霊の予言で俺の事を知っていた。
他にも知っている人がいるかも知れないな。
「なるほど、事情はわかりました。
エレインさんのおかげで光神像の確認も出来ました。
ありがとうございます」
俺達はエレインさんに頭をさげた。
「いやいや、気にしなくても良いよ。
所で君達、次は何処に向かうんだい?」
「この近くに有る虚無の洞窟を調べようと思っています」
「虚無の洞窟か……う~ん?」
ソフィアが今後の俺達の予定を伝えるとエレインさんは難しい顔で悩み始めた。
「何か問題でも?」
俺が尋ねるとエレインさんは申し訳なさそうに口を開く。
「気を悪くしないで欲しいが、今の君達の力では虚無の洞窟に巣食う魔物を相手にするのは少々荷が重いだろう」
「「「「…………⁉︎」」」」
「虚無の洞窟にいる魔物の平均はDランク程だが、奥の方にはCランクやBランクの魔物もいる。
君達の実力では最奥まで辿り着く事は難しいだろう」
エレインさんはハッキリとそう言った。
確かに俺達ではBランクやCランクの魔物を相手にした時、一体だけならまだしも複数の魔物が相手となると、勝つ事は難しい。
「私が同行しても良いがそれでも完全に安全とは言えない。
そこでだ。
もし良かったら数日だが、私が君達に修行をつけると言うのはどうだろうか?」
エレインさんが意外な提案をして来た。
「修行ですか⁉︎」
「ああ、君達……特にエリオ君とソフィア君は精霊から与えられた力を全く使いこなせていない。
だが、私が魔力の使い方を教え、同行すれば洞窟の最奥に到達する事も可能だろう」
エレインさんが言うには精霊の紋章を手にした俺とソフィアだが、身体を巡る魔力は常人と変わっていないらしい。
文献によると精霊の紋章を手にした者は、熟達した精霊使いと同様に自分の魔力と精霊の力を融合させる事で強力な力を扱えるらしい。
その力を使うきっかけにでもなればと、エレインさんは修行を提案してくれたのだった。
「どうする、俺は是非修行を付けて貰いたいと思っているんだけど?」
俺は振り返り仲間に尋ねる。
「良い話だと思うわ」
「そうですね。
確かに今の私達ではいずれ行き詰まるでしょうし、Sランク冒険者の指導を受けられるのは願っても無いチャンスです」
「強くなれるなら俺も構わない」
みんな賛成してくれているようだ。
俺は仲間たちに頷くとエレインさんの方に向き直る。
「よろしくお願いします!」
大賢者様から私の事を聞いているだろ?」
マーリンの驚き混じりの問い掛けにエレインさんは自嘲気味に笑った。
そのエレインさんにマーリンは少し言いにくそうに答える。
「その……破門された、と」
「ああ、その通りだ。
当時は私も若かった。
とにかくがむしゃらに力を求めていて、禁じられていた術に手を出してしまったんだ。
その件で破門されてね。
この歳になって大賢者様の言っていた事も理解できる様になったが、当時は強力な魔法が使えれば強くなれると信じていたんだ」
Sランク冒険者の深淵の魔導師が大賢者に師事していた事は有名だが、破門されていたのは知らなかった。
確かにエレインさんはさっきから1度も大賢者様の事を師匠とは呼んでいなかった。
「そうでしたか……」
「エリオ君に関する精霊の予言も大賢者様の所にいた時に知ったんだ」
ミルミット王国の国王様も精霊の予言で俺の事を知っていた。
他にも知っている人がいるかも知れないな。
「なるほど、事情はわかりました。
エレインさんのおかげで光神像の確認も出来ました。
ありがとうございます」
俺達はエレインさんに頭をさげた。
「いやいや、気にしなくても良いよ。
所で君達、次は何処に向かうんだい?」
「この近くに有る虚無の洞窟を調べようと思っています」
「虚無の洞窟か……う~ん?」
ソフィアが今後の俺達の予定を伝えるとエレインさんは難しい顔で悩み始めた。
「何か問題でも?」
俺が尋ねるとエレインさんは申し訳なさそうに口を開く。
「気を悪くしないで欲しいが、今の君達の力では虚無の洞窟に巣食う魔物を相手にするのは少々荷が重いだろう」
「「「「…………⁉︎」」」」
「虚無の洞窟にいる魔物の平均はDランク程だが、奥の方にはCランクやBランクの魔物もいる。
君達の実力では最奥まで辿り着く事は難しいだろう」
エレインさんはハッキリとそう言った。
確かに俺達ではBランクやCランクの魔物を相手にした時、一体だけならまだしも複数の魔物が相手となると、勝つ事は難しい。
「私が同行しても良いがそれでも完全に安全とは言えない。
そこでだ。
もし良かったら数日だが、私が君達に修行をつけると言うのはどうだろうか?」
エレインさんが意外な提案をして来た。
「修行ですか⁉︎」
「ああ、君達……特にエリオ君とソフィア君は精霊から与えられた力を全く使いこなせていない。
だが、私が魔力の使い方を教え、同行すれば洞窟の最奥に到達する事も可能だろう」
エレインさんが言うには精霊の紋章を手にした俺とソフィアだが、身体を巡る魔力は常人と変わっていないらしい。
文献によると精霊の紋章を手にした者は、熟達した精霊使いと同様に自分の魔力と精霊の力を融合させる事で強力な力を扱えるらしい。
その力を使うきっかけにでもなればと、エレインさんは修行を提案してくれたのだった。
「どうする、俺は是非修行を付けて貰いたいと思っているんだけど?」
俺は振り返り仲間に尋ねる。
「良い話だと思うわ」
「そうですね。
確かに今の私達ではいずれ行き詰まるでしょうし、Sランク冒険者の指導を受けられるのは願っても無いチャンスです」
「強くなれるなら俺も構わない」
みんな賛成してくれているようだ。
俺は仲間たちに頷くとエレインさんの方に向き直る。
「よろしくお願いします!」
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