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第一章
1 〜あ、すみません。ここはどこで…す…か?…
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(だるい…)
見るとはなしに目をあけてはいるが、朦朧とした意識では見ているものも見てはいなかった。
少しでも楽にならないかと、無意識に少し口をあけながら呼吸をする。くらくらと目がまわったような気持ち悪さと、熱に侵されているような苦しさに、横になって体を休めているのに楽にはならない。
そんな彼女の耳たぶに、触れるか触れないかで、指でなぞる感覚がした。
その感覚に人の気配を感じた彼女は、朦朧とした意識を視覚に向けると自分を見詰める青い双眸を見た。意識を失う前に見たキレイな青い色。
「…たす…け、て…」
あまりの身体の苦しさに、目に入った彼に助けを求める。自分の身体を彼がどうにかできるかどうかなんて、考えもせずに求めた。
彼は眉をひそめたように見えたが、なにかぼそりと言った後、彼女に覆いかぶさるように顔の横に手をつき、顔を下ろしてくる。彼は二三度下唇をはむように口づけて、薄く唇をあけていた彼女の口唇にそってなめた後、舌を差し込んだ。
(…ふふっ…気持ちいい…)
彼女はボンヤリそう思った。普段なら顔を近づけられただけでも驚いていただろうが、朦朧とした意識では彼にされていることを、何ら疑問に持たずにされるままだ。それだけでなく、彼の舌が口腔内を蠢き、彼女の舌に絡めるごとに目の回るような気持ち悪さが無くなっていき、代わりにだんだん気持ちよくなってくる。それでも、熱に侵されているような、焦れたような怠さはなくならず、何かもっと何かを焦がれるような気持ちが彼女の中に湧き上がったとき、胸の頂にチリッと刺激が走った。
朦朧とした意識でキスに夢中になっていたせいか全く気付いてなかったが、どうやら胸元を肌蹴られ直接彼の手が彼女の胸の頂を摘まんだり、弾いたりしている。
たゆんと揺れる乳房を手のひらで持ち上げるように揉みながら、指で頂きの固くなった蕾を弾いたり摘んだりされるたび、彼女の体がビクリとする。
胸の刺激に意識が行ったのが分かったのか、彼は唇をはなし、頬や耳たぶにはむように唇をつけた後、首筋を舐めるように徐々に下に下げていく。
「…あ、んんっあ、…ひゅあっ…」
解放された彼女の口からは、こらえ切れないかのように喘ぎがもれるが、無意識に自分の手で口を押えてこらえようと身をすくめたとき、自分の胸を覆う逞しい手が見えて、彼女は背筋にゾクリと甘い疼きがめぐり、たまらず声が漏れ、くぐもった喘ぎ声が静かな室内のなかに衣擦れの音とともに響いていく。
彼の唇の感触が徐々に鎖骨や胸に降りてくる。その間も、胸の柔らかさを手のひらで楽しむように揉みながらも、器用に親指で蕾を弾いたり抓ったりして、敏感になった蕾を弄び彼女の体に甘い疼きを込めていく。
そして、触られてもいないのに、触られている方に呼応して、固くなった蕾を彼は口の中に含み舌で舐りはじめた。
新たな刺激にこらえ切れず彼女が体をよじると、逃さないとばかりに彼は、手で弄んでいた蕾を強くひねり、同時に舌で舐っていた蕾を強く吸い上げた。
「ひっぅっ!!」
刺激の強さに、彼女はほとんど聞こえないような声をあげてビクビクと体を震わし、白い世界の向こうへ意識を手放した。
ぼんやりと目を開けると、青みかかった薄い生地の天蓋が見えた。
何だろうあれと、意識の何処かで思いながら今まで見ていた夢を思い出して、目が覚める。
(ひーっ!はっ恥ずかしい。欲求不満かよ!!私!)
今まで見ていた夢の内容に、あまりの恥ずかしさに手で顔を覆って身もだえる。
(おまけに相手が、自分の好みそのものって…。うっ────有りえないから!
