鬼婆

鬼婆

 「ここてあのばばあと出会った所じゃんか！！陽子！！しっかり掴まってろ！！」

 健太はその場所を早々と通りすぎるために走りだした。その時、健太の足が止まった。

 「どうしたの？健太」

 頭を下げていた陽子が足を急に止めた健太に言った。

 「あ、あ、あれ・・」

 健太が陽子に前を向くように促した。

 「きゃあああ！！」

 思わず悲鳴をあげる陽子。2人の前にはあの老婆が立っていたのだった。手には大きな包丁を持ち。目は白目、白いぼろぼろの着物を着て、最初に会った時とは別人のようなぼろぼろの痛んだ真っ白な長い毛を腰まで下ろした気持ち悪く異様な容姿の老婆が。