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夏の終わり
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「なっ。な、な……」
千の熱い体温と、強張った筋肉に包まれ、急激に一夏の心拍数が上がる。大好きな人に抱きしめられていると思うだけで卒倒しそうだった。
真っ赤に染まった耳に唇を寄せ、千が囁く。
「なんでそんな頑ななん? 認めたらええやん。ここまで来たらもうバレバレやで」
「だ。だって……『普通の高校生』は、……」
「は? 普通の何って?」
「うぅ……せ、千だって! 千だって、何でここまでするんだよ。俺のことなんて、放っておけばいいだろ……」
千の腕の中で、一夏は体を硬くする。ただの好奇心で言わせようとしてるのなら、こんなに惨いことはない。また目に涙が盛り上がりそうになったとき、千が幼い子どもに言い聞かせるように、一夏の背を軽く叩いた。
「……そら、ちょっと前やったら『そっとしとく』って選択肢もあったけど。でも一夏は放っといたら、いくらでも引きこもるタイプって分かってもうたからな」
「……」
千は幼子をあやすようにとん、とん、と一夏の背を叩いていたが、やがてぽつりと言った。
「なあ一夏。……オレまだお前に言ってないことあるんやけど」
「……な。なに?」
「オレがあの日……お前が泣いて風呂場から逃げ出したとき。すぐ追いかけんかった理由があるって言ったら、知りたい?」
「……」
知りたい。と、率直に思った。
あの時一夏は、『服の匂いを嗅ぐ』という行為を千に見られて幻滅されたのだと思っていた。しかし実際のところ、当の本人はそのことに気付いていなかったという。でも、他の理由なんて。
「……びっくりしたから。じゃ、ないの?」
「ちゃうから聞いてんねやん。なあ、知りたない?」
背中に回された千の腕が温かい。口調も従弟妹達の子守りをしている時みたいに優しくて、一夏は素直に頷いていた。
「……知りたい。……」
「じゃ、好きってゆうて」
「えっ」
「オレのこと好きって言えたら教えたげる」
「……」
――もう、なんで千はそんなことばっかり言わせようとするんだよ。そんなに俺のこと揶揄いたいのかよ。
胸の奥の惨めな気持ちが膨れ上がって、また少し泣きそうになる。けれど背中を叩く千の腕は優しく、体温は温かく、一夏の昂った神経を解していく。
一夏はぎゅっと千の服の裾を握ると、顔の角度を少し変えた。腕の檻の中で体の向きを変え、千の耳元に口を寄せる。
「……せ。千のことが、す――」
――どぉおおおおおおん!
と、突如夜空が割れるような轟音が山に響き渡った。
ぎょっとして空を見上げると、暗闇の高いところに光の粒が打ちあがっている。
白く輝く、大輪の花火。光が周囲一帯を照らし、数秒の間、一夏と千を闇の中にくっきりと浮かび上がらせた。
真白の火花は外側にわずかに膨らむように広がって落ち、光の一粒一粒がかすかに橙に色を変えて闇の中に消えていく。
ぱらぱらぱら……と星を焦がしたかのようなささやかな音が控えめに鳴ったあとに残るのは、夜空に残像のように尾を引く白煙と、鼓膜に響く鈍い余韻。
一回きりの、不思議な花火だった。それに花火は、祭りの最終日にあげるのではなかったか。
一夏が呆然としていると、すぐ隣で千が大仰な溜め息を吐く。
「はぁぁあ……よりによってこのタイミングかよ。空気読んでくれやおっちゃん」
「……え?」
今の花火に、千は何か関わっているのか。
一夏の疑問に千は目線で気付いたらしく、自ら切り出す。
「いや、その……祭りの実行委員の人が、点火試験用の花火が一個余ってるゆうてたから。……頼み込んで、ちょっと」
「……え。今の花火、千があげてもらったってこと?」
「うん。まあ。だって一夏がおるの今日までって聞いてたから……いや金とかはかかってへんで? その代わり祭りの間毎日見回り出る羽目になったけど。……それくらいどうってことないし」
「な、……」
――なんで、千がそんなことするの。
今度は一夏が呆れて溜め息を吐く番だった。千の腕の中で身じろぎをして、正面から目線を合わせる。
「そんなことまで……してくれなくてよかったのに。俺のことなんて、別に――」
放っておいてくれてよかったのに。
一夏がそう言い終わる前に、千が言葉を被せる。
「最初にゆうたやろ。お前に好きになってほしかった。……オレも好きやから」
「……え、……」
「花火だけやない。弁当作ってこんなとこ連れ出したり、あっつい中キノコ採ったり、好きでもないやつのためにそんな面倒くさいことするか。というか、さっきの答えやけど――」