どうせ私は手フェチだよ!!顔も好みだったよ!!
で、でも胸だけでイクって!!無いから!あり得ないから!!)
彼女の好みの男性とのあられもない夢に、一人身もだえる。彼女の好みは、ちょっと釣り目で鼻筋の通った、どちらかと言うとキレイ系の顔が好みで、指が長く大きな手で節々がはっきりしてる男性の手が好きないわゆる手フェチ、自分的にはフェチじゃないと思っていたが、好みの手を持っている男性がいると、ついつい手を眺めてしまっている自分がいることはうすうす気づいてはいた彼女ではある。
しばらく身悶えていた彼女だったが、ふと、顔を押えていた手を外してあたりをぐるりと見渡し、はてここはどこだろうと思う。一瞬訳が分からなくなったが、自分が溺れていたところを、救助されたのを思い出した。
しかし、自分が今いる部屋は、病院には思えなかった。自分が寝ているベッドは大きく、クイーンサイズほどありそうだし、簡易ではあるが天蓋まで付いている。部屋をもっとよく見ようと、上半身を起こした時、ガタンと音がして、ドアを開けて人が入ってきた。
「あ、すみません。ここはどこで…す…か?…」
彼女は慌てて入ってきた人がどんな人か確認せずに声をかけてしまったが、だんだんと声を落とす。
入ってきた人は女性で、Aラインのワンピースらしきものを着ていた。背は高く、髪はチェリーブロンド、髪を結上げてまとめている。顔だちはヨーロッパ?北欧系?とにかく東洋人の顔だちではなかった。アジア系じゃない顔だちは智美には40代ぐらいに見える。
話しかけたからか、彼女はちょっと目を見開きにっこりと笑いながら、何か話しかけてきた。
(わ、分からない。…何語だろう)
相手の言っていることが分かりはしな
いが、表情が好意的なので悪い環境ではないのだろう、だれか日本語わかる人いないかなあとのんきに自分は思っていたことを、後になって間抜けすぎると思うことになる。
──────────────
後書き
夢オチ?
見るとはなしに目をあけてはいるが、朦朧とした意識では見ているものも見てはいなかった。
少しでも楽にならないかと、無意識に少し口をあけながら呼吸をする。くらくらと目がまわったような気持ち悪さと、熱に侵されているような苦しさに、横になって体を休めているのに楽にはならない。
そんな彼女の耳たぶに、触れるか触れないかで、指でなぞる感覚がした。
その感覚に人の気配を感じた彼女は、朦朧とした意識を視覚に向けると自分を見詰める青い双眸を見た。意識を失う前に見たキレイな青い色。
「…たす…け、て…」
あまりの身体の苦しさに、目に入った彼に助けを求める。自分の身体を彼がどうにかできるかどうかなんて、考えもせずに求めた。
彼は眉をひそめたように見えたが、なにかぼそりと言った後、彼女に覆いかぶさるように顔の横に手をつき、顔を下ろしてくる。彼は二三度下唇をはむように口づけて、薄く唇をあけていた彼女の口唇にそってなめた後、舌を差し込んだ。
(…ふふっ…気持ちいい…)
彼女はボンヤリそう思った。普段なら顔を近づけられただけでも驚いていただろうが、朦朧とした意識では彼にされていることを、何ら疑問に持たずにされるままだ。それだけでなく、彼の舌が口腔内を蠢き、彼女の舌に絡めるごとに目の回るような気持ち悪さが無くなっていき、代わりにだんだん気持ちよくなってくる。それでも、熱に侵されているような、焦れたような怠さはなくならず、何かもっと何かを焦がれるような気持ちが彼女の中に湧き上がったとき、胸の頂にチリッと刺激が走った。
朦朧とした意識でキスに夢中になっていたせいか全く気付いてなかったが、どうやら胸元を肌蹴られ直接彼の手が彼女の胸の頂を摘まんだり、弾いたりしている。
たゆんと揺れる乳房を手のひらで持ち上げるように揉みながら、指で頂きの固くなった蕾を弾いたり摘んだりされるたび、彼女の体がビクリとする。
