ミコのお役目

水木 森山

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第一章

その態度の原因とは?

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「ロウに、行事に参加してない事を知られると
 何か迷惑かかるの?」

ディーは、ロウに迷惑をかけるのを
気にかけていたけど、当の本人は首を傾げた

「いえ、何も…
 そういえば、ハルが突然、迷惑かと
 叫んでいましたね」

驚きましたと、ロウは苦笑いする

「ディーがロウに迷惑をかけたくないから
 甘える訳にはいかないって言っていたんだ」

「そういう事でしたか…」

「十一年たっても、再会したかったのに
 再会したとたん、距離を置こうとするのは
 何故なんだろうな」

「ロウの今の生活を邪魔したくないって
 言ってたよね?」

「そうなんだが、あっさりと変えられるものか?」

「うーん、理由があれば?
 僕も、態度が悪かった自覚はあるし…」

「あの、私もディー達を疑うような発言をした
 のも原因ではないでしょうか…」

僕に嫌がられロウにも疑われたら、側にいたくても
諦めてしまうかもしれない

それなのに、僕は思い通りにいかないからって
怒って、泣いて、八つ当たり…

恥かし過ぎて、両手で顔を覆った

「カミュ、何となくわかるが落ち着きなさい」

「うううっ、ちょっと無理…」

「失態を犯したのは、カミュだけじゃない
 安心しろ」

「全然、安心できないんだけど…」

二人揃って、ため息を吐いた傍で
ロウがオロオロしていた

「話が逸れたな
 ディーは表情も見れないから、真意を
 探るのは難しい
 となると素直なハルを探るべきだろうが…」

「ハルはディーが何か隠してる事
 知ってるのかな?」

「知らなかったとしても、触れられたくない
 話題なら、遮ってくるだろう」

あっ、だからロウはディーの口を塞いでたのか

「ロウは気づいてたの?」

「何となくディーらしくないと感じました
 なので、途中で割り込むのは何かあるのでは
 と思いました」

「今日のディーは、度々ハルを遮っていたな」

一族で孤立していた事を、ロウに聞かれたく
なかったのかな?

でも、ロウは迷惑なんてかからないと言った

考え込んでいたらぽつりとロウが呟いた

「・・行事に関しては、ハルに聞かれたく
 なかったのかもしれません…」

「あ」

そういえば、ハルも何を言ってるのか
わからないようだった

「私は、余計な事を言ってしまったかも
 しれません…」

口元に手を当て、ロウは青ざめる

両親から愛情を受けられず、誰も二人を
顧みない

そんな中、ディーは一人で
ハルを守ってきたのかもしれない

どれほど、心細かっただろうか

ふと、蘇った嫌な記憶に胸がズキリと痛む

孤独だった過去の記憶と重なりそうになるのを
思い出してる場合じゃないと心の奥底にしまい込む

ディーも思い出したくなかったのかな

なんとなく、そんな気がした

「言ってしまったものは仕方あるまい
 それよりも、今後どうするかだろう
 何が二人のためになるのか
 ロウも考えるといい」

「はい…」

そうだ二人のためにできる事、僕にもあるだろうか

いけない
そんな事考えてる場合じゃなかった

だけど、このまま出て行く?

僕がいなくなれば、何の気兼ねもなくなるはず

けど、その前にディー達が出て行ってしまったら
ロウはどうなる?

どうしよう…

どうしたらいい?

「カミュ?
 大丈夫か?」

はっと、顔を上げる

「ずいぶん、考え込んでいたが?」

「あ、ごめん
 ディー達になんかできる事ないかなって
 僕のせいで、気を使わせちゃったみたいだから」

「そうか
 まぁ、まだ数日猶予はあるだろう
 焦らずに、彼らと会話をしながら
 見つけられるといいな」

「明日も行くの?」

「あぁ、ロウを交えてもう少し話してみたくてな」

「話してくれるでしょうか…」

「わからない
 やってみるしかないな」

自信なさげなロウが心配になる

「・・ロウは、大丈夫?」

「はい、このまま別れたら、悔いが残りますから」

いつもの様に笑い返されたけど
本当に、大丈夫だろうか…

「失礼します
 シリル様、よろしいでしょうか?」

扉の外からマーシュが声をかけてきた

「あぁ、入りなさい」

「あ、じゃあ僕、寝室で休んでるね」

「ここにいてもかまわないぞ?」

「うーん、少し休みたいかな…」

「そうか、わかった」

寝室に来たけど、本当に休みたい訳じゃないから
ベッドに座る

そうすると守り石が目に入り、自然と手が伸びる

やっぱり、きれいだな

角度を変えるたび、キラキラときらめき
冷んやりした感触が気持ちを落ち着かせてくれる

「気に入りましたか?」

「うん、すごく
 だから、身につけられないのがすごく残念」

「そうですか…
 それならば、もう一つハルに選んでもらうのは
 どうでしょう?」

もう一つ…?

「えっ、でも、これ以上は…」

僕にはもったいない

それは言ってはいけない気がして、黙り込む

「シリル様に、聞くだけ聞いてきます」

「え?
 シリル、今仕事中じゃ…」

「お邪魔はいたしませんから、ご安心ください」

笑顔で出て行くロウを止める言葉が思いつかず
見送る事しかできなかった

パタン

一人になった部屋に、扉の閉まる音が響く

大きなため息がこぼれた

必要、ないのに…

やっぱり、早く出て行かないと

その思いが強くなった











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