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高校生編side蓮
28.想定外(※微エロ有り)
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『晴人⁉︎大丈夫か⁉︎⁉︎』
「ごめん啓太!俺は大丈夫!」
焦った中野の声に覚醒したらしく、晴がしっかりした声を出す。
俺に何かされたんじゃないかと心配する中野にイラッとくるが、まぁ間違いでもないので沈黙を貫く。
ただ、それに対する晴の返事には黙っていられなかった。
「いやいや!切藤は俺の事…」「お前さ、それ何なの?」
何で『え?』みてぇな顔してんだよ。
「蓮って呼べよ。」
「それは…だって仲良いと思われるし…。
助けてくれてありがとう。啓太とも連絡取ってくれたしもう大丈夫。切ふ……ンンッ⁉︎」
ショックを受けるのと同時に、それでもこの機会を逃してなるものかと本能が動いた。
お前に苗字で呼ばれるなんて最悪だ。
また距離取ろうとしてんじゃねぇよ。
「…んっ、…ふっ……んんッ!」
噛み付くようにその唇を塞いで、驚いて開いた隙間から舌を差し入れる。
強張る晴の舌を撫でて、絡め取って甘噛みして。
歯列をなぞってザラリと口蓋を舐めると、晴の身体がビクッと揺れた。
「ハァ……ハァ……何…で?切ふ…ン~ッッ⁉︎」
呼ばせるかよ。
暫くして、限界なのか弱々しく俺の方や胸を叩く晴から少しだけ身体を離した。
だけど、まだだーー。
「蓮って呼ぶまで続けるから。」
目を見張る晴に構わず、もっとキスを深くしていく。
「……晴?」
息が上がり涙目で見つめて来る姿に、降参するかと言外に問えば首を横に振られた。
「お前、変なとこ頑固だよな。」
こっちも撤回するまで止める気ねぇから。
晴を俺の膝からイスに降ろして、背中を壁に付ける。
自由になった手を晴の手に絡めて、自由を奪って。
スリットから覗く白い脚の間に自分の脚を入れると、完全に動きを封じた。
「……んっ…ふっ…ん~~ッ!!」
晴の甘い唾液と俺のそれを混ぜると、ゴクリと晴の喉が嚥下する。
強く吸って、噛んで、思うままに口内を蹂躙すると、遂に晴が折れた。
「ハァ…れん…も…ダメ……れんっ…」
「やっと呼んだな。それ以外の呼び方許さねーから。一生。」
マジで一生だ。
「ーーーで?何で急に苗字で呼ぶようになった訳?」
「あっ…違う。俺が自分でそうしただけ…。」
ふーん、言う気はねぇんだな。
どうしてやろうかと考えていると、それに気付いた。
マジか…
「晴、キスそんな気持ち良かったの?」
「え?」
興奮を押し殺しながら視線で促したのは、晴の股間。
緩く兆した晴のそれがチャイナドレスを押し上げている。
「や!やだ!見ないで!」
いや、こんな最高な光景見るに決まってんだろ。
必死で隠そうとしているが、手は俺が拘束してるから使えない。
少し意地の悪い気持ちになって膝でそれを刺激すると、晴が身体をしならせた。
「…あっ!やっ…、あぁ!!」
やっべぇな、これ。
「もっと気持ち良くしたら、素直になるかもな?」
都合良く事情聴取を大義名分にしているのは分かってるが、これは我慢する方が無理だ。
「晴、気持ちいい?」
耳元で囁いて舌を入れると、その身体はビクビクと震える。
「アッ…!蓮、耳ダメッ…ンッ!!」
「…ッ…すげぇ感度…。」
甘い声も吐息も、俺を煽る要素しかない。
「晴、ちゃんと答えろ。」
「違っ…ホントに、自分で…アッ…そうしただけ…」
「へぇ。じゃあ、何でそうしようと思った訳?」
「だから、俺がそう呼んじゃ…ダメだから…
アッ…!蓮ッ……膝でグリグリしちゃやぁ…ッ!」
エロく感じまくってるのに言い方は幼くて、そのギャップが堪らない。
「あーっ…クソ可愛いな…。晴、ちゃんと教えて。何でダメなの?」
「……だって…言われたから…」
「誰に?」
言い淀むその姿に、まだ理性が残っている事を悟る。
もう一息か。
白い脚に手を這わせて撫でると、晴がピクリと反応した。
そのまま両膝を抱え上げて、脚を開かせる。
「ひゃっ‼︎…あっ…!」
内腿の柔らかい場所に吸い付いて痕を刻むと、晴がそこをまじまじと見ていた。
