少年館

華岡光

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その意思を受け継いで18

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「くそ・・ここもか。」

 山を降りた道の主要な場所にはドイツ軍の検問所が設けられていた。

「ジョフこうなれば川から隣町へと抜け出るしか方法はない!お前泳げるか?」

 アドンの問いに下を向き首を横に振るジョセフ。

「そうか、なら仕方ない俺の背中に掴まってろ。」

 アドンは荷物を全て捨てるとジョセフを背負い川へと入った。

「ジョフ!!しっかり掴まってろ。お兄ちゃんの背中にしっかりとな。」

 アドンは隣町までジョセフを背負い泳ぐという過酷な選択を選んだのだった。幸いドイツ軍は山の中と主要な道にしかまだ警備はしてなかった。


 「逃げたユダヤ人は2人。大人と少年の2人だそうだ。」

 国防軍兵士からの情報を確認し合う親衛隊兵士らは捜索範囲を話し合っていた。

 「奴らが住んでた山小屋から南の森へ足跡があったそうだから、おそらく国道を抜けて隣町に逃げるはず!しっかりと道は封鎖してるんだろうな?国防軍の奴らは。」
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