鬼婆

華岡光

文字の大きさ
上 下
41 / 88

その山には何かがいる

しおりを挟む
 しばらく進むと辺りは完全に森で囲まれ、視界も果てしなく続く山林だけだった。

 「安達ヶ原に入ってると思うけど、この先は道らしきものがまったく無くなってるな。もう2時間は歩いてるぞ?ちょっと休憩しょ」

 浩之がそう言うと、近くにある倒木の上に腰をかけ3人は休憩を取った。

 「これ飲む?」

 陽子はリュックから水筒を取り出すと、蓋を開けてコップにまだ温かい紅茶を注いだ。ほのかに湯気が立ち上るのを見た健太はある事に気付いた。

 「なあ?寒くないか??」
しおりを挟む

処理中です...