【番外編更新中】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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高校生編side晴人 守る為に闘う事と事件の決着

61.チーム結成!

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相川さんが話してくれた事は衝撃的だった。

生徒会の上級生?
しかも理由が、相川さんが俺を邪魔だって言ったから?
それだけで放火したの?

いや、まだ犯人って確定した訳ではないけど…。

「その人の名前って分かる?」

「橋本だったと思う。生徒会の会計。」

名前を聞いても全然顔が思い浮かばない。

「分かった、話してくれてありがとう!」

「ちょ、ちょっと!どうするつもり⁉︎」

もう生徒会室に向かおうとしてる俺に、相川さんが焦ったように言う。

「顔が分かんないから取り敢えず見に行ってみるよ!」

「馬鹿!アンタが接触したら危ないわよ!」

狙われてる自覚持ちなさいよね、と怒ってる相川さん。
何か、心配してくれてるっぽい。

「私が行くわよ。」

「いや、それも危ないでしょ。」

うんうん、俺もそう思う!
相川さんに執着してる奴っぽいし。

…ん???

「ごめんな、晴人探しに来たら聞こえた。」

俺の背後から現れたのは…

「啓太!と、黒崎君!」

何でここに?って思ったのが顔に出てたっぽい。

「いやいや、鞄あるのに教室戻って来ないし
連絡つかないし何かあったのかと思うだろ。」

「そーだよ!そんで啓太君から俺に連絡来て探してたの。」

なんか2人、仲良くなってるな。

「ご、ごめん!啓太皆勤賞なのに…」

「そこじゃない!俺に内緒で動こうとした事に謝ってくれ。何かするならちゃんと頼れよな。
何の為の親友だと思ってるんだ。」

珍しく怒ってる啓太の言葉に、胸がジンとする。

「うん…巻き込みたく無かったから言わなかったんだけど、逆の立場だったら絶対嫌だ。
ごめんな、啓太。」

「よし!許す!」

この真っ直ぐな親友は本当にいい奴だ。

「黒崎君も、ごめんね。」

「なんかさ、萱島君ってほっとけないんだよなぁ。俺もできる事あったら協力するから頼ってよ。」

「うん…ありがとう。」

ほっこりする俺達を現実に戻したのはチッと言う舌打だった。

「友情ごっこは他所でやってよね。
脳天気にわちゃついてる場合じゃないのよ。」

相川さん、容赦ないね。

「いやいや、元はと言えば相川さんのせいだろ。
晴人を邪魔者扱いしてるけど、晴人が君に何したって言うんだ?
前にここで相川さんと話した後も晴人は様子が変だった。
切藤との関係がおかしくなったのも、プールの事も…どこまでが君の仕業なの?」

「啓太、それは…」

「晴人は黙ってろ。だいたい、相川さんが嘘付いてる可能性だってあるだろ。
その橋本って奴に自分から依頼した可能性だってゼロじゃないんだ。」

「うーん、相川ちゃんの事はクラスメイトとして庇ってあげたいけどさ、今までの行いが本当にそれなら信用には値しないよね。」

「黒崎君まで…」

問い詰められた相川さんは、それでもハッキリと言った。

「萱島に嫌がらして、それが原因で蓮と距離ができたのは私の作戦通り。
プールの件は私が桃に蓮との中を裂くように指示したけど、桃が裏切った。」

他には?と言いたげな目で俺達を見る相川さん。

堂々たる受け応えに唖然とする啓太に代わって、黒崎君が話し出す。

「相川ちゃんって蓮の事好きなの?
俺、本気じゃないって分かってるから蓮は相川ちゃんの事避けないんだって思ってたんだけど。」

「…どう言う事?」

「蓮は、自分に気がある相手が近寄らないように牽制するじゃん。気持ちに応える気とか一切無いから。」

一瞬黒崎君がこっち見たけど、俺そんなの全然知らなかったから同意はできないよ?

