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第三章 出会い
兄
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「兄…?」
聞いた言葉と見ているものの差が大きく、リウの頭の中では処理しきれなかった。
「はい、兄です」
ハチはバツが悪そうに顔を少し歪めてちらりと先ほど紹介した兄を見遣る。すると、そんな妹の表情に気づかないのか、兄と紹介されたナナはおどけた口調で「お兄ちゃんで~す」などと口にした。
どうやらそれは本当だったようで、ほぼ無理矢理手を取られ導かれた胸元にはしっかりとした胸板があり、恐らく、本当に女性ではないのだろう。リウの手を取ったナナの手はいかにも男の人らしい手だった。
「あなた、男の人だったんだ。ごめんなさい、てっきり、女の人かと…」
「あー、それは全然構わないよ、気にしないで!」
「兄さん…!姫様にそんな態度…っ!申し訳ありません…」
なんだか、変わった兄妹だという印象を受けたが、リウに兄弟はいないし、ほかの兄弟にもあったことは殆どなかったため、とりあえず、そういう兄妹なのだろうと思うことにした。
「ナナもお薬を作ることができるの?」
「ん?いや、俺が作るのは毒だよ」
「毒!?」
そういえばさっき、ハチが毒がどうのって…
「兄は小さい頃から毒を作っては人に盛って試すんです…だから私は解毒のために薬学を…」
どうやらこの妹、相当苦労しているようだ。
ナナの人懐っこい態度からか、すぐに打ち解けた。日々の生活のこと、ナナが盛った毒の話、ハチが派手な服を来てくれない話、たくさんのことを話すようになっていった。
「そういえばさ、姫さんはフィアンセとかいたりするの?」
突然ぶつけられた質問にリウもハチも目を丸くしてナナをみた。フィアンセ…結婚のことなど、考えたこともなかった…。
「兄さん!そんな突然変な質問しないでよ!」
「フィアンセ…フィアンセねぇ…パパがお前にふさわしい男が見つかるまで結婚はさせんとか言ってたけれど…」
けれど、どうせ結婚するならば…
続きかけた言葉を飲み込む。なんとなく、言い出すのを躊躇った。
「あ、もしかして、好きな人がいるとか?」
「なっ…!?」
「兄さん!?」
まるで心を読まれていたようで、一気に顔に熱が集まる。
「ありゃ、当たり?」
ナナはにやりと笑った。ハチは何かを悟ったようで、兄の口元に手を伸ばした。
「姫さんでも恋とかするんだ?え、相手は?誰?俺の知っ…ムグっ」
「兄さん!もう、ホントいい加減にして…!!」
ハチがナナを取り押さえて叱る。誰…か。言ってもいいのだろうか。ちらりと2人の方を見やる。2人はリウにとって、数少ない友人だ。出来れば隠し事はしたくない。大丈夫…だよね?
「ミヤ…だよ。知ってるかはわからないけれど…」
「ミヤって…あのリンドさんとこの息子の?」
リンド…父親は確かそんな名前だったような気がする。このふたり、ミヤを知っていたのか。
「ミヤ坊ちゃんかあ!うん、いいやつだよな、顔もいいし、性格もいい。それに、頭も良かったはずだ」
「…よく知ってるんだね?」
「まあ、あそこの家にも薬売りに行ってるしなあ。よく話すんだ、いろいろとな」
「よく話すじゃなくて、兄さんが絡んでるから相手してくれてるんでしょう?お優しい方だから…」
どうやら、この2人、ミヤのことをよく知っているようだ。…自分の知らないミヤの姿を知っている…。それを知りたくて、気づけばリウは提案していた。
「ミヤの話を聞かせてちょうだい」
聞いた言葉と見ているものの差が大きく、リウの頭の中では処理しきれなかった。
「はい、兄です」
ハチはバツが悪そうに顔を少し歪めてちらりと先ほど紹介した兄を見遣る。すると、そんな妹の表情に気づかないのか、兄と紹介されたナナはおどけた口調で「お兄ちゃんで~す」などと口にした。
どうやらそれは本当だったようで、ほぼ無理矢理手を取られ導かれた胸元にはしっかりとした胸板があり、恐らく、本当に女性ではないのだろう。リウの手を取ったナナの手はいかにも男の人らしい手だった。
「あなた、男の人だったんだ。ごめんなさい、てっきり、女の人かと…」
「あー、それは全然構わないよ、気にしないで!」
「兄さん…!姫様にそんな態度…っ!申し訳ありません…」
なんだか、変わった兄妹だという印象を受けたが、リウに兄弟はいないし、ほかの兄弟にもあったことは殆どなかったため、とりあえず、そういう兄妹なのだろうと思うことにした。
「ナナもお薬を作ることができるの?」
「ん?いや、俺が作るのは毒だよ」
「毒!?」
そういえばさっき、ハチが毒がどうのって…
「兄は小さい頃から毒を作っては人に盛って試すんです…だから私は解毒のために薬学を…」
どうやらこの妹、相当苦労しているようだ。
ナナの人懐っこい態度からか、すぐに打ち解けた。日々の生活のこと、ナナが盛った毒の話、ハチが派手な服を来てくれない話、たくさんのことを話すようになっていった。
「そういえばさ、姫さんはフィアンセとかいたりするの?」
突然ぶつけられた質問にリウもハチも目を丸くしてナナをみた。フィアンセ…結婚のことなど、考えたこともなかった…。
「兄さん!そんな突然変な質問しないでよ!」
「フィアンセ…フィアンセねぇ…パパがお前にふさわしい男が見つかるまで結婚はさせんとか言ってたけれど…」
けれど、どうせ結婚するならば…
続きかけた言葉を飲み込む。なんとなく、言い出すのを躊躇った。
「あ、もしかして、好きな人がいるとか?」
「なっ…!?」
「兄さん!?」
まるで心を読まれていたようで、一気に顔に熱が集まる。
「ありゃ、当たり?」
ナナはにやりと笑った。ハチは何かを悟ったようで、兄の口元に手を伸ばした。
「姫さんでも恋とかするんだ?え、相手は?誰?俺の知っ…ムグっ」
「兄さん!もう、ホントいい加減にして…!!」
ハチがナナを取り押さえて叱る。誰…か。言ってもいいのだろうか。ちらりと2人の方を見やる。2人はリウにとって、数少ない友人だ。出来れば隠し事はしたくない。大丈夫…だよね?
「ミヤ…だよ。知ってるかはわからないけれど…」
「ミヤって…あのリンドさんとこの息子の?」
リンド…父親は確かそんな名前だったような気がする。このふたり、ミヤを知っていたのか。
「ミヤ坊ちゃんかあ!うん、いいやつだよな、顔もいいし、性格もいい。それに、頭も良かったはずだ」
「…よく知ってるんだね?」
「まあ、あそこの家にも薬売りに行ってるしなあ。よく話すんだ、いろいろとな」
「よく話すじゃなくて、兄さんが絡んでるから相手してくれてるんでしょう?お優しい方だから…」
どうやら、この2人、ミヤのことをよく知っているようだ。…自分の知らないミヤの姿を知っている…。それを知りたくて、気づけばリウは提案していた。
「ミヤの話を聞かせてちょうだい」
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