胸の刺激に意識が行ったのが分かったのか、彼は唇をはなし、頬や耳たぶにはむように唇をつけた後、首筋を舐めるように徐々に下に下げていく。
「…あ、んんっあ、…ひゅあっ…」
解放された彼女の口からは、こらえ切れないかのように喘ぎがもれるが、無意識に自分の手で口を押えてこらえようと身をすくめたとき、自分の胸を覆う逞しい手が見えて、彼女は背筋にゾクリと甘い疼きがめぐり、たまらず声が漏れ、くぐもった喘ぎ声が静かな室内のなかに衣擦れの音とともに響いていく。
彼の唇の感触が徐々に鎖骨や胸に降りてくる。その間も、胸の柔らかさを手のひらで楽しむように揉みながらも、器用に親指で蕾を弾いたり抓ったりして、敏感になった蕾を弄び彼女の体に甘い疼きを込めていく。
そして、触られてもいないのに、触られている方に呼応して、固くなった蕾を彼は口の中に含み舌で舐りはじめた。
新たな刺激にこらえ切れず彼女が体をよじると、逃さないとばかりに彼は、手で弄んでいた蕾を強くひねり、同時に舌で舐っていた蕾を強く吸い上げた。
「ひっぅっ!!」
刺激の強さに、彼女はほとんど聞こえないような声をあげてビクビクと体を震わし、白い世界の向こうへ意識を手放した。
ぼんやりと目を開けると、青みかかった薄い生地の天蓋が見えた。
何だろうあれと、意識の何処かで思いながら今まで見ていた夢を思い出して、目が覚める。
(ひーっ!はっ恥ずかしい。欲求不満かよ!!私!)
今まで見ていた夢の内容に、あまりの恥ずかしさに手で顔を覆って身もだえる。
(おまけに相手が、自分の好みそのものって…。うっ────有りえないから!
どうせ私は手フェチだよ!!顔も好みだったよ!!
で、でも胸だけでイクって!!無いから!あり得ないから!!)
彼女の好みの男性とのあられもない夢に、一人身もだえる。彼女の好みは、ちょっと釣り目で鼻筋の通った、どちらかと言うとキレイ系の顔が好みで、指が長く大きな手で節々がはっきりしてる男性の手が好きないわゆる手フェチ、自分的にはフェチじゃないと思っていたが、好みの手を持っている男性がいると、ついつい手を眺めてしまっている自分がいることはうすうす気づいてはいた彼女ではある。
しばらく身悶えていた彼女だったが、ふと、顔を押えていた手を外してあたりをぐるりと見渡し、はてここはどこだろうと思う。一瞬訳が分からなくなったが、自分が溺れていたところを、救助されたのを思い出した。
しかし、自分が今いる部屋は、病院には思えなかった。自分が寝ているベッドは大きく、クイーンサイズほどありそうだし、簡易ではあるが天蓋まで付いている。部屋をもっとよく見ようと、上半身を起こした時、ガタンと音がして、ドアを開けて人が入ってきた。
「あ、すみません。ここはどこで…す…か?…」
彼女は慌てて入ってきた人がどんな人か確認せずに声をかけてしまったが、だんだんと声を落とす。
入ってきた人は女性で、Aラインのワンピースらしきものを着ていた。背は高く、髪はチェリーブロンド、髪を結上げてまとめている。顔だちはヨーロッパ?北欧系?とにかく東洋人の顔だちではなかった。アジア系じゃない顔だちは智美には40代ぐらいに見える。
話しかけたからか、彼女はちょっと目を見開きにっこりと笑いながら、何か話しかけてきた。
(わ、分からない。…何語だろう)
相手の言っていることが分かりはしな
いが、表情が好意的なので悪い環境ではないのだろう、だれか日本語わかる人いないかなあとのんきに自分は思っていたことを、後になって間抜けすぎると思うことになる。
──────────────
後書き
夢オチ?
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