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終章 それぞれ
その後
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リウが処刑されてしばらくの間は場内も城下も落ち着きなく時が流れた。
1週間後、ミヤが自殺を図った。原因はやはりハナの死によるもの。ハナの死以降、その現実を受け入れきれず、それを忘れようとさらに必死に目に関する文献を読み漁っていた。リウの処刑行われた日、彼はその処刑を目の当たりにして、やっとハナの死を受け入れた。その晩、ラヴィにより、目の色を返してもらったが、一番見たかったものを見ることが出来ない絶望にさらに塞ぎ込み、とうとう、りんごのパイに薬を混ぜ、それを食して息を引き取った。
リウのいた牢からは2通の手紙が見つかり、それは、両親へ宛てたもの、そして、シュレアへ宛てたものだった。
『パパ、ママへ
今までありがとう。沢山沢山愛してくれてありがとう。私は、先に天国へ行くことになりました。もしかしたら、天国へなんて行けないかもしれないけれど。
パパ、辛い選択をさせてごめんなさい。ママ、余計な心配をかけてごめんなさい。
こんな最期になってしまったけれど、私は、パパとママの娘に生まれてこれて、幸せです。
パパ、ママ、ありがとう。大好き』
『シュレアへ
勝手に連れ出しておいて、勝手にいなくなってごめんね。あなたを守ってあげるって約束したのにその約束も守れなくなっちゃったね。ごめんなさい。
あなたは、こんな私に付き添ってくれた。最後まで私を信じてくれた。とても、とても嬉しかった。あなたが私を信じてくれるから、私は今、私を保っていられる。ありがとう、大好きよ、シュレア。だからここに命じます。
私のことは忘れなさい。あなたの部屋のベッドの下に私のお金を隠してあります。それで、できるだけ遠くで暮らしなさい。
それが私の願いだよ。
今まで本当にありがとう。さようなら。』
この2通はそれぞれ宛てられた者の元へと手渡された。しかし、ネーテはそれをジルティアに見せることが出来なかった。彼女には、娘を処刑にしたことを伝えられていないのだ。結果、ネーテはその事を妻ジルティアに伝えることのないまま、過度の心身疲労により衰弱死することとなった。
その次の日、容態が悪化したジルティアは、娘と夫の死を知らないまま、その後を追うように息を引き取った。
シュレアはというと、誰にも消息が掴めていなかった。リウ処刑の後暫く、半狂乱になったあと、糸が切れたように3日間眠り続けたのだ。そして目覚め、手紙を受け取った後どこかに姿を消し、生きているのか死んでいるのかも分からないのだという。
ネーテが死ぬ直前、妻ジルティアの出身国である隣国に、自国を託していたため、王族が皆息を引き取った後も特にミレイユが混乱することもなく、長い時を掛けて、平穏を取り戻していくこととなる。
この1件はミレイユの悪夢と呼ばれ、後世へと語り継がれる歴史として名を残すことになった。
1週間後、ミヤが自殺を図った。原因はやはりハナの死によるもの。ハナの死以降、その現実を受け入れきれず、それを忘れようとさらに必死に目に関する文献を読み漁っていた。リウの処刑行われた日、彼はその処刑を目の当たりにして、やっとハナの死を受け入れた。その晩、ラヴィにより、目の色を返してもらったが、一番見たかったものを見ることが出来ない絶望にさらに塞ぎ込み、とうとう、りんごのパイに薬を混ぜ、それを食して息を引き取った。
リウのいた牢からは2通の手紙が見つかり、それは、両親へ宛てたもの、そして、シュレアへ宛てたものだった。
『パパ、ママへ
今までありがとう。沢山沢山愛してくれてありがとう。私は、先に天国へ行くことになりました。もしかしたら、天国へなんて行けないかもしれないけれど。
パパ、辛い選択をさせてごめんなさい。ママ、余計な心配をかけてごめんなさい。
こんな最期になってしまったけれど、私は、パパとママの娘に生まれてこれて、幸せです。
パパ、ママ、ありがとう。大好き』
『シュレアへ
勝手に連れ出しておいて、勝手にいなくなってごめんね。あなたを守ってあげるって約束したのにその約束も守れなくなっちゃったね。ごめんなさい。
あなたは、こんな私に付き添ってくれた。最後まで私を信じてくれた。とても、とても嬉しかった。あなたが私を信じてくれるから、私は今、私を保っていられる。ありがとう、大好きよ、シュレア。だからここに命じます。
私のことは忘れなさい。あなたの部屋のベッドの下に私のお金を隠してあります。それで、できるだけ遠くで暮らしなさい。
それが私の願いだよ。
今まで本当にありがとう。さようなら。』
この2通はそれぞれ宛てられた者の元へと手渡された。しかし、ネーテはそれをジルティアに見せることが出来なかった。彼女には、娘を処刑にしたことを伝えられていないのだ。結果、ネーテはその事を妻ジルティアに伝えることのないまま、過度の心身疲労により衰弱死することとなった。
その次の日、容態が悪化したジルティアは、娘と夫の死を知らないまま、その後を追うように息を引き取った。
シュレアはというと、誰にも消息が掴めていなかった。リウ処刑の後暫く、半狂乱になったあと、糸が切れたように3日間眠り続けたのだ。そして目覚め、手紙を受け取った後どこかに姿を消し、生きているのか死んでいるのかも分からないのだという。
ネーテが死ぬ直前、妻ジルティアの出身国である隣国に、自国を託していたため、王族が皆息を引き取った後も特にミレイユが混乱することもなく、長い時を掛けて、平穏を取り戻していくこととなる。
この1件はミレイユの悪夢と呼ばれ、後世へと語り継がれる歴史として名を残すことになった。
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