千の耳が、真っ赤に染まっていた。何故だか一夏はその耳を見て、これは千の紛れもない本心なのだと悟った。
「風呂あがった時のお前が……『彼シャツ』状態でかわいかったから。……その、ちょっと……心に来るものがあったというか」
「……」
「その……色々落ち着くまで部屋から出れんかったというか。……クソッ」
千はそこで舌打ちをすると、がばりと片手で顔を覆う。突然のことに一夏がぎょっとしていると、千が喘ぐように続ける。
「ああもう、クッソかわいいなあ……! ほんま写真に残しときたかった。今も……」
ちらり、と千が片目の眼球だけで一夏を見据える。その瞳が熱っぽく潤んでいることに気付き、一夏の背にぞくりとしたものが駆けのぼった。鳥肌が立つのにも似た、ぞわぞわした感覚。だけど決して、不快ではない不思議な感覚。
けれど同時に、一夏はあることを思い出した。
「写真……」
「……え。何、どしたん?」
「そうだ、写真!」
一夏は弾かれたように自分のポケットを探り、スマホの画面を立ち上げる。すぐさまネットに接続し、目当てのアドレスに飛ぶ。
「……一夏? 何してんの?」
「いや、その……俺、千のこと諦めようと思って、一度千の写真全部消したんだけど」
「うん」
「なんかやっぱ消さなくてもいいのかなって。クラウド上にまだデータ残ってるからゴミ箱から削除されないうちにダウンロードし直しとこうかなと」
「……なあ、それ今やること? 実物がここにおるんやで?」
文明の利器、万歳。
一夏は無事スマホから削除した画像データに辿り着く。すかさず一枚目の写真をタップしようとしたが、
「こら。一夏」
大きな手が画面に被さり、隠された。
一夏が不満の声をあげようと、ほとんど反射的に顔を上げたとき、
「……、」
今までにないくらい近くに、千の顔があった。
それから唇に、柔らかな感触。
一夏が言葉を失っていると、千がばつの悪そうな顔で言った。
「そんなん後ででええやろ。写真なら今撮ればいいやんか」
「う……」
うん、の一言すら、舌が硬直して出てこない。一夏がカチコチになりながらなんとか頷くと、千はふっと微笑んだ。
「せっかくやから、祭り行こ。もう終わりかけやけど、まだちょっとは屋台残ってるはずやから」
「……、ウン」
今度はなんとか声が出た。一夏はスマホをポケットに入れると、千に腕を引かれるまま歩き出す。森の暗がりに入ってしばらくしてから、腕を握っていた千の手が少しだけ離れた。その手は一夏の手首の上をするりと滑り、手のひらに辿り着くと、流れるような自然な動作で指を一本ずつ絡めていく。同時に、縦一列に歩いていた二人の距離も近くなり、狭い道をぴったりとくっつきながら歩くかたちになった。いわゆる『恋人繋ぎ』の状態である。
一夏は無言で隣を見上げたが、千は前を向いたままほんの少し口の端をあげてみせた。
「なに。なんか文句ある?」
「べ。……べつに……」
ふ、と千が吐息で笑う気配がする。
それからは二人とも、ただ寄り添って森の中を歩いた。
黙っていても触れ合っている手のひらから、千の熱が伝わってくる。熱い体温と鼓動、じわりと滲んでくる汗が、好きだと叫んでいるようで、一夏の胸の奥がぎゅっとなる。
――きっと俺の手も、そうなってる。脈拍で、全部千に伝わってる……。
地元民だけの秘密の道を抜け、山道に出る。木々の向こうの、遠くに見える灯華会の灯りを見つめながら、一夏はずっとここにいたいと思った。ずっとこうして、手のひらをくっつけあって歩いていたい。だけど地面が土からコンクリートに変わる境目に来た時、千が歩みを止めてぽつりと言った。
「来年もここで、一緒に見よか」
蝋燭の灯りに照らされ、オレンジ色の光を帯びる千の横顔は優しくて温かくて、最高にかっこいい。
一夏はまた心臓がぎゅっとなるのを感じながら、ただ頷いた。
「……うん。見にくる」
生憎、手は『恋人繋ぎ』ではなくなってしまったけれど、人気の多いところに来るまで二人はこっそり指の先だけで手を繋いで歩いた。
屋台はもうほとんどが店じまいを始めていたので、かろうじて残っていたたこ焼きとベビーカステラの店で駆け込みで買い物をし、近くにあったベンチで二人並んで食べた。
帰る時間になると、もう村を照らしていた蝋燭の灯りは消えていて、真っ暗闇の道を歩くことになったけど、そのおかげでまた手を繋ぐことができた。永瀬家の灯りが見えた時には、暗がりでどちらからともなくキスをした。
「……ソースの味」
「青のり付いてるかも」