舌を出した見せつけるように舐めると、その顔が一気に朱に染まる。
解放した両手で何とか抵抗しようとしているようだが、逆に俺に縋るかのよう。
丸見えの黒のボクサーパンツに先走りが染みている光景はあまりにも扇状的だ。
「晴…」
その手を取って掌に口付けると、正しい位置を教えるかのような俺の首に巻きつけた。
振り解く事もせずされるがままの晴に深くキスして、指で張り詰めたそこを刺激する。
「…蓮、も…やめ…っああぁ!!」
今迄で一番強く鳴いた晴が腰をくねらせる。
「蓮!!ほんとに…んっ…ダメ!この服、伊藤のだから…」
それを気にする程に下着の中がグチャグチャになっているのかと思うと堪らない。
「晴がちゃんと言ったらやめる。」
握って扱き始めると、抱き付く腕の力が強まった。
「やぁッン…誰がとかじゃな…くて…周りの…反応で…俺がそう…思った…だけ……あぁっ!!」
腰揺らして、強請ってるとしか思えねぇ。
無意識の痴態が俺の欲情を駆り立てる。
下着の上からじゃなくて、直に触れたい。
舐めて俺の口の中でイカせたい。
欲望塗れの思考は、晴の目に滲んだ涙で停止した。
「グスッ…何でこんな事すんの…。俺、蓮が望むようにしてたつもりなのに…。」
頬を伝う涙に焦る反面、その言葉に違和感を覚える。
俺が望むように?
いや、正反対の事してんだろ。
離れて行く事を、俺が望むとでも?
どんだけお前の事が好きで堪らないか分かれよ!
「晴、腕退けろ。」
顔を見てそれを伝えたたくて覆い隠すそれを取ろうとすると、晴はブンブンと首を横に振る。
「もっ…いいから俺の事は放っとい…ああぁぁぁ!!」
その先は聞きたくない。
言わせない。
俺の望みは、一生晴の傍にいる事だけだーー。
止めていた手を、本気でイかせる動きに変える。
「あぁっ…きもちぃ…こわい…れん…れん…っ!」
ヌチュヌチュと音を立てながら扱いて追い立てると、晴が甘い悲鳴を上げた。
「晴!…こっち見ろ!」
今お前に触ってるのは俺だ。
お前に快楽を与えてるのも。
それを記憶に焼き付けるために、晴が目を逸らす事を許さない。
「…簡単に手離すと思うなよ?」
「ッああぁぁんッ!!」
心からの決意を言葉にするのと、晴が達するのはほぼ同時だった。
荒い息をしながらクタリと凭れてくるのが愛おしくて仕方ない。
「晴、大丈夫か?」
「ん…。うぇっ、気持ち悪…」
下着を見ながら言うその声はさっきまでのエロさからは程遠くて、少し笑ってしまった。
晴がシャワーを浴びている間に、俺は自分のソレを取り出した。
晴はいっぱいいっぱいで気付いてなかったが、勃ち上がてガチガチに硬くなっている。
当たり前だろ、あんな善がりながら涙声で縋るみたいに名前呼ばれたらーー。
初めて夢精してから何百回と晴で抜いてきたが、実物の破壊力たるやその比ではなかった。
理性を吹っ飛ばさなかった自分を誉めてやりたいくらいだ。
それを脳内で再生しながら自分のモノを扱く。
「…うっ…。」
掌に僅かに残った晴の精液が自分の先走りと混ざっていると思うと興奮して、あっと言う間に果てた。
情けないが、晴が戻る前に終わらせたので良しとしよう。
手を洗い、窓を開けて換気した所で晴に声をかける。
「晴、平気?」
シャワー室からくぐもった声が聞こえて、少しして晴が出て来た。
平静を装って座る俺とは違い、晴は物凄く目が泳いでいる。
染まった頬から、俺を存分に意識しているのを感じて気分がいい。
が、頭からシャワーを被ったと聞いて焦る。
風邪引いたらどうすんだよーー早く来い中野!
どうせ電話が切れた辺りでこっち向かってんだろ。
そんな事を考えていると、晴が何かを聞きたそうにしている事に気付く。
多分、さっきの行為に対する事だろう。
俺はお前に苗字で呼ばれたり、放っておけと言われたりするのが苦しくて仕方ない。
頼むから、離れていかないでくれ。
好きで好きでどうしようもないんだ。
同意を得なかったのは悪かったけどーー晴も気持ち良さそうだったしーーいや、これは言わなくていいな。
とにかく俺の気持ちを伝えようと思って、ふと気付く。
俺、言葉にして晴に「好き」って伝えた事なくないか?
