少年館

華岡光

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その意思を受け継いで32

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・・数日後・・

 アドンは移民局から斡旋してもらった車両整備工場の仕事を始めながら、夜はジョフに字の書き方や計算のやり方、そして、軍人時代に覚えた格闘術や銃の撃ち方などを教えていた。

 「そうだ!!そこで反対の手で相手の溝落ちを突く!!そうだ良くできた。」

    「ふぅー疲れたぁ・・アドン兄さんの太い腕なら僕なんか簡単にやっつける事なんて簡単でしょ?」

    「いや、今のジョフは十分強い、ナイフの使い方も上手くなってきたし、体が大きくて腕が太い相手に勝つには必ずしも、体格が不利になる事はないんだよ。武器を使ったり、相手の動きを逆に利用して相手を制する事だってできるんだ。ジョフは頭が良い子だからきっと自分の身は自分で守れる時が来る!!」

    「なんかその言い方だと、アドン兄さんがいつかいなくなるみたいで嫌だよ!!」

    「ごめんよ・・でもな、人間いつ何があるか分からないんだ。だから俺の身にもし何かあった時はお前1人で生きていく覚悟も必要なんだよ?わかるなジョフ。」
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