神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

36話 完治とわたし

  ユーリア様の治療を始めて10日経ちました。
  ユーリア様の手足を覆っていた石は6日め辺りから少しずつ消えて行き現在は完全に元に戻っています。
  わたしは辺境伯様やミッシェル様が見守る中で検査をしています。
ユーリア様の血液を溶かした薬品をみて頷いたわたしは、落ち着いた声で結果を告げます。

「おめでとうございます。ユーリア様のメデューサ症候群は完治致しました」

「おお、本当か!」

「よかったわね!ユーリア」

「はい。お父様、お母様。
  ユウ様ありがとうございました」

「いいえ。ユーリア様が辛い治療に耐えたからですよ」

「シルバ、領民たちに報せを出すのだ。
  ユーリアが回復したと知れば皆安心するだろう」

「はい。領民は皆、ユーリアお嬢様の病に心を痛めておりましたから、さぞ喜ぶでしょう」

  辺境伯様の命を聞き、目に涙を浮かべたシルバさんは部屋を出て行きました。

「ユウ殿、良くやってくれた。
  故郷から見知らぬ国へ飛ばされた君にこの様な事を言うのは気分を害すかも知れないが、私は君がこの国に来てくれた事を神に感謝せずにはいられない」

  確かにこの国にわたしを飛ばしたのは神様ですがそう言われるとユーリア様を治療したのは神様の意図が有ったのでしょうか?
  まぁ、たまたまでしょうけど。

「お気になさらないでください辺境伯様。もともと国に家族も居ませんでしたし、旅から旅の根無し草でしたから特に郷愁を感じることもありませんからね」

「そうか。ありがとう。何か困った事が有れば私に相談しなさい。
  必ず力になると約束する」

「はい。ありがとうございます」

「よし!今日はユーリアの回帰祝いだ。
  料理長に言ってご馳走を用意させよう。
  我々だけでは無く、使用人達の分もだ!
  そうだ!領民達にも酒を振る舞うのだ。子供達には甘い焼き菓子を用意しよう!」

  おお!辺境伯様がハイテンションモードに入って仕舞いました。
  何やら美味しい物が食べられる予感がします。

  その夜、ガストの街はお祭り騒ぎでした。街のあちこちで酒が配られ、子供達は焼き菓子に舌鼓を打っちました。

  そして、領主邸の大広間ではパーティが行われていました。
  パーティと言ってもお客さんなどは無く参加しているのは領主邸で働く使用人達です。
  
「今日、我が娘、ユーリアが病から解放された。
  使用人の皆にはこの喜びを分かち合って欲しい。
  仕事が有る者も居るだろうが交代で食事を楽しんでくれ。
  ては皆、盃を取れ。
  ユーリアの回復を祝って!乾杯!」

「「「乾杯」」」

「わ、私なんかがこんな席に居ても良いのでしょうか?」

  ユーリア様の隣の席で場違いでは無いかとソワソワしているのはユーリア様のお世話をしていたメイドのラピスちゃんです。

「ラピスはずっと私の世話をしてくれたのですから遠慮することはありませんよ」

「そうだぞラピス。君には感謝しているんだ」

「だ、旦那さま。勿体無いお言葉です」

  宴会は賑やかに進みました。
  料理長が腕によりを掛けて用意してくれた料理はとても美味しかったです。
  わたしもマーダーハニーの幼虫と卵と蛹を材料とした提供しました。
  殆どを売ってしまったので残り僅かです。
  マーダーハニーの蛹のオーブン焼きは最高でした。
  デザートにはわたしが作ったプリンを出しました。
  ミッシェル様とユーリア様が痛く気に入った様なので辺境伯様にレシピを売る事になりました。
 
  翌日、応接室に呼ばれました。

「ユウ殿、この度は世話になった。
  報酬を受け取って欲しい」

「はい。ありがとうございます」

  わたしは辺境伯様から指示を受けたシルバさんが差し出した革袋を受け取ります。

!?
  この革袋、すごく重いです。
おそるおそる中を見たわたしはショックを受けました。

「あ、あのこれは少し多すぎませんか?」

「いや、君はこの大陸の全ての医者が匙を投げた奇病を治療したのだ。
  これくらいは当然の報酬だよ。むしろ少ないくらいだ」

「そ、そうですか。ではありがたく頂きます」

「それとこれだ」

  辺境伯様は鷹を模ったマジックアイテムを手渡してくれました。
  誓約の呪具です。
 わたしはお礼を言って受け取りマジックバックに仕舞う振りをして、アイテムボックスに仕舞いました。

「それからこれも貰って欲しい」

  辺境伯様はシルバさんが持っていた召喚魔法の補助魔方陣が刺繍された絨毯を取り出しました。

「え、それを頂いていいのですか?」

「うむ、君にはまだ召喚出来ない従魔がいると聞いているこれが有れば役に立つ事も有るだろう」

「ありがとうございます」

「これも約束だったからな」

  辺境伯様は紋章が刻まれたメダルを渡してくれました。

「貴族に絡まれたらそれを見せなさい。
  そうすれば、まともな貴族なら手を引くはずだ」

「まともでは無い貴族の場合は?」

「…………叩き潰したまえ」
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