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全国大会編3
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「本当に大丈夫かな」
大会会場を後にして、戻って来た宿泊先のホテルの部屋で準備をしていた一刀は雅の事が気になってしょうが無かった。
雅は能力は一刀より上だが何処か、融通が利かず、気持ちに余裕が無い。
しかも中には玉兎が封印されている。
ピンチに陥っても玉兎が現れて逆転出来るだろう。
そのまま乗っ取られそうだが、全国大会中は手を出さないと玉兎は約束している。
妖魔だがこれまでの付き合いから玉兎は信頼出来ると一刀は確信しており、その点は心配していなかった。
「でも大丈夫かな」
ここ最近は玉兎も気を失う事が多い。その原因が分からず一刀は不安だった。
以上の点から一刀は全国大会へ気持ちを集中出来ないでいた。
いや、それ以上に不安が一刀の心を波立たせていた。
しかし、顧問の先生が迎えに来たため、一刀は大会会場へ向かうことになった。
「よし!」
気合いを入れた雅は山の中へ一人で入っていった。
今日の妖魔は複数おり、どうやら数を増やしているようだ。
増えて対処出来なくなる前に討滅する事は絶対だ。
「絶対に倒すぞ」
折角全国大会に出場している一刀のためにも自分一人で対処しなければならない。
最近はピンチに陥りすぎて一刀に頼ってばかりだ。
力が弱まり玉兎に意識を乗っ取られて、迷惑を掛けてしまっている。
自分の身体であんな事やこんな事をされているのは、恥ずかしい。
一刀は困っていない。寧ろ喜んでいるようだが、それが雅には不快だった。
確かに身体は同じだが意識は全く別物。
玉兎は玉兎であり、雅は雅である。
そして一刀は自分の許嫁であり婚前交渉も終えている。同じ身体でも仕方が無いとしても、自分を救うためとしても他の女性と交わるなど許せない。
自分の不甲斐なさもあるし、喧嘩したくないで黙っているが、何とかしたいという思いはある。
だからこそ一刀の居ない今、妖魔を自分一人で討滅して自分が役に立つことを証明したかった。
最近雅自身も度重なる失敗で自信が無くなっており、少しでも挽回しようと気合いが入っていた。
お役目の服装、純白の小袖に緋色の袴を履くとき、結び目をきつく縛って気合いを入れ、鈴付の榊を持つ手にも力が入る。
雅は妖魔がいるであろう山奥へズンズンと歩いて行った。
「うん?」
暫く歩いていると、妖魔の気配を察した。
精気を操る才能に優れる雅は遠くに居る妖魔の気配を感じることが出来る。
直ぐさまその方角へ向かうと、地面が蠢いていた。
「何これ」
地面に落ち葉は無く、所々掘り返されて黒い土が剥き出しになっていた。
軟らかくなった地面が所々盛り上がったり沈み込んだりして生きているみたいだ。
そしてその正体が地面から顔を出す。
「み、ミミズ!」
上ずった声で雅は正体の名を口にする。
自分の太ももくらいある巨大なミミズの妖魔が何匹も地面に潜っているのだ。
地面が掘り返されたのはこいつの仕業で、地面が盛り上がったり沈み込むのはこいつが動いているからだ。
「兎に角私が討滅する」
雅は榊を前に掲げると精気を集めて放出する。精気は光となって雅を包む。
そして、光が収束したとき、雅の衣装は替わっていた。
緋色のロンググローブ、ショルダーオフの緋色のインナー、足の太ももまであるニーソも緋色である。
その上に腕には袖のような白いパーツが二の腕から伸び、身体には小袖をショルダーオフした衣装。緋色の袴はインナーのクロッチが見えるほど丈が短くなり、開口部からはハイレグカットのインナーと鼠径部が見え隠れする。
両脚には緋色のハイヒールのロングブーツ。
これが雅の戦闘巫女服だった。
更に榊に精気を集中させて光らせて弓に変形させた。
それを左手に持つと精気で作った矢を右手でつがえてミミズに向かって放った。
丈が短くなった袴が水平にひらめくほどの衝撃波を発生させた矢は高速でミミズに飛んで行きその胴体の真ん中に命中。
太い胴体を両断するほどの巨大な穴を穿ち、切断された。
「よし!」
二つに千切れたミミズの妖魔を見て雅は歓声を上げた。
「思ったより早く終わったわ。早く帰って一刀を出迎えないと」
だがその時、左右からそれぞれ一匹ずつ巨大なミミズが現れた。
「三匹居たの!」
複数の妖魔がいるという話を討滅しか頭に無かった雅はすっかり忘れていた。
「なら、これでどう!」
雅は二本の矢を成形すると再び矢を番えて放った。
