少年館

ジョセフとアドン少佐の2人の生活68

　軍の中の警察である憲兵隊の調査官はアドンと、そしてアドンが連れ去った男の子であるジョセフの事のおおよその背景をものの見事に突き止めた。

　「失礼します！！調査官のダルデです。兵営から逃げ出し、殺人未遂を犯し、そして、少年を誘拐したアドンの事と、そして連れ去られたジョセフの事を調べあげました。報告書をどうぞ！！」

 調査官から手渡された報告書を受けとったアドンの上官であるドゴール大佐はタバコを吸いながらそれを眺めていた。

　「おおかたこんな事だろうと思ったよ。未成年を買春するための館に入り、そこで気に入った少年ジョセフに一目惚れし、ジョセフを怪我させた館の支配人を殺害しようとしたということか。そして、病院からジョセフを連れ出しジョセフの家に向かったが、母親が殺され、そして、その母親を埋葬した後からは、消息が掴めてないということだな？」