少年館

華岡光

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その意思を受け継いで31

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 「ポール署長だな。我々が来た理由はわかっているはず。」

  アドン達が無事にスイス国内へと入国した後、スイスとドイツの国境を守る国境施設にはスイス秘密警察を名乗る男らが訪れていた・・

    「お前らはナチの回し者じゃないのか!!スイスは永世中立国、人道的観点では難民を受け入れる事もできるはず。俺は職務を執行しただけだ!!」

 ポール署長を取り囲む男らにポールはそう叫ぶと机の引き出しからピストルを取り出した。

 「俺が間違っているとでも言うのか?いいだろう。どうせお前らは俺を逮捕しに来たに違いない。これが俺の貴様らに対する最後の抵抗だ!!俺が死んでも必ず俺のした事は正しかったと人々は思ってくれるはず!!スイス万歳!!」

 そう言うとポール署長はこめかみにピストルを当てると自らの命を絶った。これが彼の最大限のナチス派スイス当局に対する抵抗であった。
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