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高校生編side蓮
40.親切と下心(※微エロ有り)
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徐々に寒気が緩んで来た3月。
親父の病院を出た俺は一人、夕闇の中を歩いていた。
呼び出された内容は、晴を襲った犯人の件だ。
何は無くともまず狂った血族の関与を疑わなければならず調査に時間がかかってしまったが、霊泉家の関与は無く、犯人に関する情報も出てこなかったらしい。
クソ、あの時俺が捕まえてれば…。
「蓮君。」
呼ばれて視線を上げると、駅前で憲人さんが手を振っていた。
「おかえり。寝てるかもしれないから、これ渡しておくね。」
手渡されたのは萱島家の鍵だ。
結婚記念日の食事に行く萱島夫婦に変わり、今日の夜は俺が晴と一緒にいる事になっている。
延期しようとする両親を強引に送り出した晴には、俺達が手を組んでいる事は秘密だ。
本人はいつまでも気を使われるのが嫌な様だが、心配が尽きない周りは気付かれないよう色々と手を回している。
仕方ねぇよな、まだたった2ヶ月だし。
随分元気を取り戻した晴だが、それでも時折沈んだ横顔を見せる事がある。
『帰宅部だから家で昼寝しまくってる!』
なんて笑うその笑顔には、少しの痛みも伴っていて。
せめて、月末に控えた晴の誕生日には思い切り喜ばせたい。
そう思いながら萱島家のインターホンを押すが、応答が無いので預かった鍵を使う。
晴の部屋の前でも声をかけるが返事はない。
一瞬躊躇ったが、安全確認の為に静かにドアノブに手をかけ…その先の光景に息を呑んだ。
ベッドに腰掛けた晴が目を閉じて頬を上気させ、部屋着のズボンと下着は足首まで下がり、下半身が剥き出しになっている。
そして、その中心を手で…。
ハッ、ハッと荒い呼吸が満ちた部屋に、意識がグラリと傾いだ。
男ならオナニーなんて普通だ、家に誰もいないなら余計に。
ただ、好きな相手のそれの威力は凄まじかった。
眉を寄せて快感を追う姿に、俺の中心に熱が集まって行く。
ーーその快楽より強いものを、俺が与えたい。
知らず喉がゴクリと音を立てた。
金縛りにあったかのように離せない視線の先で、ふいに晴が溜息を吐く。
快感とは違う種類のそれに違和感を覚えながらも、その音にハッと我に返った俺は慌てて自分の昂りを落ち着ける。
一度部屋を出ようとして、不覚にもドアに腕をぶつけてしまった。
ガタッ
「あ…。」
音に振り向いた晴が俺を見て目を見開く。
気まずい沈黙が部屋を支配するが、見てしまった事を誤魔化すのは不可能だ。
ヤベェ、どうする…
「わぁぁん!蓮、どうしようぅぅ!!」
ーーはぁ!?
何でお前俺に抱き着こうとしてんだよ!?
そんな霰もない格好で来られたら…
「晴!!待て!落ち着け!!」
「蓮、どうしよう!俺の修学旅行が…!」
修学旅行!?
「ちょっ…オイッ!!いいから下隠せ!!」
「隠しても修旅はどうにもなんないよぉ!」
「修旅は置いとけ!何もされたくなかったらそれ以上近付くなよ⁉︎」
必死な俺に、晴は漸く自分の下半身の状態に気付いたらしい。
大慌てで下着を履いて真っ赤になる姿に、俺は頭を抱えた。
「マジ…辛れぇ…。」
無防備も無自覚も、罪すぎるーー。
「…と言う経緯がありまして、自分でしようとしてた訳であります…。」
服を着た晴が説明したのは、あの事件以来自分で抜けなくなったと言う事だった。
恐縮しまくる晴に溜息を付きながらも、その内容には眉を寄せる。
つまり、精神的な影響がここにも出てるって事か?
「これもトラウマなのかなぁ…最悪だよ。
この先誰とも泊まりで遊んだりできないかも…。」
それで2ヶ月後に迫った修旅を連呼してた訳か。
確かに、溜まりっぱなしだと修旅の朝に悲劇が起きないとも限らない。
「蓮、忘れて!ほんとごめん!!」
羞恥からベッドに頭を打ち付ける晴の肩を掴んで、こっちを向かせる。
「忘れてる場合かよ。困ってんだろ?」
晴の話だと、最後に出したのは俺が「消毒」した時。
つまりーー
「前に触った時は平気だったんだろ。俺の手ならイケるかもよ。」
純粋に助けたい気持ちと下心、どっちが強いかと言われたら…まあ、アレだ。
「でも、蓮にそんな事させらんない…」
「男同士で抜き合いとか別に珍しくねぇから。」
んな訳ねぇだろ、と思いつつ晴を丸め込む。
「修旅までに治さないと同部屋の奴にバレるぞ?」
切り札のようなその言葉に、晴はおずおずと頷いた。
「…じゃ、じゃあ…お願い…してもいい?
