少年館

ジョセフとアドン少佐の2人の生活17

　「アルマンすまないな、わがままを言って。あの屋敷で出会った子供の事がやたらに気になるんだよ。ただ単に欲望を満たすためだけにネミル大佐に教えられた館に行っただけだったんだが・・」

 アルマンは軍人としてのアドンの将来と、そして、アドン自身のこの先に待ち受ける暗くて恐ろしい影のようなものを予感してアドンに正直な気持ちを伝えただけだった。

　「アドン少佐分かりましたよ。そこまで言うなら私ももう何も言いません。だけど約束してください！そのジョセフとかいう子供の安全が確認できたら、もうその子とは関わらない事を。そして、あの館には行かない事を約束して下さい。」

 アドンは自分が初めて士官の少尉になった時から仕えてくれたアルマン上級曹長には頭が上がらないとこがあった。若くして士官になった時にいろいろ苦労した時にはよく助けてもらったからだった。