ゲームは終わっても人生は続く〜入れ替わり令嬢のその後〜

紅蘭

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責められる私

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私の部屋で四人で朝ごはんを食べた。大人数で、となるとアリアに悪いと思ったが、アリアはとても嬉しそうにしていた。

私が食べるところをすごく見てくるので、多分私がいっぱい食べることが嬉しいようだ。昨日の夜はほとんど食べれなかったから。

しかしこうしてみんなで食べるご飯は美味しい。心配事が一つ減ったことで気持ちも楽になったし。

食事が終っても私たちは席を立たなかった。まだ一つ問題が残っているからだ。


「原因が何か分かった?」


クリスの問いに私は答える。どうやらヨハンも大体の事情は聞いているようだ。


「昨日、ベアトリクスと会って見てもらったの。そしたら魔力が揺らいでるから、それが原因じゃないかって」

「ああ、あの娘はやはり便利な目を持っているな」


ヘンドリックお兄様は感心したように頷いた。ほんと、人の魔力なんてユリウス殿下にも見えないんだもんね。


「それで?その揺らいでる原因は?」

「ほぼ確実に感情の揺れが原因みたいね」

「……ってことは、殿下とのこと?」


う、なんか恥ずかしい。クリスだけならともかく、お兄様もヨハン様もいるのに。


「ま、まあ、そうね」


でも迷惑をかけている立場だから恥ずかしいなんて言ってる場合じゃない。


「それでね、わたくし、今日ちょっと気が付いたのだけど……」

「うん、解決しそうなの?」


クリスが期待に満ちた目で私を見る。

ああ、そんなに見ないで。期待しないで。恥ずかしすぎるから!


「わ、わたくし、その、ね、殿下のことが……好き、みたいなの」


よし、言った!言ってやったぞ!

顔から火が出そうなほど恥ずかしい。でも言えた!

ちらっとクリスの顔を見ると、クリスはとても呆れた顔をしていた。


「あー、ウン、ソウナンダ」


そして返事は明らかに棒読み。


「な、何よ、それ!」


なんかすごいムカつく!恥じらいを返してよ!


「いや、うん、知ってたし。むしろ今日気付いたの?」

「何で知ってるのよ!わたくし、恥を忍んで言ったのに!」

「知らないのはエレナと殿下だけだよ。側から見てたらラブラブだから」


うっそじゃん!恥ずかしすぎるんだけど……!

顔を赤くする私を見て、ヘンドリックお兄様は呆れたように言った。


「生娘じゃあるまいし……」


うっわ、最低!超セクハラ!実の妹に向かって!


「生娘ですから……!」


羞恥心をこらえて、力いっぱいそう叫ぶと、皆が皆、ポカンとした顔で私を見た。アリアまでもが。


「……嘘でしょ」


クリスが信じられないといった顔で私を見る。いやいやいや、むしろ違うと思ってたの!?


「あんなにイチャイチャしてるのに!?距離感おかしいのに!?」

「イチャイチャなんてしてないわよ!大体クリスもずっと一緒にいたじゃない。どこにそんな暇があったと言うのよ」

「六年もあったじゃん!夜なんて寝るだけだし。私とクルト様は、夜はエレナや殿下の部屋に近寄らないように気を付けてたんだからね!」

「そういう生々しい話は止めて!余計なお世話よ!」


何もないのになぜか恥ずかしい。ヘンドリックお兄様は私たちの会話を聞いて呆れた顔をし、ヨハンは「ははは」と笑っていた。

クリスが少し考えるように黙って、真剣な顔で聞いてきた。


「口付けは?」

「……まだよ」

「しんっじられない!!」


信じられないのはこっちだ。なんで実の兄やヨハンの前でこんな話を……恥ずかしくて仕方がない。


「殿下はわたくしが嫌なら触れないっておっしゃったもの」

「いや、そうだとしても流石に……」


クリスがお兄様達に視線を向ける。二人は頷いた。


「怒られても仕方がない」

「まあ、そうだね。同じ男としてちょっと同情するよ」


ちょーっと待ったー!なにこれ、私が悪いの!?だって別に恋愛結婚したわけじゃないし!

クリスまでもがうんうん頷く。アリアに助けを求めて視線を向けると、目を逸らされた。


「わ、わたくしが悪いのですか……?」

「結婚して六年。何よりも大事で大好きな女の子と四六時中一緒にいるのに、肝心なところはお預けだなんて、エレナが悪いに決まってるじゃん!」

「……クリス、一応、もうちょっと言葉を選ぼうか」


ヨハンの注意に、クリスは「へへ」と笑った。


「く、クリスとお兄様だってまだでしょう!?わたくしのことは放っておいてご自分達の将来を考えてちょうだい」

「……え?」

「……え?」


思わぬ反応にポカンとして、ハッとした。もしかして二人はもう済ませてたりするの!?それこそいつの間に!?


「いや、エレナ、ちょっと待って……」


クリスが頭を抱えて首を振った。


「はい?」

「まさかとは思うけど……信じてない?」


ヨハンがとても可笑そうに笑っている。ヘンドリックお兄様は無言。……いや、もう呆れを通り越してるような表情だ。

私はと言うと、全く意味が分からない。


「何の話かしら?」

「いや、あそこで別れる時に言ったじゃん。最後」


別れる時、って確か、

ーー大丈夫、私、男だから。


「…………はあぁ!?」
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