鬼婆

華岡光

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その山には何かがいる

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 豊かな森に挟まれながら車は白バイの後を追うと、しばらくして白バイが路肩に停車した。その脇には黒く廃れたような古い大きな大木が間隔を開けて3本並んでいた。

 「凄い!!こんな黒々としてる木なんて見たことないよ!!」

 「不思議だよな、ここだけなんで黒い木があるんだろ?」

 裕之と陽子が驚いてると、白バイ隊員が車まで近づいてきた。

 「ここがその黒い巨木です。うちらもパトロールでここ通るんですが、ここだけ異様に目立つのでよく覚えているんですよ。くれぐれも言っときますが、決して"中へ"は入らないで下さいよ」

 健太らは車から降りると巨木めがけてスマホで写真を撮った。

 
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