キスを無かった事にしたいと言われてから、俺の気持ちに応える気が無いんだと思っていた。
いやだって、どうでもいい相手にする訳ねぇだろ。
だけどーー
晴の鈍さを考えると…え…?
いやいや、流石に伝わってる…よな?
今のだって、晴のじゃなかったら男のイチモツ触るなんて鳥肌だっつの。
てか男でも女でも身体に触りたいなんて思わねぇし、触られたくもねぇ。
でもその意味が、晴に伝わってないとしたらーー。
もしかして、俺は物凄い勘違いをしてるんじゃないだろうか。
そして、それは晴もーー。
「なぁ、あのさ…」
思い当たった疑念に戸惑いつつも、晴の目を真っ直ぐに見つめる。
「俺、お前にーーー」
『言いたい事がある』と言う言葉に被せるように、更衣室のドアを叩く音と声がした。
「晴人!!!」
ーーおい、何でこのタイミングなんだよ。
晴の意識が完全にそっちに向いてしまい、仕方なく鍵を開ける。
雪崩れ込んで来た中野と伊藤はしきりに晴を心配しているが、等の本人はその意味に気付いてない。
…やっぱこれ、伝わってなかったかも…だよな…。
愕然としながらも、外にもう相川達がいない事を確認する。
コイツらが来ちまったなら話は後だ。
一刻も早く晴を着替えさせなくては。
中野のジトッとした視線から『お前晴人の事尾行してたんじゃないだろうな?』と言いたげなのを感じたがスルーだ。
プールに来る前に会ったカンナの事をクロに話すとすっ飛んで行ったので、全員を外に出るように促しやすかった。
「なぁ切藤、本当に晴に何も」「俺はどうしても早く決着付けたい事があるから行く。晴を落とした奴に会う。」
声を潜めた言葉を遮ると、中野は目を見開いた。
癪だがコイツには真実を話しておいた方が後々晴の為になるだろう。
「晴に風邪引かせんなよ。」
晴にずっと付いていたいが、今は俺にしかできない事をしなければ。
あの女が本当に話す気があるならば、俺が必ず通りそうな場所で待っているだろう。
校門が第一候補だな。
記憶の中から該当人物の画像を呼び出して、地面を蹴った。
●●●
side晴人高校編32~38話辺りの話しです。
前話のタイトルが下書きのままになってたので変更しました。
やっと!すれ違いに気付いた!!
蓮は両利きです。
そりゃ上手いはず…何がかはご想像に。笑
晴 え、ピアノとか?(真顔)
「ごめん啓太!俺は大丈夫!」
焦った中野の声に覚醒したらしく、晴がしっかりした声を出す。
俺に何かされたんじゃないかと心配する中野にイラッとくるが、まぁ間違いでもないので沈黙を貫く。
ただ、それに対する晴の返事には黙っていられなかった。
「いやいや!切藤は俺の事…」「お前さ、それ何なの?」
何で『え?』みてぇな顔してんだよ。
「蓮って呼べよ。」
「それは…だって仲良いと思われるし…。
助けてくれてありがとう。啓太とも連絡取ってくれたしもう大丈夫。切ふ……ンンッ⁉︎」
ショックを受けるのと同時に、それでもこの機会を逃してなるものかと本能が動いた。
お前に苗字で呼ばれるなんて最悪だ。
また距離取ろうとしてんじゃねぇよ。
「…んっ、…ふっ……んんッ!」
噛み付くようにその唇を塞いで、驚いて開いた隙間から舌を差し入れる。
強張る晴の舌を撫でて、絡め取って甘噛みして。
歯列をなぞってザラリと口蓋を舐めると、晴の身体がビクッと揺れた。
「ハァ……ハァ……何…で?切ふ…ン~ッッ⁉︎」
呼ばせるかよ。
暫くして、限界なのか弱々しく俺の方や胸を叩く晴から少しだけ身体を離した。
だけど、まだだーー。
「蓮って呼ぶまで続けるから。」
目を見張る晴に構わず、もっとキスを深くしていく。
「……晴?」
息が上がり涙目で見つめて来る姿に、降参するかと言外に問えば首を横に振られた。
「お前、変なとこ頑固だよな。」
こっちも撤回するまで止める気ねぇから。