「だけど、相川ちゃんとはクラスメイトとしての距離保ってたでしょ。
俺も相川ちゃんが本気だと思ってなかったし、蓮もそうなんだろうなって納得してたんだよね。」

「なんで、本気じゃないって…」

「やだなぁ。肩書き目当てかどうかなんてすぐ分かるよ?そう言う奴等ばっかりだからね。」

そして、少し声のトーンを落とす。

「レベル高い男が欲しいのかもしれないけど、騙されるのはだよ。
にはそんな小細工、通用しないからね?」

普段の彼からは想像できないような冷たい笑みにヒヤリとする。

それは相川さんも同じだったみたいだ。
言葉に詰まって、心なしか震えてるように見える。

を好きになる奴なんてーーー」

「黒崎、ストップ!
話しが逸れたから戻そう。」

啓太が言って、黒崎君の肩に手を置く。
それがなんだか労わるように見えたのは、俺の気のせいだろうか。

「とにかく、相川さんは切藤と一緒にいる晴人が気に入らなくて色々やってたのは間違いないんだろ?
それが今回の小火騒ぎと切藤の免罪に繋がってる訳だ。」

「…でも、今回のは本当に私が指示したんじゃないわ。橋本が勝手に…」

「相川ちゃん、それ本気で言ってる?
そもそも相川ちゃんがそんな事しなければ起こらなかった事件だよね?始まりは自分でしょ。」

青くなって俯く相川さん。

「待って、二人とも!俺の為に怒ってくれるのは嬉しいんだけど、俺も悪いんだよ。」

「晴人…」

「相川さんにされた事は確かに嫌だったし、傷付いたりもしたけど…。
だけどさ、俺が元々、蓮と自分が釣り合ってないって思ってたのが始まりなんだよ。
自信があればそんなの気にしなかったし…ほら、蓮本人に相談したりもできたはずなんだ…。」

そもそもの始まりは俺の弱さにあったと思う。
相川さんの言葉にダメージ受けて、蓮から離れるのを選択したのは俺だ。

「ま、ま、待って萱島君!
蓮と釣り合ってないって本気で思ってるの?」

何故か動揺してる黒崎君に頷くと、彼は頭を抱えた。

「いや…俺から見たら逆もいい所なんだけど…こんな純粋な生き物に漆黒の蓮とか…そっちの方が釣り合わないよ…蓮も何でそこのケアできてないんだよ…何でそこ限定でヘタレになるんだよ…」

「え、えーっと黒崎君?」

何か小声でブツブツ言ってるけど大丈夫かな?

「とにかく、啓太と黒崎君が怒ってくれたから、俺はもう相川さんに対して思う事は特になし!
今回の事件も悪いのは実行犯だと思うし、相川さんの証言を信じるよ。」

「晴人、お前なぁ…」

「考えが甘いってのは分かってるよ。
でも、犯人を許すつもりは無い。
そっちは絶対に許せないから捕まえたい!
…協力してくれる?」

啓太も黒崎君も何か言いたそうだったけど、諦めたように溜息を吐いた。

「あぁ~、分かったよ!どっちにしろ橋本って奴に接触しないと真相は分かんないしな。」

「萱島君って結構頑固だよねぇ。」

何だかんだ言いながらも協力してくれる2人。
それから…

「相川さんも、お願い。」

「…分かったわよ。」

よし、これで大丈夫だね!

あ、あとさ。

「黒崎君、肩書きとか良く分かんないけど、俺は黒崎君の事好きだよ?」

「ブフッ、因みに、どこが?」

何故か吹き出す啓太の問いに答える。

「真面目で優しい!
周りの事良く見てるし実は熱い!
あと、ちょっと不器用な面があるギャップ!」

呆気に取られる黒崎君。
爆笑する啓太。
困惑する相川さん。


事件解決に向けて、ここに不思議なチームが爆誕した。




●●●
「真面目」「熱い」「不器用」
軽いノリと話術で隠して来た所を好きと言われて呆然の黒崎。
彼にとっても晴人はある意味特別。良かったね。



























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