あ、でも嫌になったらすぐ止めていいから!」
不安そうな晴の後ろに周り、俺の足の間に座らせる。
「あッ…」
下着を下げて色の淡いそれを扱くと、晴の口から甘い声が漏れた。
「晴、ちゃんと声に出して言え。その方がもっと気持ち良くなるから。」
「…ん…、きもちぃ…」
言わせたくて態とそう教えると、素直に従う。
グチュグチュと音を立てる度に頭を仰け反らせて感じる晴に、俺の劣情も煽られっぱなしだ。
「もっとしてほしい?」
「ンッ…もっと……!もっとしてッ…!」
教えた通り言葉に出して快感を得ていく姿に、俺の中心が熱り立つ。
「れんっ…れん、お願…いッ…!!」
「あー、最高すぎる…」
強請る声に低く呻いて、手の動きを早めた。
「アァァッーー!!もうダメ…イク!イッちゃう!」
白い喉を見せて仰向く唇を塞いで舌を絡めると、晴の熱が弾けた。
「ーーんうぅッッ!!!」
矯正と甘い唾液を口内に飲み込んで解放すると、晴が必死に息を整える。
「ちゃんとイケたな。量はそうでもねぇけど、めっちゃ濃いわ。」
手に受けた白濁を見せると、真っ赤になった晴にティッシュで拭われた。
「怖くなかったか?」
その問いに顔を手で覆いながらも頷く姿に、抑えきれない欲望が口をつく。
「こんだけ濃かったら、もう一回出しといた方がいいな。」
「え⁉︎ちょっと、蓮⁉︎」
「コッチでもしておいた方が上書きになるだろ。」
尤もらしくそんな風に言って、晴をベッドに押し倒した。
出したばかりの白濁が残るそこを、舌で丁寧に舐め取る。
そのまま全てを口内に収めると、晴の背中が弓形に浮いた。
「ひゃあんッ!ヤッ…ダメ、そこ汚い…!」
必死に抵抗しているが、足に力が入らないらしい。
それをいい事に舌を巻き付けて可愛がると、晴のそこはまたフルンと立ち上がった。
「また固くなったな。」
態と見せ付けて、その視線を感じながらゆっくりと熱を込めて愛撫する。
「やぁんッ…れん…アッ、アッ、あぁぁ!」
俺の髪を掴んで耐える晴が身悶えた。
「蓮!ダメ、もうダメーー出ちゃう!!」
強い快楽から逃げようと浮いた腰を押さえつけて、追い立てる。
「口離してーー!!あぁぁぁッッッ!!!!」
強く吸った刺激に耐えきれず、晴が達した。
口の中に広がった独特のそれを躊躇いなく飲み込む。
それから丁寧に舐めてそこを綺麗にすると、晴の身体がヒクヒクと震えた。
そのまま眠ってしまった晴の身体をタオルで拭って、部屋着を着せてベッドに横たえる。
さて、目が覚めたらどんな反応をするのか。
それは少し怖くも有り…楽しみでもあった。
「晴、するよな?」
「えっと…うん、お願いします…。」
耳元で囁くと、真っ赤になりながらも頷く晴に自然と口角が上がる。
結局あの日、目を覚ました晴は狼狽えて謝りっぱなしだった。
それを宥めすかして『一人でできるようになるまで』と言い包め、俺は週1で晴の「手伝い」をしている。
頻度はもっとあっていい…何なら毎日でもいい位だが、晴は元々ほとんどしていなかったらしい。
向かい合ってヌチヌチと音をさせながら擦るとすぐに甘い声が上がる。
「アッ、それ、気持ち…ッ」
「此処、こうされたいんだ?」
「ひゃぁッ!」
晴の気持ちを案じて我慢していた時期もあったが…鈴口を弄られて甘く鳴く姿を見ていると、身体から堕とすのも有りかと思ってしまう。
自分の手じゃ満足できないようになればいいーー
「ねぇ、ハァ、俺も蓮の、触っていい?」
「………………は?」
思考を切り裂く唐突な言葉に、思わず手を止めた。
「だってさ、してもらってばっかだし。俺も蓮のできたらいいのにって思って。」
して欲しい。
して欲しすぎるが、それはダメだ。
主に俺の理性的な問題で。
「ごめん、そうだよな。俺、多分下手だし…。
蓮の事気持ち良くできないか…。」
違う、そうじゃないと、ションボリ俯いてしまった晴の顔を慌てて覗き込む。
「そりゃ晴がしてくれたら嬉しいけど…お前、俺の触れんの?」
「え?当たり前じゃん。」
ーーマジ?
