【番外編更新中】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 好きって自覚したら失恋したよ

1.変化

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窓から見える校庭に陽炎がゆらめく。
窓を開けたら熱気と蝉の声で、嫌と言う程夏を感じるんだろうな。
冷房の効いた教室、めっちゃ有難い。

さて、俺が無事に高校生になってから3ヶ月。
来週から夏休みだぜ!!って時期だ。
連日のテスト返しで虫の息だけどね…。

「晴、帰るぞ。」

教室の外から呼ばれる。
はい、相変わらず蓮と登下校を共にしております。

中学は徒歩で通学できたんだけど、高校からは電車通学になった。
ただ、家の最寄駅から20分。
朝のラッシュは辛いけど、乗車時間がこれならまだマシだよね。
通勤、通学がもっと遠い皆さんは本当にお疲れ様です。

「じゃーな啓太!」

「あ、晴人明日朝練出る?」

「出るよー!駅待ち合わせで良き?」

なんと幸運なことに俺は啓太と同クラになった。
そして熱烈に誘われて剣道部にも入った。
迷ったけど、また大会の高揚感を味わいたかったし、啓太がいれば楽しくやれそうだと思って。

そんな訳で俺と啓太は2人セットニコイチで認識されてる。
中学の時は蓮と遥と俺だったからちょっと不思議。

「晴、早くしろ。」

わざわざ俺の席まで来た蓮にクラス中の視線が集まる。ヒソヒソ話してる人もいる。

まぁね、平凡野郎の俺と学年一のイケメンで特進クラスの蓮が絡んでるんだもん。
中学からの持ち上がりメンバーは俺達の関係を知ってるけど、高校受験組からしたら本当に謎なんだと思う。

うちの高校の特進クラスはちょっと変わってる。
高校入学時のテストで上から30位までの生徒しか入れないエリートクラスなんだけど…
何て言うか目立つ人が多いんだよね。

その理由は、成績さえ下がらなければめっっちゃ自由だから。
髪染めるのもOK、パーマもOK、ピアスとかアクセ類も何でも良し。メイクだってご自由に。
私立だから指定のベストやらセーターやらあるんだけど、特進は好きなの着てOK。

バイトもしていいし、芸能活動とかも可能。
実は翔君もここの卒業生なんだけど、在学中は雑誌のモデルをやってた。
それで現役医大合格とか本当に凄いよね。

そんな珍しい環境だから我が高校の特進クラスは、
上の大学は目指すけどガリ勉とか無理!
お洒落してバイトして好きなことしたい!!
って言うキラキラした人達に大人気だ。
因みに偏差値75以上の大学を目指すのが普通。

一方、俺がいる一般クラスは特進に許されてるような自由は無い。
髪は黒、アクセ禁止、指定の制服厳守。
バイトなんて言わずもがな。
校則違反、ダメ、絶対。

俺達からすると羨ましい特進クラスだけど、自由には代償が付き物だ。
成績が落ちれば一般クラスにぶち込まれる。
「堕天使」と揶揄されるそういった生徒は退学しちゃったりもするんだけど、それもご自由にって感じで学校側は一切関与しないらしい。

つまり全てにおいて自己責任ってこと。
だから、卒業までクラスに残留できるメンバーは総じて全ての能力が高い。
OBには世界を股にかけて活躍している著名人がゴロゴロいる。

そんな特進クラスで問題無く自由を謳歌してる蓮はやっぱり天才だと思う。

しかもさ、アッシュに染めた髪をセンターパートにして、制服を緩く着崩す蓮は物凄くイケメンだ。

蓮の周りもそんな感じだから友達と連れ立って歩いてるとキラキラ感が半端じゃない。
一般クラスのたみ貴族彼らに遭遇すると思わず道を譲ってしまう。

間違いなく学校のカーストトップ勢。
特進の三年達王族・皇族にも気に入られてるらしい。

蓮は将来を約束された男なのだ。

そんな蓮が俺なんかと一緒にいると視線が痛い。
ヒソヒソ声の「何で?」「全然タイプ違くない?」とか嫌でも聞こえてくるんだよ。

そんなん分かってるわ!

何だか居た堪れなくて、俺は最近蓮と一緒にいると楽しいのに少し居心地が悪い。

俺が遥みたいだったらこんな思いしなかったのかなと思ったり…。
まぁ、二人とは能力が天と地ほど違うって子供の頃から分かってたけどさぁ。


蓮はどう思ってるんだろうーーー。





●●●
高校生編スタートしました!
よろしくお願いします(*´∀`*)







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