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第一章
探し物Ⅳ
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「それなら、お言葉に甘えてお願いしようかな」
正直に言うと、申し訳なさが三、ありがたさが七だ。
見つからなかったら見つからないでもいい。
だけど、本棚の本を片っ端からただ見ていくのは思っていた以上に苦痛だった。
それに図書館の不自然なほど静かな空気の中で一人うろうろしているのは、だいぶ人の目が気になった。
誰も僕のことなんて気にしてはいないだろうけど。
「それで、内容とか表紙とかは分からないんですか? 私、昔からここの図書館に通っているので、結構詳しいですよ」
ああ、そうだ、表紙だ。さっき思い出せそうだったんだ。
「表紙は、多分黒っぽくて……」
黒っぽくて、どんなのだ?
女の子は何も言わず僕を見ている。
今日見た夢を思い出す。笑う紗苗さんの手に持っている本。
あれはどんなのだったか。早く思い出さないと、と申し訳なくなり、必死に考えていると、少し思い出した。
「違う、紺色だ」
そう言って、女の子を見る。
「文庫本では……」
「文庫本ではなかったような」と続けようとして、それはあまり参考にはならないかな、と思った。
思ったその時、目についた。
その本がなんてタイトルだったかはまだ分からない。
表紙も紺色だってことしか分からない。だけど、確信した。
「それだ!」
急に大声を出した僕に女の子が驚いている。
そして、周りの人に見られた。
しまった、つい大きい声を出してしまった。
慌てて「すみません」と頭を下げると、僕へ向いていた視線はなくなった。
「この本、ですか?」
女の子がそれまでずっと手に持っていた本を僕に見せる。
僕はそれを見て、更に深く確信した。
「うん、僕が探していたのは、その本だ」
いつか紗苗さんが見せてくれた本と同じ。
タイトルと見てもピンとこないけど、絶対に同じだ。
気分が高揚して、必死に小さな声で喋ろうと頑張る。
僕の言葉に女の子は申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい、この本ずっと私が持っていたから、本棚になかったんです」
なるほど、それで見つからなかったのか。
そう思ったが、すぐに気づく。
多分、僕はこれが本棚に並んでいてもきっと見つけられなかっただろう。
「いやいや、謝らないで。多分、他の本と一緒に並んでいたら僕は分からなかっただろうし。君のおかげで見つかったんだよ」
そう言うと女の子は嬉しそうに笑った。
こんなに無邪気な笑顔は久しぶりに見たような気がする。
少しだけ紗苗さんに似ていると思った。
正直に言うと、申し訳なさが三、ありがたさが七だ。
見つからなかったら見つからないでもいい。
だけど、本棚の本を片っ端からただ見ていくのは思っていた以上に苦痛だった。
それに図書館の不自然なほど静かな空気の中で一人うろうろしているのは、だいぶ人の目が気になった。
誰も僕のことなんて気にしてはいないだろうけど。
「それで、内容とか表紙とかは分からないんですか? 私、昔からここの図書館に通っているので、結構詳しいですよ」
ああ、そうだ、表紙だ。さっき思い出せそうだったんだ。
「表紙は、多分黒っぽくて……」
黒っぽくて、どんなのだ?
女の子は何も言わず僕を見ている。
今日見た夢を思い出す。笑う紗苗さんの手に持っている本。
あれはどんなのだったか。早く思い出さないと、と申し訳なくなり、必死に考えていると、少し思い出した。
「違う、紺色だ」
そう言って、女の子を見る。
「文庫本では……」
「文庫本ではなかったような」と続けようとして、それはあまり参考にはならないかな、と思った。
思ったその時、目についた。
その本がなんてタイトルだったかはまだ分からない。
表紙も紺色だってことしか分からない。だけど、確信した。
「それだ!」
急に大声を出した僕に女の子が驚いている。
そして、周りの人に見られた。
しまった、つい大きい声を出してしまった。
慌てて「すみません」と頭を下げると、僕へ向いていた視線はなくなった。
「この本、ですか?」
女の子がそれまでずっと手に持っていた本を僕に見せる。
僕はそれを見て、更に深く確信した。
「うん、僕が探していたのは、その本だ」
いつか紗苗さんが見せてくれた本と同じ。
タイトルと見てもピンとこないけど、絶対に同じだ。
気分が高揚して、必死に小さな声で喋ろうと頑張る。
僕の言葉に女の子は申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい、この本ずっと私が持っていたから、本棚になかったんです」
なるほど、それで見つからなかったのか。
そう思ったが、すぐに気づく。
多分、僕はこれが本棚に並んでいてもきっと見つけられなかっただろう。
「いやいや、謝らないで。多分、他の本と一緒に並んでいたら僕は分からなかっただろうし。君のおかげで見つかったんだよ」
そう言うと女の子は嬉しそうに笑った。
こんなに無邪気な笑顔は久しぶりに見たような気がする。
少しだけ紗苗さんに似ていると思った。
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