清色恋慕 〜溺れた先は異世界でした〜

月峰

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最終章

56 〜…カイ?

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Rはまだ続いていて、半ばまで続いています。
──────────────
 



 その扇情的な胸のふくらみが揺れる様に、イッた快楽の締め付けと相まって、持っていかれそうになる。
 カイはどうにかそれをやり過ごして、なおも、律動を続け智美の良いところを擦りながら突き続けると、智美は軽くイッタままの状態になったのか、口を半開きにしたまま恍惚とした表情になった。待っていた表情に、カイは表情を緩めた。

『サ、トミ、良い、のか』

 苦しい、息づかいながらも、智美にカイは囁いた。
 そのささやきに、恍惚の表情のまま智美は言葉を口にする。

「いい…気持ち、良いの…いい…」

 その言葉を聞くと、カイは動きを止めた。
 恍惚とした表情をしていた智美だったが、カイの動きが止まると、こどもがむずがる様に,いやいやと首をふる。

「ふぅっ…い、いや…もっとぉ…」
『サトミ』

 戒めていた手を解いて、カイが名を呼びながら頬を手のひらで触ると、智美は焦点の合わない瞳をカイへ向ける。

『…サトミ』

 なおも、呼ぶと、つぶやくように智美はカイの名を言った。

「…カイ?」
『そうだ』

 額を着けるようにして返事をすると、智美はカイの首に手を回して、口づけしてくる。その合間合間に、ねだる様に声を出す。

「んん…カイ、好きぃ……もっと、……んぁはぁ…もっとぉ…」

 カイは思いの様口腔内を貪ると、首や鎖骨に吸い着いて、赤い花を散らすが、埋め込んだ肉杭は一向に動かさない。

「んあぁん、カ、カイィ、カイ、があぁん…す、きぃいんっああっ、カイ、カイので突いて、はぁんん、いっぱい、んんっ、いっぱい、カイので、気持ちよくしてぇ…んんっひゃあんっ」

 智美の言葉に、止めていた律動をゆっ再開する。それと同時に、先ほどから魅惑的にふるふると揺れている胸の頂の蕾を口に含み、舌で舐ると智美は嬌声を上げた。

「はあ、あ、あっあっ、い、いい、カ、イ…良いの…き、気持ち…いいのぉ…」

 再開された律動に、箍が外れた智美は素直に気持ちを口にする。合間に入る好意の言葉とその素直な気持ちの声に、カイは腰にゾクリとしたざわめきが起き、智美を責める肉杭がさらにひときわ固く大きくなり、動きが早まる。

 もう片方の蕾にも舐る様に吸い着き、さらに律動を速めると、智美の口からは嬌声しか出なくなり、自分の胸に押し付けるようにカイの頭を抱え込んだ。
 口に含んで転がしていた蕾を一際強く吸い上げながら、肉杭で智美の良いところをガツガツと突くと、智美はひときわ高い声を上げて、体を反らし、ひくひくと、痙攣しながらイッって身を震わす。

 イッって一際締め付けられた蠢く膣内で、カイも今度は快楽に逆らわず、ずっと抑えていた欲望を、智美の中に放った。
 その欲望の熱を身体の奥で感じながら、智美は気を失った。



 気を失ったまま眠る智美に己を入れたまま抱きしめる。
 最後の箍がはずれた状態の智美は、いつもと違い素直に気持ちを言ってくれる。カイは自分を求める言葉を聞きたくて、ここまでひどく求めてしまうのだが、毎回箍が外れるわけでもない。
 そこまでいく前に、智美が気絶してしまうこともあるし、あまりの気持ちよさにカイが我慢できなくて、一緒にイってしまうこともある。
 初夜の時、術を施すためにも必要な【青睡蓮の狂艶】の媚薬効果で善がり咽ぶ智美を見たとき、相手は初めてだと解っているのに、何度もすることが止められなかった。媚薬のおかげかさほど破瓜の痛みは気にならなかったようだが、何度もイかされその時箍が外れてしまった智美は、イきやすくなってしまったようで、イきっぱなしの時は、いつもの素気なさはどこへやら、乞われるままに気持ちを口にする。

 ーーーーー

 きもちいい 
 カイ、好きぃ、
 もっとちょうだい、
 カイので突いて、
 イ、イク、カイのでイっちゃう

 ーーーーー

 普段、情事に言葉など使わないカイなのに、快楽で箍が外れている智美は、導く様に教えれば、カイの望む言葉を紡ぐ、番いともいえる泉侶に、望む言葉を言われて理性などもてるわけがない、カイは智美が気絶するまで抱きつぶしてしまう。

 強く抱きしめても、意識を戻さない智美から、そっと己を抜き出すと、智美は意識がないまま、体を震わせた。しばらくその様子を眺めていたが、やはり目は開かなかったので、カイは情事の後始末をする。色々なものでベタついている智美を、ベッドサイドに用意しておいた、濡れた布巾で拭いながら、物思いにふける。

 龍妃の庭で、青龍の隣に立つ智美を見たカイは、たとえ青龍が望もうとも、智美自身が青龍に心を寄せようとも、決して己が智美を渇望する想いはなくならないし、諦める事も出来ないのだと、その時悟った。
 悟った心で、智美を何が何でも心身ともに得たいと、強く願い手に入れる事を改めて決意する。
 青龍に名を呼ばれて、決して引かないと言う思いのもとに近寄れば、青龍はあっさりと智美をカイに手渡してきた。青龍に認められた事に、心の中で大きく安堵した、決して引かないと心に誓っても、実際神から妃を奪い取る事は容易なことではないからだ。

 龍体になって空を駆ける様を、惚けたように見ている智美を、カイは不安な気持ちで見つめる。
 青龍に認められても、智美の心はどうなのか、彼女の心を得るためにも、たとえ苦手であろうと言葉でも態度でも、示していかねばならないと思ってはいたのだが、状況がカイにとって有利に動き出し、智美との青魔晶の儀式である初夜の準備が整えられていく、カイも青魔晶に多くの術式の【言の葉】をかけなければならず、他のことが何もできないし、智美に会いたくとも、男性禁止区域に連れて行かれてしまった智美に、容易に会える状態ではなかった。
 会える要素は食事の時ぐらいなのだが、カイ自身が部屋に篭るように【言の葉】をかけていたので、合わせることが無理だった。
 やっと、青魔晶に【言の葉】をかけ終わった時、今度は智美に月の障りがきてしまい、会えなくなった。
 言葉と態度で伝えようと、決意したにもかかわらず、ずっと会えず、やっと会える様になった時は、もう初夜だった。

 話合わなければと思いつつも、智美とようやく会える喜びと、儀式でもあるが断りの言葉がなかったのだからと、智美との初夜という日に、カイは少し浮かれた気分で、智美のいる部屋へ入り姿を見た途端、考えていた事が全て吹き飛んだ。

 事をなす前に、先に渡していたピアスを回収し、避妊の魔法をかけていた事は、後で良く覚えていたなと、自分でも驚いている。

 そして、箍が外れた智美の嬌態と素直な言葉に、溺れている己がいる。
 このままでは駄目なのは分かっているのだが、気を失ったまま眠る智美を再び抱きしめ、智美がイキッぱなしになって、初めて素直な言葉を紡いだ時の事を思い出しながら、カイは睡魔に身を委ねた。




──────────────
後書き

これも半ばまで昔書いたもの‥
急展開過ぎて、話のイメージ変わってたら申し訳ないけど、作者の中では決まってた事なので(汗)
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