二本の矢は放たれると左右に分かれてそれぞれ目標に飛んで行き、再び胴体を両断する大きな穴を穿った。
しかし、その周りから更に三匹ずつ、合計六匹のミミズが現れた。
「もーしつこい!」
今度は三本の矢を成形して放つと、続けざまに三本の矢を更に放つ。
再び全てのミミズの胴体を両断したが、さらに多くのミミズが現れてくる。
「キリが無い!」
雅は弓に再び生気を入れると変形させて剣に変えた。
柄を持つと大きく振り上げてミミズに向かって斬り込む。
「えい!」
一刀ほどでは無いが雅も剣は習っている。しかも精気の扱いが上手く、鋭く走らせる事で切れ味は非常に良い。
最初のミミズを両断すると大群の中に入り、舞うように剣を振るい次々と斬り伏せる。
しかし、何時まで経ってもミミズは減りそうに無い。
「何で減らないのよ!」
怒りにまかせてミミズの胴体をみじん切りにしたり、短冊切りにしたりするも減ることは無い。
雅が苛立っていると、足下から複数のミミズが現れた。相手にしたミミズより半分ほどの太さだが、無数に現れて雅の足に絡みつく。
「ちょ、ちょっと、何よ」
切断するが更に多くのミミズが現れて、再び絡みつき動きを止められる。
しかも振るおうとした手にもミミズが絡みついて剣を振るうことが出来ない。
「きゃっ」
背中から現れた別のミミズが肩や胸や腹に巻き付いて雅を地面に引き倒し、拘束していく。
「や、やめて、そんなに締め付けないで」
だが雅の悲鳴を余所に、ミミズは豊かな胸に絡みつき締め上げていく。細い腕や肩にも入り運動による汗で湿った肌を舐めるように這う。
首筋からうなじ、鎖骨にかけてミミズが這って行く。
腋は中くらいのミミズが頭を入れて嗅ぐように頭を擦りつける。
ショルダーオフのインナーの端からは小さいミミズが中に入り、更に奥に向かおうとする。
「ちょ、ちょっと、そこはダメ!」
袴の開口部からもミミズが入り、鼠径部に沿って這う。さらにインナーのきついカットから入り込み、クロッチの方向、秘所に向かって進む。
「や、やめなさい」
それでもミミズは止まらない。更に胸の部分を小さなミミズが多数入り外に引っ張り上げて胸を外に晒す。
そこへ中くらいのミミズが先端を嬲り始める。同時に小さいミミズが乳首に絡みついて締め上げる。
「ま、まち、なさい……」
各所を攻められた雅の精気はドンドン浪費されゆき、声は小さくなっていった。
大会会場を後にして、戻って来た宿泊先のホテルの部屋で準備をしていた一刀は雅の事が気になってしょうが無かった。
雅は能力は一刀より上だが何処か、融通が利かず、気持ちに余裕が無い。
しかも中には玉兎が封印されている。
ピンチに陥っても玉兎が現れて逆転出来るだろう。
そのまま乗っ取られそうだが、全国大会中は手を出さないと玉兎は約束している。
妖魔だがこれまでの付き合いから玉兎は信頼出来ると一刀は確信しており、その点は心配していなかった。
「でも大丈夫かな」
ここ最近は玉兎も気を失う事が多い。その原因が分からず一刀は不安だった。
以上の点から一刀は全国大会へ気持ちを集中出来ないでいた。
いや、それ以上に不安が一刀の心を波立たせていた。
しかし、顧問の先生が迎えに来たため、一刀は大会会場へ向かうことになった。
「よし!」
気合いを入れた雅は山の中へ一人で入っていった。
今日の妖魔は複数おり、どうやら数を増やしているようだ。
増えて対処出来なくなる前に討滅する事は絶対だ。
「絶対に倒すぞ」
折角全国大会に出場している一刀のためにも自分一人で対処しなければならない。
最近はピンチに陥りすぎて一刀に頼ってばかりだ。
力が弱まり玉兎に意識を乗っ取られて、迷惑を掛けてしまっている。
自分の身体であんな事やこんな事をされているのは、恥ずかしい。
一刀は困っていない。寧ろ喜んでいるようだが、それが雅には不快だった。
確かに身体は同じだが意識は全く別物。
玉兎は玉兎であり、雅は雅である。
そして一刀は自分の許嫁であり婚前交渉も終えている。同じ身体でも仕方が無いとしても、自分を救うためとしても他の女性と交わるなど許せない。
自分の不甲斐なさもあるし、喧嘩したくないで黙っているが、何とかしたいという思いはある。
だからこそ一刀の居ない今、妖魔を自分一人で討滅して自分が役に立つことを証明したかった。
最近雅自身も度重なる失敗で自信が無くなっており、少しでも挽回しようと気合いが入っていた。
お役目の服装、純白の小袖に緋色の袴を履くとき、結び目をきつく縛って気合いを入れ、鈴付の榊を持つ手にも力が入る。
雅は妖魔がいるであろう山奥へズンズンと歩いて行った。
