少年館

華岡光

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その意思を受け継いで28

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 「信じていいのか?本当にその言葉を信じていいので??」

 1人のユダヤ人の男性がポール署長の腕を握りしめながらそう言った。

 「ああ、信じてくれ。ドイツ兵達はいなくなった。さあ!!みんなこれからスイス国滞在許可証を発行する。順番に並んでくれ!!」

 ポール署長は部下に命じ、書類と机、椅子を外に持ってくるよう命じた。


 「お兄ちゃん、あの人の言う事本当みたいだね。僕らはスイスに行けるんだよ!!お兄ちゃん!!」

     「ああ、そうだな。俺達はこれからスイスに行くんだ!!!」

 アドンはジョセフを抱えながら、ジョセフと共に喜んだ。これでようやく真の幸せが訪れるものだと、心の底から感じた2人だった。

しかし・・ジョセフにとってこれが別れでもあるとはこの時はまだ知る由もなかったのである・・
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