晴を俺の膝からイスに降ろして、背中を壁に付ける。
自由になった手を晴の手に絡めて、自由を奪って。
スリットから覗く白い脚の間に自分の脚を入れると、完全に動きを封じた。
「……んっ…ふっ…ん~~ッ!!」
晴の甘い唾液と俺のそれを混ぜると、ゴクリと晴の喉が嚥下する。
強く吸って、噛んで、思うままに口内を蹂躙すると、遂に晴が折れた。
「ハァ…れん…も…ダメ……れんっ…」
「やっと呼んだな。それ以外の呼び方許さねーから。一生。」
マジで一生だ。
「ーーーで?何で急に苗字で呼ぶようになった訳?」
「あっ…違う。俺が自分でそうしただけ…。」
ふーん、言う気はねぇんだな。
どうしてやろうかと考えていると、それに気付いた。
マジか…
「晴、キスそんな気持ち良かったの?」
「え?」
興奮を押し殺しながら視線で促したのは、晴の股間。
緩く兆した晴のそれがチャイナドレスを押し上げている。
「や!やだ!見ないで!」
いや、こんな最高な光景見るに決まってんだろ。
必死で隠そうとしているが、手は俺が拘束してるから使えない。
少し意地の悪い気持ちになって膝でそれを刺激すると、晴が身体をしならせた。
「…あっ!やっ…、あぁ!!」
やっべぇな、これ。
「もっと気持ち良くしたら、素直になるかもな?」
都合良く事情聴取を大義名分にしているのは分かってるが、これは我慢する方が無理だ。
「晴、気持ちいい?」
耳元で囁いて舌を入れると、その身体はビクビクと震える。
「アッ…!蓮、耳ダメッ…ンッ!!」
「…ッ…すげぇ感度…。」
甘い声も吐息も、俺を煽る要素しかない。
「晴、ちゃんと答えろ。」
「違っ…ホントに、自分で…アッ…そうしただけ…」
「へぇ。じゃあ、何でそうしようと思った訳?」
「だから、俺がそう呼んじゃ…ダメだから…
アッ…!蓮ッ……膝でグリグリしちゃやぁ…ッ!」
エロく感じまくってるのに言い方は幼くて、そのギャップが堪らない。
「あーっ…クソ可愛いな…。晴、ちゃんと教えて。何でダメなの?」
「……だって…言われたから…」
「誰に?」
言い淀むその姿に、まだ理性が残っている事を悟る。
もう一息か。
白い脚に手を這わせて撫でると、晴がピクリと反応した。
そのまま両膝を抱え上げて、脚を開かせる。
「ひゃっ‼︎…あっ…!」
内腿の柔らかい場所に吸い付いて痕を刻むと、晴がそこをまじまじと見ていた。
舌を出した見せつけるように舐めると、その顔が一気に朱に染まる。
解放した両手で何とか抵抗しようとしているようだが、逆に俺に縋るかのよう。
丸見えの黒のボクサーパンツに先走りが染みている光景はあまりにも扇状的だ。
「晴…」
その手を取って掌に口付けると、正しい位置を教えるかのような俺の首に巻きつけた。
振り解く事もせずされるがままの晴に深くキスして、指で張り詰めたそこを刺激する。
「…蓮、も…やめ…っああぁ!!」
今迄で一番強く鳴いた晴が腰をくねらせる。
「蓮!!ほんとに…んっ…ダメ!この服、伊藤のだから…」
それを気にする程に下着の中がグチャグチャになっているのかと思うと堪らない。
「晴がちゃんと言ったらやめる。」
握って扱き始めると、抱き付く腕の力が強まった。
「やぁッン…誰がとかじゃな…くて…周りの…反応で…俺がそう…思った…だけ……あぁっ!!」
腰揺らして、強請ってるとしか思えねぇ。
無意識の痴態が俺の欲情を駆り立てる。
下着の上からじゃなくて、直に触れたい。
舐めて俺の口の中でイカせたい。
欲望塗れの思考は、晴の目に滲んだ涙で停止した。
「グスッ…何でこんな事すんの…。俺、蓮が望むようにしてたつもりなのに…。」
頬を伝う涙に焦る反面、その言葉に違和感を覚える。
俺が望むように?
いや、正反対の事してんだろ。
離れて行く事を、俺が望むとでも?
どんだけお前の事が好きで堪らないか分かれよ!
