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星わたりの妖精
1 最初のねがいごと
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少年は、新しい星に降り立ちました。
そこはフカフカの緑の草が生え、花が咲き乱れ、小川が流れ、木々が風に揺れて踊る、とても素敵な星でした。
少年はとても美しい透き通った羽と、金の髪、空のような真っ青な目を持っていました。
丘の上に、赤い屋根のお家が見えます。
少年は心を弾ませて、丘を上り、玄関の木の扉をコンコンと叩きました。
中からは、フワフワの茶色い髪と、赤いほっぺが可愛らしい、幼い女の子が出てきました。
少年は言いました。
「初めまして。僕は星の妖精。
あなたの願いを何でも2つだけ叶えましょう。」
「そんなもの、いらないわ。」
女の子ははっきりと断りました。
「いらないと言われたのは、初めてな気がするよ。どうしてなの?」
と、目をパッチリ開いて聞くと、
「じゃあ、あなたはどうして私の願いを叶えたいの?」
と、逆に聞かれてしまいます。
「それが僕の仕事だから。」
「そんな仕事、辞めてしまえばいいじゃない。」
女の子はそう言って、少年を押しのけ、野原へ駆けて行ってしまいました。
「待ってよ!何でも願いが叶うのに、いらないの?」
少年は走って追いかけます。
「いらないわ!ついてこないでよ!」
「ダメだよ。僕はこうして、願いを叶えて星を渡らないと、死んでしまうんだ。」
それを聞いて、女の子が立ち止まりました。
「そんな事で死んでしまうなんて、変なの。」
「何でもいいから、言ってごらんよ。どんな事でも叶えてあげられるから。」
「何でもいいの?」
「何でもできるさ!」
「それじゃあ、私とお友達になって。」
女の子のフワフワ髪に包まれた、小さなブルーの瞳が、少年をじっと見つめます。
「とっても寂しいの。
一人ぼっちで、キャンディを集めるのが私の仕事だから。」
「それはいいや!一緒にお話ししたり、駆けっこしたりしよう!」
「本当に?1日だけじゃなくて、ずっと、お友達でいてくれる?」
「勿論さ!君が嫌だって言うまでね!」
その日から、2人は友達になりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこはとても不思議な星でした。
木には果物の代わりにりんご飴がなり、地面からは花と一緒にペロペロキャンディが生え、色んな飴玉が実を付けています。
「あなたは何処から来たの?」
女の子が、ペロペロキャンディを摘み取りながら聞きました。
「わからない。
気がついたら、この仕事をしていたからね。」
「ふうん。じゃあ、今まで旅した、色んな星の事を聞かせてちょうだい。」
「うーん、そうしたいけど、ダメだよ。僕はとっても忘れん坊で、前にいた星の事は全部忘れてしまうのさ。
ごめんね。せっかくお友達になれたのに、僕は君をガッカリさせてばかりだ。」
少年は、摘み取ったペロペロキャンディの束を見つめて、しゅんと俯きました。
「いいのよ。完璧なお友達なんていらないもの。そんなのはつまらないでしょう?」
「ありがとう。ねえ、じゃあ君は、どこから来たんだい?」
すると、彼女は嬉しそうに立ち上がって、空を指差します。
「あっちに、とっても大きい星があるでしょう?私はあの星から来たの。
あそこにはママがいて、今でも時々手紙をくれるわ。今は、ママに言われて、ここでキャンディを集めているの。」
見ると、そこには大きな黄色い星が浮かんでいます。
「そうなんだ。でもキャンディなんて集めて何になるのさ?」
「キャンディを、井戸に落とすの。そうすると、この星はどんどん美味しくなるわ。
そうして、とうとう最高に美味しくなったら、ママに食べさせてあげるんだ。
ママは病気だけど、幸せのいっぱいつまった美味しい星を食べれば、元気になるのよ。」
「星を食べるなんて!とっても大きなお母さんなんだね!」
「当たり前じゃない。お母さんは大きいわ。あなたのお母さんは違うの?」
「うーん。わからないや。覚えていないんだ。」
「あら、そうだったわ。ごめんね。」