「うん?」
暫く歩いていると、妖魔の気配を察した。
精気を操る才能に優れる雅は遠くに居る妖魔の気配を感じることが出来る。
直ぐさまその方角へ向かうと、地面が蠢いていた。
「何これ」
地面に落ち葉は無く、所々掘り返されて黒い土が剥き出しになっていた。
軟らかくなった地面が所々盛り上がったり沈み込んだりして生きているみたいだ。
そしてその正体が地面から顔を出す。
「み、ミミズ!」
上ずった声で雅は正体の名を口にする。
自分の太ももくらいある巨大なミミズの妖魔が何匹も地面に潜っているのだ。
地面が掘り返されたのはこいつの仕業で、地面が盛り上がったり沈み込むのはこいつが動いているからだ。
「兎に角私が討滅する」
雅は榊を前に掲げると精気を集めて放出する。精気は光となって雅を包む。
そして、光が収束したとき、雅の衣装は替わっていた。
緋色のロンググローブ、ショルダーオフの緋色のインナー、足の太ももまであるニーソも緋色である。
その上に腕には袖のような白いパーツが二の腕から伸び、身体には小袖をショルダーオフした衣装。緋色の袴はインナーのクロッチが見えるほど丈が短くなり、開口部からはハイレグカットのインナーと鼠径部が見え隠れする。
両脚には緋色のハイヒールのロングブーツ。
これが雅の戦闘巫女服だった。
更に榊に精気を集中させて光らせて弓に変形させた。
それを左手に持つと精気で作った矢を右手でつがえてミミズに向かって放った。
丈が短くなった袴が水平にひらめくほどの衝撃波を発生させた矢は高速でミミズに飛んで行きその胴体の真ん中に命中。
太い胴体を両断するほどの巨大な穴を穿ち、切断された。
「よし!」
二つに千切れたミミズの妖魔を見て雅は歓声を上げた。
「思ったより早く終わったわ。早く帰って一刀を出迎えないと」
だがその時、左右からそれぞれ一匹ずつ巨大なミミズが現れた。
「三匹居たの!」
複数の妖魔がいるという話を討滅しか頭に無かった雅はすっかり忘れていた。
「なら、これでどう!」
雅は二本の矢を成形すると再び矢を番えて放った。
二本の矢は放たれると左右に分かれてそれぞれ目標に飛んで行き、再び胴体を両断する大きな穴を穿った。
しかし、その周りから更に三匹ずつ、合計六匹のミミズが現れた。
「もーしつこい!」
今度は三本の矢を成形して放つと、続けざまに三本の矢を更に放つ。
再び全てのミミズの胴体を両断したが、さらに多くのミミズが現れてくる。
「キリが無い!」
雅は弓に再び生気を入れると変形させて剣に変えた。
柄を持つと大きく振り上げてミミズに向かって斬り込む。
「えい!」
一刀ほどでは無いが雅も剣は習っている。しかも精気の扱いが上手く、鋭く走らせる事で切れ味は非常に良い。
最初のミミズを両断すると大群の中に入り、舞うように剣を振るい次々と斬り伏せる。
しかし、何時まで経ってもミミズは減りそうに無い。
「何で減らないのよ!」
怒りにまかせてミミズの胴体をみじん切りにしたり、短冊切りにしたりするも減ることは無い。
雅が苛立っていると、足下から複数のミミズが現れた。相手にしたミミズより半分ほどの太さだが、無数に現れて雅の足に絡みつく。
「ちょ、ちょっと、何よ」
切断するが更に多くのミミズが現れて、再び絡みつき動きを止められる。
しかも振るおうとした手にもミミズが絡みついて剣を振るうことが出来ない。
「きゃっ」
背中から現れた別のミミズが肩や胸や腹に巻き付いて雅を地面に引き倒し、拘束していく。
「や、やめて、そんなに締め付けないで」
だが雅の悲鳴を余所に、ミミズは豊かな胸に絡みつき締め上げていく。細い腕や肩にも入り運動による汗で湿った肌を舐めるように這う。
首筋からうなじ、鎖骨にかけてミミズが這って行く。
腋は中くらいのミミズが頭を入れて嗅ぐように頭を擦りつける。
ショルダーオフのインナーの端からは小さいミミズが中に入り、更に奥に向かおうとする。
「ちょ、ちょっと、そこはダメ!」
袴の開口部からもミミズが入り、鼠径部に沿って這う。さらにインナーのきついカットから入り込み、クロッチの方向、秘所に向かって進む。
「や、やめなさい」
それでもミミズは止まらない。更に胸の部分を小さなミミズが多数入り外に引っ張り上げて胸を外に晒す。
そこへ中くらいのミミズが先端を嬲り始める。同時に小さいミミズが乳首に絡みついて締め上げる。
「ま、まち、なさい……」
各所を攻められた雅の精気はドンドン浪費されゆき、声は小さくなっていった。
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