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第二章
旅行Ⅳ
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一日色々なところを待った私たちは、ホテルに到着した時にはくたくただった。
「麗奈ちゃんは座っていていいよ。チェックインは僕がしてくるから」
足が棒だった私はその言葉に甘えさせてもらって、ロビーに置いてあるソファに倒れこむように座った。
あー、疲れた……。
背もたれに体を預けてだらっとしたい。
だけど人の目がある以上そんなことはできない。早く部屋でゆっくりしたい。
フロントに立っている弘介さんの背を何気なく眺めていると、少しして微妙な顔をして戻ってきた。
「どうしましたか? 手こずっていましたね」
立ち上がってそう言うと、弘介さんは微妙な顔のまま言った。
「……とりあえず部屋に向かおうか」
切れが悪いその言葉に首をかしげながらも後ろをついて行く。
エレベーターに乗って、向かった部屋のドアの前で、弘介さんが言った。
「ここなんだけど、一部屋しか予約されてないって」
ため息をついてドアを開ける。
そんな私を見て弘介さんが意外そうに言った。
「驚かないの?」
「そんなことだろうとは思っていました。もともと私とひろ君で来る予定だったんですから」
部屋の中を見回してみる。無機質な部屋だ。
「大丈夫ですよ。ベッドは別ですから」
「いや、同じ部屋でなんて寝られないよ。僕はどこか他の所を探すから」
弘介さんはそう言って部屋を出て行こうとする。
「同じ部屋で寝られないなんて、失礼な話ですね」
その背にそう言うと、弘介さんは慌てて振り返った。
「違うよ、そういう意味じゃなくて……」
その慌てぶりが可笑しくて思わず笑ってしまった。
弘介さんは変わらない。五年前と、そして紗苗さんの話で聞いた十年前と同じだ。
弘介さんから見た私はこの五年間でだいぶ変わってしまったんだろうな。
そう思うと少し悲しくなった。
「分かっていますよ。冗談です」
今のは弘介さんが振り返るようにわざと言ったことだ。
きっと普通に呼び止めても出て行っていただろうから。
「わざわざ他の所を探さなくてもいいですよ。ひろ君だってそれを分かって私達に来させたんでしょうし」
実はこうなることはひろ君からホテルの名前が送られてきた時からなんとなく分かっていた。
ひろ君だってこの旅行を計画した時はまさかこんなことになるとは思っていなかっただろうし。
さすがに同じベッドだったらきついけど、幸いダブルではなくツインだったから。
立っているのももうしんどいくらいに疲れている私は、横にあった椅子に座って言った。
「いい機会じゃないですか。話をしましょう」
私の言葉に弘介さんは少しの間立ったまま迷っていた。
だけど、少しするともう一脚あった椅子を私の方に向けて座った。
「そうだね、話をしよう」
二週間前と違ってすごく冷静に話ができそうな気がした。
時間を置いたからか、言いたいことを全て言ったからか、弘介さんの紗苗さんへの気持ちが見えたからか。
きっとその全部だと思った。
「麗奈ちゃんは座っていていいよ。チェックインは僕がしてくるから」
足が棒だった私はその言葉に甘えさせてもらって、ロビーに置いてあるソファに倒れこむように座った。
あー、疲れた……。
背もたれに体を預けてだらっとしたい。
だけど人の目がある以上そんなことはできない。早く部屋でゆっくりしたい。
フロントに立っている弘介さんの背を何気なく眺めていると、少しして微妙な顔をして戻ってきた。
「どうしましたか? 手こずっていましたね」
立ち上がってそう言うと、弘介さんは微妙な顔のまま言った。
「……とりあえず部屋に向かおうか」
切れが悪いその言葉に首をかしげながらも後ろをついて行く。
エレベーターに乗って、向かった部屋のドアの前で、弘介さんが言った。
「ここなんだけど、一部屋しか予約されてないって」
ため息をついてドアを開ける。
そんな私を見て弘介さんが意外そうに言った。
「驚かないの?」
「そんなことだろうとは思っていました。もともと私とひろ君で来る予定だったんですから」
部屋の中を見回してみる。無機質な部屋だ。
「大丈夫ですよ。ベッドは別ですから」
「いや、同じ部屋でなんて寝られないよ。僕はどこか他の所を探すから」
弘介さんはそう言って部屋を出て行こうとする。
「同じ部屋で寝られないなんて、失礼な話ですね」
その背にそう言うと、弘介さんは慌てて振り返った。
「違うよ、そういう意味じゃなくて……」
その慌てぶりが可笑しくて思わず笑ってしまった。
弘介さんは変わらない。五年前と、そして紗苗さんの話で聞いた十年前と同じだ。
弘介さんから見た私はこの五年間でだいぶ変わってしまったんだろうな。
そう思うと少し悲しくなった。
「分かっていますよ。冗談です」
今のは弘介さんが振り返るようにわざと言ったことだ。
きっと普通に呼び止めても出て行っていただろうから。
「わざわざ他の所を探さなくてもいいですよ。ひろ君だってそれを分かって私達に来させたんでしょうし」
実はこうなることはひろ君からホテルの名前が送られてきた時からなんとなく分かっていた。
ひろ君だってこの旅行を計画した時はまさかこんなことになるとは思っていなかっただろうし。
さすがに同じベッドだったらきついけど、幸いダブルではなくツインだったから。
立っているのももうしんどいくらいに疲れている私は、横にあった椅子に座って言った。
「いい機会じゃないですか。話をしましょう」
私の言葉に弘介さんは少しの間立ったまま迷っていた。
だけど、少しするともう一脚あった椅子を私の方に向けて座った。
「そうだね、話をしよう」
二週間前と違ってすごく冷静に話ができそうな気がした。
時間を置いたからか、言いたいことを全て言ったからか、弘介さんの紗苗さんへの気持ちが見えたからか。
きっとその全部だと思った。
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