「晴、腕退けろ。」
顔を見てそれを伝えたたくて覆い隠すそれを取ろうとすると、晴はブンブンと首を横に振る。
「もっ…いいから俺の事は放っとい…ああぁぁぁ!!」
その先は聞きたくない。
言わせない。
俺の望みは、一生晴の傍にいる事だけだーー。
止めていた手を、本気でイかせる動きに変える。
「あぁっ…きもちぃ…こわい…れん…れん…っ!」
ヌチュヌチュと音を立てながら扱いて追い立てると、晴が甘い悲鳴を上げた。
「晴!…こっち見ろ!」
今お前に触ってるのは俺だ。
お前に快楽を与えてるのも。
それを記憶に焼き付けるために、晴が目を逸らす事を許さない。
「…簡単に手離すと思うなよ?」
「ッああぁぁんッ!!」
心からの決意を言葉にするのと、晴が達するのはほぼ同時だった。
荒い息をしながらクタリと凭れてくるのが愛おしくて仕方ない。
「晴、大丈夫か?」
「ん…。うぇっ、気持ち悪…」
下着を見ながら言うその声はさっきまでのエロさからは程遠くて、少し笑ってしまった。
晴がシャワーを浴びている間に、俺は自分のソレを取り出した。
晴はいっぱいいっぱいで気付いてなかったが、勃ち上がてガチガチに硬くなっている。
当たり前だろ、あんな善がりながら涙声で縋るみたいに名前呼ばれたらーー。
初めて夢精してから何百回と晴で抜いてきたが、実物の破壊力たるやその比ではなかった。
理性を吹っ飛ばさなかった自分を誉めてやりたいくらいだ。
それを脳内で再生しながら自分のモノを扱く。
「…うっ…。」
掌に僅かに残った晴の精液が自分の先走りと混ざっていると思うと興奮して、あっと言う間に果てた。
情けないが、晴が戻る前に終わらせたので良しとしよう。
手を洗い、窓を開けて換気した所で晴に声をかける。
「晴、平気?」
シャワー室からくぐもった声が聞こえて、少しして晴が出て来た。
平静を装って座る俺とは違い、晴は物凄く目が泳いでいる。
染まった頬から、俺を存分に意識しているのを感じて気分がいい。
が、頭からシャワーを被ったと聞いて焦る。
風邪引いたらどうすんだよーー早く来い中野!
どうせ電話が切れた辺りでこっち向かってんだろ。
そんな事を考えていると、晴が何かを聞きたそうにしている事に気付く。
多分、さっきの行為に対する事だろう。
俺はお前に苗字で呼ばれたり、放っておけと言われたりするのが苦しくて仕方ない。
頼むから、離れていかないでくれ。
好きで好きでどうしようもないんだ。
同意を得なかったのは悪かったけどーー晴も気持ち良さそうだったしーーいや、これは言わなくていいな。
とにかく俺の気持ちを伝えようと思って、ふと気付く。
俺、言葉にして晴に「好き」って伝えた事なくないか?
キスを無かった事にしたいと言われてから、俺の気持ちに応える気が無いんだと思っていた。
いやだって、どうでもいい相手にする訳ねぇだろ。
だけどーー
晴の鈍さを考えると…え…?
いやいや、流石に伝わってる…よな?
今のだって、晴のじゃなかったら男のイチモツ触るなんて鳥肌だっつの。
てか男でも女でも身体に触りたいなんて思わねぇし、触られたくもねぇ。
でもその意味が、晴に伝わってないとしたらーー。
もしかして、俺は物凄い勘違いをしてるんじゃないだろうか。
そして、それは晴もーー。
「なぁ、あのさ…」
思い当たった疑念に戸惑いつつも、晴の目を真っ直ぐに見つめる。
「俺、お前にーーー」
『言いたい事がある』と言う言葉に被せるように、更衣室のドアを叩く音と声がした。
「晴人!!!」
ーーおい、何でこのタイミングなんだよ。
晴の意識が完全にそっちに向いてしまい、仕方なく鍵を開ける。
雪崩れ込んで来た中野と伊藤はしきりに晴を心配しているが、等の本人はその意味に気付いてない。
…やっぱこれ、伝わってなかったかも…だよな…。
愕然としながらも、外にもう相川達がいない事を確認する。
コイツらが来ちまったなら話は後だ。
一刻も早く晴を着替えさせなくては。
中野のジトッとした視線から『お前晴人の事尾行してたんじゃないだろうな?』と言いたげなのを感じたがスルーだ。
プールに来る前に会ったカンナの事をクロに話すとすっ飛んで行ったので、全員を外に出るように促しやすかった。
「なぁ切藤、本当に晴に何も」「俺はどうしても早く決着付けたい事があるから行く。晴を落とした奴に会う。」
声を潜めた言葉を遮ると、中野は目を見開いた。
癪だがコイツには真実を話しておいた方が後々晴の為になるだろう。
「晴に風邪引かせんなよ。」
晴にずっと付いていたいが、今は俺にしかできない事をしなければ。
あの女が本当に話す気があるならば、俺が必ず通りそうな場所で待っているだろう。
校門が第一候補だな。
記憶の中から該当人物の画像を呼び出して、地面を蹴った。
●●●
side晴人高校編32~38話辺りの話しです。
前話のタイトルが下書きのままになってたので変更しました。
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