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ダークネブラが与える官能

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「!」

 再びのキスに一樹は驚く。
 今度は先程よりも力強くこじ開けるように舌を一樹の中に深く入れていく。
 そして舌で口の中をしごくように蠢かせ一樹の何かを吸い取っていく。

「ああ……美味い……」

 傲然とした口調だったダークネブラの声が吸えば数ほど甘い響きを増していく。
 決してお遊びではなく、本気で吸い出そうと、腕で一樹の身体を強く抱き寄せ、吸い込む力を強める。

「ううっ」

 吸われていく中で一樹はダークネブラの舌のテクニックに快感を覚えていた。
 しかし同時に吸われていくことの気持ち悪さ、嫌悪感を感じていた。
 初めての時には感じたことのない、強い拒絶感で、一樹は本能的に追い出そうとしていた。
 だが、ダークネブラの舌は強く出て行こうとせず、一樹は歯を立て噛みついた。

「!」

 だが、ダークネブラの舌を噛みちぎることは出来なかった。
 出来るだけ力を入れてやってみたのだが、舌の柔らかさからは想像できないくらい弾力があり、噛みちぎれない。

「ふふ、威勢が良いな」

 しかもダークネブラに痛みを与えられている様子はない。

「凄まじい美味だ。力が湧き上がるようだ。全て吸わせて貰うぞ」

「ううっ」

 ダークネブラは、吸い込みを更に強めていく。
 一樹の噛みつきを意に介さず、跳ね返すように舌を蠢かし口中を蹂躙していう。
 そのタッチは絶妙で口の中全てが性感帯になったような、甘く痺れる刺激が一樹の身体を襲う。

「ううっ」

 今まで感じたことのない、ダークネブラが与える極上の官能に一樹の意識は消えようとしていた。
 しかし、雷のような鋭い声がダークネブラの官能を切り裂いた。

「させない!」
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