つまらないことで笑い合い、永瀬家の前で別れる。
こうして一夏の、高校二年の夏が終わった。
千の熱い体温と、強張った筋肉に包まれ、急激に一夏の心拍数が上がる。大好きな人に抱きしめられていると思うだけで卒倒しそうだった。
真っ赤に染まった耳に唇を寄せ、千が囁く。
「なんでそんな頑ななん? 認めたらええやん。ここまで来たらもうバレバレやで」
「だ。だって……『普通の高校生』は、……」
「は? 普通の何って?」
「うぅ……せ、千だって! 千だって、何でここまでするんだよ。俺のことなんて、放っておけばいいだろ……」
千の腕の中で、一夏は体を硬くする。ただの好奇心で言わせようとしてるのなら、こんなに惨いことはない。また目に涙が盛り上がりそうになったとき、千が幼い子どもに言い聞かせるように、一夏の背を軽く叩いた。
「……そら、ちょっと前やったら『そっとしとく』って選択肢もあったけど。でも一夏は放っといたら、いくらでも引きこもるタイプって分かってもうたからな」
「……」
千は幼子をあやすようにとん、とん、と一夏の背を叩いていたが、やがてぽつりと言った。
「なあ一夏。……オレまだお前に言ってないことあるんやけど」
「……な。なに?」
「オレがあの日……お前が泣いて風呂場から逃げ出したとき。すぐ追いかけんかった理由があるって言ったら、知りたい?」
「……」
知りたい。と、率直に思った。
あの時一夏は、『服の匂いを嗅ぐ』という行為を千に見られて幻滅されたのだと思っていた。しかし実際のところ、当の本人はそのことに気付いていなかったという。でも、他の理由なんて。
「……びっくりしたから。じゃ、ないの?」
「ちゃうから聞いてんねやん。なあ、知りたない?」
背中に回された千の腕が温かい。口調も従弟妹達の子守りをしている時みたいに優しくて、一夏は素直に頷いていた。
「……知りたい。……」
「じゃ、好きってゆうて」
「えっ」
「オレのこと好きって言えたら教えたげる」
「……」
――もう、なんで千はそんなことばっかり言わせようとするんだよ。そんなに俺のこと揶揄いたいのかよ。
胸の奥の惨めな気持ちが膨れ上がって、また少し泣きそうになる。けれど背中を叩く千の腕は優しく、体温は温かく、一夏の昂った神経を解していく。
一夏はぎゅっと千の服の裾を握ると、顔の角度を少し変えた。腕の檻の中で体の向きを変え、千の耳元に口を寄せる。
「……せ。千のことが、す――」
――どぉおおおおおおん!
と、突如夜空が割れるような轟音が山に響き渡った。
ぎょっとして空を見上げると、暗闇の高いところに光の粒が打ちあがっている。
白く輝く、大輪の花火。光が周囲一帯を照らし、数秒の間、一夏と千を闇の中にくっきりと浮かび上がらせた。
真白の火花は外側にわずかに膨らむように広がって落ち、光の一粒一粒がかすかに橙に色を変えて闇の中に消えていく。
ぱらぱらぱら……と星を焦がしたかのようなささやかな音が控えめに鳴ったあとに残るのは、夜空に残像のように尾を引く白煙と、鼓膜に響く鈍い余韻。
一回きりの、不思議な花火だった。それに花火は、祭りの最終日にあげるのではなかったか。
一夏が呆然としていると、すぐ隣で千が大仰な溜め息を吐く。
「はぁぁあ……よりによってこのタイミングかよ。空気読んでくれやおっちゃん」
「……え?」
今の花火に、千は何か関わっているのか。
一夏の疑問に千は目線で気付いたらしく、自ら切り出す。
「いや、その……祭りの実行委員の人が、点火試験用の花火が一個余ってるゆうてたから。……頼み込んで、ちょっと」
「……え。今の花火、千があげてもらったってこと?」
「うん。まあ。だって一夏がおるの今日までって聞いてたから……いや金とかはかかってへんで? その代わり祭りの間毎日見回り出る羽目になったけど。……それくらいどうってことないし」
「な、……」
――なんで、千がそんなことするの。
今度は一夏が呆れて溜め息を吐く番だった。千の腕の中で身じろぎをして、正面から目線を合わせる。
「そんなことまで……してくれなくてよかったのに。俺のことなんて、別に――」
放っておいてくれてよかったのに。
一夏がそう言い終わる前に、千が言葉を被せる。
「最初にゆうたやろ。お前に好きになってほしかった。……オレも好きやから」
「……え、……」
「花火だけやない。弁当作ってこんなとこ連れ出したり、あっつい中キノコ採ったり、好きでもないやつのためにそんな面倒くさいことするか。というか、さっきの答えやけど――」
千の耳が、真っ赤に染まっていた。何故だか一夏はその耳を見て、これは千の紛れもない本心なのだと悟った。
