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セーラー美少女戦士 アクア登場

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セーラー美少女戦士アクア 誘拐強姦調教姦落 そして

 月野市は日本の小さな地方都市だ。
 人口も程々で、産業的には特に記すことのない街だ。
 だが、ここには異次元の狭間があり時折ゲートが開き、異次元から怪人がやってくる。
 この日も小太りの全身タイツの怪人がゲートから現れ若い女性を襲っていた。

「きゃあああっ」

「げへへへっ、いい女みっけ」

 現れた怪人は女性を後ろから羽交い締めにして胸を揉んだ後、地面に投げ飛ばす。

「きゃっ」

 仰向けに倒れたところを腕を掴み逃げられないようにすると、服を引きちぎって下着姿にする。

「がははっ、このまま下を味わわせて貰うぜ」

「い、嫌」

「待ちなさい!」

 そこへ凜々しい女性の声が響き渡った。

「何者だ」

 怪人が振りむくとそこには少女がいた。
 一見するとセーラー服だがノースリーブでプロテクターから伸びる白い肌の腕と腋を見せつけ、白い上着は身体にぴったりとフィットし表面は朝日を受けて明るく照り返している。
 胸元の薄い水色のリボンは大きく、腰の膝上までしかない青色のスカートが一緒に付いている。
 足には膝まである青色のハイヒールのブーツで両腕は肘まである袖口が青色の白いロンググローブ。
 ショートカットの髪の下には金色のティアラを装着した美少女。

「正義と平和を守るセーラー美少女戦士アクア参上。この町の平和を乱すわるものは許さないわ」

「へ、別に違う世界なんだから良いだろうが」

「それでも女性を襲うなんて許さない。大人しく捕まりなさい! 今ならまだ酷い目に遭わないわ」

「ほざけ!」

 怪人は見た目に合わないスピードでアクアに接近すると拳を放った。

「きゃあっ」

 アクアは咄嗟に腕をクロスしてガードしたが力の差があって吹き飛ばされる。
 十数メートル地面を転がってようやく、アクアは止まった。

「げへへ、勇ましいのは口だけのようだな」

 吹き飛ばされたアクアを見て怪人は、完全に舐めていた。
 格下であり、生意気だが顔もまあまあ良い。
 体も少し発育不足だが、体のラインが良いことは転がったときの姿と、めくれたスカートの下からも分かる。

「下の口も勇ましいかどうかしかめてやろうか」

 劣情を隠しもせず怪人はアクアと名乗った少女を見下して言う。
 だがアクアは起き上がると怪人に向かって毅然と睨み返す。

「解析完了。行動開始」

 そして、その言葉をつぶやくと、ティアラの下に水色のバイザーが降り彼女の視線を一部隠す。
 その瞬間、アクアはスカートの下の右膝を思いっきり引き上げた。

「ぐおっ」

 アクアの膝が怪人の大事なところを直撃し怪人の力が抜ける。
 素早く腕を自由にすると細い指でVサインを作り怪人の目に突き刺す。

「ぎゃあっ」

 怪人は目を手で覆い、身体を大きく仰け反らせる。
 そこへアクアは手から足の先まで身体を縮めて半分回転させ爪先を怪人に向けると一気に身体を伸ばす。
 スカートの下のハイレグレオタードから伸びる足を包むブーツのヒールは怪人の顎先を直撃し、怪人を地面に倒す。
 アクアは身体を伸ばした勢いを利用して身体を起き上がらせると腰に左手を当てて右手の指を怪人に向けて言う

「さあ、降伏しなさい! これ以上抵抗しても無駄よ」

「こ、この、小娘!」

 だが捕まえていたアクアに反撃され痛めつけられた怪人は怒りに満ちていた。
 警告を無視してアクアに再び接近する。

「馬鹿な人は嫌いよ」

 アクアはつぶやくと指先を少し下げて、水を地面に向けて噴射する。

「うおっ」

 地面に出来た水たまりに足を取られて怪人はバランスを崩し、アクアの横に出てしまう。

「はあっ」

 そこへアクアが細い足を鞭のようにしならせた回し蹴りを怪人の後頭部に炸裂させる。

「ふぐっ」

 怪人は地面を十数メートル先まで転がされる。

「アクアアロー」

 半身になって弓を引くポーズをするアクアが叫ぶと左腕に水で出来た弓が現れ右腕に現れた矢に弦を伸ばす。

「シュート!」

 右手を放すと矢は勢いよく怪人に向かって飛んでいった。

「ぎゃあああっ」

 怪人の額に命中すると怪人は大きな声をあげて気絶した。

「これで頭を冷やしなさい」

 腰に両手を当てながらアクアはにらみ返した。
 そしてバイザーを解除すると目元を柔らかくして襲われた女性に振り向く。

「大丈夫ですか?」

「は、はい」

 アクアに声をかけられた女性は胸元を隠しながら答える。

「おかげで助かりました」

 女性は安堵の吐息と共に感謝の言葉を述べる。

「彼にも無事に会えてます」

「彼?」

「ええ、私、今度長年付き合っていた彼と結婚することになっていまして、穢されずに済んで良かった」

「そ、そうですか。幸せが待っているのに不幸にならずに良かった」

「はい、本当にありがとうございます」

「では、私はこれで」

 そう言ってアクアは警察が来るのを確認すると跳躍し、その場を去って行った。


 
「はあ、結婚か」

 少しゆったりとした白い上着に紺のスカートと襟、赤のスカーフが制服の月野市にある聖女子学園に通う和泉水紀はため息を吐いた。
 今朝助けた女性の言葉が、変身を解いた後も頭から離れずにいた。
 中学生の頃、セーラー美少女戦士アクアになってから水紀はずっと町の正義と平和を守っていた。
 元々正義感が強い水紀はアクアの力が使えるようになってからひたすら使命の遂行に力を入れた。
 元々頭が良く学校の勉強はおろそかにしていなかった。
 その証拠にアクアに変身してからは力が弱いこともあって負けかける事が多々あった。真面目な水紀は負けないように考えを巡らせ、相手を分析して弱点を見いだし、自分の力を有効活用するように戦うようになり、これまで無敗なのがその証だ。
 だが使命に真面目な分、自分への事が後回しになってしまい、今まで浮いた話一つ無かった。
 そんな水紀の胸を背後から何物かが両手で掴んだ。
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