女の子と少年は、両腕にいっぱいのキャンディを抱えて、丘の上のお家へ帰りました。
そこはフカフカの緑の草が生え、花が咲き乱れ、小川が流れ、木々が風に揺れて踊る、とても素敵な星でした。
少年はとても美しい透き通った羽と、金の髪、空のような真っ青な目を持っていました。
丘の上に、赤い屋根のお家が見えます。
少年は心を弾ませて、丘を上り、玄関の木の扉をコンコンと叩きました。
中からは、フワフワの茶色い髪と、赤いほっぺが可愛らしい、幼い女の子が出てきました。
少年は言いました。
「初めまして。僕は星の妖精。
あなたの願いを何でも2つだけ叶えましょう。」
「そんなもの、いらないわ。」
女の子ははっきりと断りました。
「いらないと言われたのは、初めてな気がするよ。どうしてなの?」
と、目をパッチリ開いて聞くと、
「じゃあ、あなたはどうして私の願いを叶えたいの?」
と、逆に聞かれてしまいます。
「それが僕の仕事だから。」
「そんな仕事、辞めてしまえばいいじゃない。」
女の子はそう言って、少年を押しのけ、野原へ駆けて行ってしまいました。
「待ってよ!何でも願いが叶うのに、いらないの?」
少年は走って追いかけます。
「いらないわ!ついてこないでよ!」
「ダメだよ。僕はこうして、願いを叶えて星を渡らないと、死んでしまうんだ。」
それを聞いて、女の子が立ち止まりました。
「そんな事で死んでしまうなんて、変なの。」
「何でもいいから、言ってごらんよ。どんな事でも叶えてあげられるから。」
「何でもいいの?」
「何でもできるさ!」
「それじゃあ、私とお友達になって。」
女の子のフワフワ髪に包まれた、小さなブルーの瞳が、少年をじっと見つめます。
「とっても寂しいの。
一人ぼっちで、キャンディを集めるのが私の仕事だから。」
「それはいいや!一緒にお話ししたり、駆けっこしたりしよう!」
「本当に?1日だけじゃなくて、ずっと、お友達でいてくれる?」
「勿論さ!君が嫌だって言うまでね!」
その日から、2人は友達になりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこはとても不思議な星でした。
木には果物の代わりにりんご飴がなり、地面からは花と一緒にペロペロキャンディが生え、色んな飴玉が実を付けています。
「あなたは何処から来たの?」
女の子が、ペロペロキャンディを摘み取りながら聞きました。
「わからない。
気がついたら、この仕事をしていたからね。」
「ふうん。じゃあ、今まで旅した、色んな星の事を聞かせてちょうだい。」
「うーん、そうしたいけど、ダメだよ。僕はとっても忘れん坊で、前にいた星の事は全部忘れてしまうのさ。
ごめんね。せっかくお友達になれたのに、僕は君をガッカリさせてばかりだ。」
少年は、摘み取ったペロペロキャンディの束を見つめて、しゅんと俯きました。
「いいのよ。完璧なお友達なんていらないもの。そんなのはつまらないでしょう?」
「ありがとう。ねえ、じゃあ君は、どこから来たんだい?」
すると、彼女は嬉しそうに立ち上がって、空を指差します。
「あっちに、とっても大きい星があるでしょう?私はあの星から来たの。
あそこにはママがいて、今でも時々手紙をくれるわ。今は、ママに言われて、ここでキャンディを集めているの。」
見ると、そこには大きな黄色い星が浮かんでいます。
「そうなんだ。でもキャンディなんて集めて何になるのさ?」
「キャンディを、井戸に落とすの。そうすると、この星はどんどん美味しくなるわ。
そうして、とうとう最高に美味しくなったら、ママに食べさせてあげるんだ。
ママは病気だけど、幸せのいっぱいつまった美味しい星を食べれば、元気になるのよ。」
「星を食べるなんて!とっても大きなお母さんなんだね!」
「当たり前じゃない。お母さんは大きいわ。あなたのお母さんは違うの?」
「うーん。わからないや。覚えていないんだ。」
「あら、そうだったわ。ごめんね。」
女の子と少年は、両腕にいっぱいのキャンディを抱えて、丘の上のお家へ帰りました。
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