「風呂あがった時のお前が……『彼シャツ』状態でかわいかったから。……その、ちょっと……心に来るものがあったというか」
「……」
「その……色々落ち着くまで部屋から出れんかったというか。……クソッ」
千はそこで舌打ちをすると、がばりと片手で顔を覆う。突然のことに一夏がぎょっとしていると、千が喘ぐように続ける。
「ああもう、クッソかわいいなあ……! ほんま写真に残しときたかった。今も……」
ちらり、と千が片目の眼球だけで一夏を見据える。その瞳が熱っぽく潤んでいることに気付き、一夏の背にぞくりとしたものが駆けのぼった。鳥肌が立つのにも似た、ぞわぞわした感覚。だけど決して、不快ではない不思議な感覚。
けれど同時に、一夏はあることを思い出した。
「写真……」
「……え。何、どしたん?」
「そうだ、写真!」
一夏は弾かれたように自分のポケットを探り、スマホの画面を立ち上げる。すぐさまネットに接続し、目当てのアドレスに飛ぶ。
「……一夏? 何してんの?」
「いや、その……俺、千のこと諦めようと思って、一度千の写真全部消したんだけど」
「うん」
「なんかやっぱ消さなくてもいいのかなって。クラウド上にまだデータ残ってるからゴミ箱から削除されないうちにダウンロードし直しとこうかなと」
「……なあ、それ今やること? 実物がここにおるんやで?」
文明の利器、万歳。
一夏は無事スマホから削除した画像データに辿り着く。すかさず一枚目の写真をタップしようとしたが、
「こら。一夏」
大きな手が画面に被さり、隠された。
一夏が不満の声をあげようと、ほとんど反射的に顔を上げたとき、
「……、」
今までにないくらい近くに、千の顔があった。
それから唇に、柔らかな感触。
一夏が言葉を失っていると、千がばつの悪そうな顔で言った。
「そんなん後ででええやろ。写真なら今撮ればいいやんか」
「う……」
うん、の一言すら、舌が硬直して出てこない。一夏がカチコチになりながらなんとか頷くと、千はふっと微笑んだ。
「せっかくやから、祭り行こ。もう終わりかけやけど、まだちょっとは屋台残ってるはずやから」
「……、ウン」
今度はなんとか声が出た。一夏はスマホをポケットに入れると、千に腕を引かれるまま歩き出す。森の暗がりに入ってしばらくしてから、腕を握っていた千の手が少しだけ離れた。その手は一夏の手首の上をするりと滑り、手のひらに辿り着くと、流れるような自然な動作で指を一本ずつ絡めていく。同時に、縦一列に歩いていた二人の距離も近くなり、狭い道をぴったりとくっつきながら歩くかたちになった。いわゆる『恋人繋ぎ』の状態である。
一夏は無言で隣を見上げたが、千は前を向いたままほんの少し口の端をあげてみせた。
「なに。なんか文句ある?」
「べ。……べつに……」
ふ、と千が吐息で笑う気配がする。
それからは二人とも、ただ寄り添って森の中を歩いた。
黙っていても触れ合っている手のひらから、千の熱が伝わってくる。熱い体温と鼓動、じわりと滲んでくる汗が、好きだと叫んでいるようで、一夏の胸の奥がぎゅっとなる。
――きっと俺の手も、そうなってる。脈拍で、全部千に伝わってる……。
地元民だけの秘密の道を抜け、山道に出る。木々の向こうの、遠くに見える灯華会の灯りを見つめながら、一夏はずっとここにいたいと思った。ずっとこうして、手のひらをくっつけあって歩いていたい。だけど地面が土からコンクリートに変わる境目に来た時、千が歩みを止めてぽつりと言った。
「来年もここで、一緒に見よか」
蝋燭の灯りに照らされ、オレンジ色の光を帯びる千の横顔は優しくて温かくて、最高にかっこいい。
一夏はまた心臓がぎゅっとなるのを感じながら、ただ頷いた。
「……うん。見にくる」
生憎、手は『恋人繋ぎ』ではなくなってしまったけれど、人気の多いところに来るまで二人はこっそり指の先だけで手を繋いで歩いた。
屋台はもうほとんどが店じまいを始めていたので、かろうじて残っていたたこ焼きとベビーカステラの店で駆け込みで買い物をし、近くにあったベンチで二人並んで食べた。
帰る時間になると、もう村を照らしていた蝋燭の灯りは消えていて、真っ暗闇の道を歩くことになったけど、そのおかげでまた手を繋ぐことができた。永瀬家の灯りが見えた時には、暗がりでどちらからともなくキスをした。
「……ソースの味」
「青のり付いてるかも」
つまらないことで笑い合い、永瀬家の前で別れる。
こうして一夏の、高校二年の夏が終わった。
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