最大の敵は作者でした

はぐれメタボ

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主人公、異世界に立つ(不本意)

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「は⁉︎」

  気がつくと俺は風が吹き抜ける草原に立っていた。
  俺は異世界へ連れてきてくれた、はぐれメタボに感謝し、これからの冒険に心を……

「おい!何を勝手なモノローグを入れてやがる!
  さっさと元の世界に戻せ!」

  まぁまぁ、良いじゃない。
  君が夢想したファンタジー世界だよ?

「ふざけんな!
  俺は明日バイトのシフト入ってんだよ!
  家に帰らないと家族も心配するだろ!
  お前、これはアレだぞ!アレ!
  未成年者略取誘拐ってヤツだぞ!」

  俺は町を目指して草原の中に走る街道を意気揚々と歩き始めた。

「無視すんな!」

  ほらほら、さっさと歩きな。
  元の世界に戻りたかったら面白可笑しい冒険を繰り広げてみせろ。

「こいつ、露骨に脅しに来やがった」

  無事に一作品書き上げたら元の場所、元の時間に戻すからさ。

「ぐぬぬぬ……」

  ほら、そろそろ最初の事件イベントが始まるよ。

「え⁉︎」

  俺が作者はぐれメタボの発言?に驚いていると街道の後方から一台の馬車が猛スピードで接近して来るのが見える。
  御者台ではフード被った旅人が必死で鞭を振るっている。
  何かに追われている様だ。

「こ、コレはテンプレな盗賊フラグか⁉︎」

  よし、この俺が助けてみせるぜ!

「おいおいマジかよ」

  俺は作者はぐれメタボのモノローグにツッコミを入れるのも忘れ焦り出した。

「やっべ、こっち来るぞ!
  どうにか……しない……と」

  そこで俺は改めて自分の姿を確認した。
  雪の降るバス停でバスを待っていた時のままだ。
  カバンは無くなっている、身1つだ。
  コートは少し暑い。
  いやいや、そうじゃない。
  そうじゃないんだ!

「お、おい!何か武器はないのか?」

  武器?

「そうだよ!普通なんかあるだろ!
  俺にしか使えない伝説の剣とか、スゲー魔法の力とか、異世界転移ってなんかそう言うチートが付いてくるだろ、普通!」

  え~、でも最近はチート無しとか、自力で力を得る、とかが主流だし……

「んな事言ってる場合か!
  このままだと俺死ぬぞ!
  物語が開始早々に終了するぞ!
  早く助けろ!せめて有用なチートを寄越せ!」

  わかったよ、確かに今死なれると流石に困る。
  最近流行りの超絶チートをあげよう。

「よし!」

  ズボンの右ポケットを見てごらん。

  俺は右のポケットにいつのまにか入れられていた物を取り出した。

「出でよ、俺のチート!」

  俺は取り出したものをこちらに向かって来る馬車と盗賊の方に向けた。

「………………おい……なんだコレは?」

  ん?スマホだけど?
  最近流行ってるだろ。
  さぁ、勝て!

「勝てるかぁぁあ!!!!」
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