少年館

ジョセフとアドン少佐の2人の生活24

　「身内の方が来られて良かったです。このままジョセフ君の身に万が一の事でもあれば、あの子は一人寂しく・・

　それと、あの子の名前がジョセフと分かったのはこれのおかげなんですよ。おそらく見ればお兄さまであるアドン少佐もお分かりになられると思います。ご心配でしょうから、この子の母親にはお兄さまであるアドン少佐からお伝え下さい。」

 そう言うと医師は一枚の写真をアドン少佐に手渡した。

　その写真にはにっこりと微笑む優しそうで痩せほそった見るからに病弱な女性と、そして同じく優しそうな笑顔で写るジョセフが一緒に写っていた。その写真の裏には  "世界で一番の自慢の僕の大好きなお母さんへジョセフより"  というジョセフがおそらく書いたであろうメッセージが書かれていた。

　「ジョフ・・」

 アドンはしばらくその写真を見つめていた。目にはうっすらと涙を浮かべながら。