その場にいたのは僕だけだった

桜井 海來

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その場にいたのは僕だけだった(夕暮れ)

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 目が覚めた時には昼休みに入っていた
4時間目の授業で1度起きたが 2度目の睡魔に襲われ結局休み時間まで寝てしまっていた。
もう教室には誰の姿もなかった、お腹がグーっと静かな教室内に鳴る。流石にこの状態で5時間目を迎えるのは体力的にももたないので食堂で弁当を買いに行くことにした普段は母の手作り弁当だけど、急だったので母にお金だけ渡された。
食堂は1階の広場にあり、そこで昼食を済ませている生徒が多いい、というのも先輩や後輩とも会える機会なので恋愛チャンスの場でもある。1階へ降りると売店には人たがりができていた、まるで絵本に出てくるスイミーを連想させた。この人たがりの中食べ物を調達するとなると貴重な休み時間が奪われるのは勘弁なので、自動販売機でコンスープを買うことにした。
こんなのじゃ腹は満たされないが、休み時間はお腹いっぱい欲しかったので、そっちのお腹を大事にした。
 教室へ戻ろうとした際に夏陽さんの姿があった。どうやら彼女も売店で弁当を買いに来たみたいで友達だろう人も一緒に並んでいた。僕とは違って人気者だと思った。それを察してくれたのは周りにいた男子生徒たちが見惚れていたからだった。僕も本来ならあの見惚れている男子達みたいになるのが普通なんだと純粋に憧れた。
 今ここで彼女に聞きたいことは山ほどあったが、今行くと周りがザワつくし彼女との関係が皆にバレると面倒だったから、後にすることにした。
 教室へ続く階段をのうのうと上がり右手きコーンスープの缶を持って歩いていると、廊下が静かなことに気づいた。2ヶ月前は鬼ごっこをしたり、イチャついている生徒の光景だったけど、それすら見当たらなかった。一体どうしんだろう誰一人いなかった、でもこの方が人と会わなくて済むことだし、安心した僕はやや大きめの溜息をした、教室のドアを開ける 。
 その瞬間体がガチっと動かなくなり、目は一定から逸らせなくなった。目線の先にいたのは同じクラスの深瀬衣理さんだった。もちろん朝礼の時も僕のことをチラチラと見ていたのは知っていた、衣理さんも驚き目を逸らした。二人の間にそよ風が吹く。足から膝へと下から徐々に力が入っていく、上がっていた肩もじっくり落ちていく。
 「あ、久しぶりだね」ようやく口が動いてくれたが何とも自分でもぎこちなかった。
 「久しぶりだね、」衣理さんも困惑状態だったらしく
オウム返しをしてくる、でもずっと俯いたままで何か言いたそうな様子だったけど、「それじゃ」っと慣れない笑顔を作り見せその場から離れた。衣理さんはまだ俯いたままで、僕が横を通り過ぎる際に衣理さんがこちらに振り向いた気がしたが見間違えだと思いそのまま教室へ入った。自分の席へ戻ると、プシュっと少し冷えたコーンスープを振らずに開けてしまったことに今気づく、(ついてないな~)一人教室でいる中、ぬるくなったコーンスープを啜った。
    
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