いや、これは多分、俺に対する罪悪感から言っているだけだ。
「はぁ、分かった。無理しなくていいからな?」
実際に目にしたら触れないって事が分かるだろうと、ズボンの前を寛げる。
案の定、俺のモノを見た晴は目を見開いた。
だがそれは、抵抗感からでは無かったらしい。
「デッッカ!!俺、男として自身無くすわ…。ちょっと勃ってるだけでこれって…ん?」
その反応に思わず苦笑する。
「晴の見えてんだぜ?勃つに決まってんだろ。
触って、晴の声聞いたら即バキバキだわ。」
自分に欲情する俺を、晴はどう思うだろうか。
「…引いた?」
「ううん。なんか、嬉しい…。」
そう言って優しく俺のモノに触れてくる。
「ドクドクして、熱い…。」
そんな風に言われて気遣う余裕なんてある訳もなく、晴のモノを握り込んだ。
「晴、同じようにして。」
「ンッ…、アッ…んぁっ…」
嬌声を上げながらも懸命に手を動かす晴に、興奮が止まらない。
力が入らないらしい晴の手を離させて、2人のモノを片手にまとめて扱く。
「アァァッ!気持ちいい…レンッ…!」
「俺も…ハァ、お前のが当たって凄ぇイイ…!」
お互いのモノが擦れ合う倒錯感にクラクラする。
「アァッ!出ちゃう!蓮、も…イクッ…!」
「くっ……、イケ…!!」
白濁を飛ばした晴を見ながら、俺も自分を追い立てていく。
「………ッ晴…!」
独りでする時のように目を閉じて名前を呼ぶと、何か柔らかい感触を感じた。
事態が飲み込めず唖然として、ようやく気付く。
晴に、舐められてるーー。
自覚した瞬間ゴポリと量が増した先走りを、拙い動きの舌が次々と舐め取って。
晴の口内に招き入れられる先端を、信じられない思いで見つめる。
それは艶っぽいものではなく、子猫が興味津々に戯れるような動きで。
それなのに、晴の温かい口内と柔らかい舌を感じて頭が真っ白になる。
熱に蕩けた瞳は、それでも真っ直ぐに俺を映していて。
晴をそうさせているのが自分だと思うと、もう堪らなかった。
チュルッと音を立てて吸われ、とんでもない快感と共に放った白濁は相当な量だっただろう。
それを、晴の口に…
「晴!出せ!ほら!」
一気に興奮が冷めて、ティッシュの上に吐き出させる。
そのまま無言になる晴に、焦りと不安が込み上げた時。
スースー
穏やかな寝息が聞こえてきて、ガクッと力が抜けた。
「嘘だろ…寝るのかよ…。」
お前は俺をどうしたいんだ…。
振り回されているのを感じて溜息を吐きながら、晴を抱き締める。
「起きたら、覚えてろよ?」
悔し紛れに囁いた俺の言葉に、晴がフニャリと笑った気がした。
●●●
side晴人88~90話辺りの話しです。
晴人的には蓮の真似をしたつもりのフェでしたが、蓮からすると子猫だったようです笑
頑張れ晴人、練習あるのみ!(←?)
親父の病院を出た俺は一人、夕闇の中を歩いていた。
呼び出された内容は、晴を襲った犯人の件だ。
何は無くともまず狂った血族の関与を疑わなければならず調査に時間がかかってしまったが、霊泉家の関与は無く、犯人に関する情報も出てこなかったらしい。
クソ、あの時俺が捕まえてれば…。
「蓮君。」
呼ばれて視線を上げると、駅前で憲人さんが手を振っていた。
「おかえり。寝てるかもしれないから、これ渡しておくね。」
手渡されたのは萱島家の鍵だ。
結婚記念日の食事に行く萱島夫婦に変わり、今日の夜は俺が晴と一緒にいる事になっている。
延期しようとする両親を強引に送り出した晴には、俺達が手を組んでいる事は秘密だ。
本人はいつまでも気を使われるのが嫌な様だが、心配が尽きない周りは気付かれないよう色々と手を回している。
仕方ねぇよな、まだたった2ヶ月だし。
随分元気を取り戻した晴だが、それでも時折沈んだ横顔を見せる事がある。
『帰宅部だから家で昼寝しまくってる!』
なんて笑うその笑顔には、少しの痛みも伴っていて。
せめて、月末に控えた晴の誕生日には思い切り喜ばせたい。
そう思いながら萱島家のインターホンを押すが、応答が無いので預かった鍵を使う。
晴の部屋の前でも声をかけるが返事はない。
一瞬躊躇ったが、安全確認の為に静かにドアノブに手をかけ…その先の光景に息を呑んだ。
ベッドに腰掛けた晴が目を閉じて頬を上気させ、部屋着のズボンと下着は足首まで下がり、下半身が剥き出しになっている。
そして、その中心を手で…。
ハッ、ハッと荒い呼吸が満ちた部屋に、意識がグラリと傾いだ。
男ならオナニーなんて普通だ、家に誰もいないなら余計に。
ただ、好きな相手のそれの威力は凄まじかった。
眉を寄せて快感を追う姿に、俺の中心に熱が集まって行く。
ーーその快楽より強いものを、俺が与えたい。
知らず喉がゴクリと音を立てた。
金縛りにあったかのように離せない視線の先で、ふいに晴が溜息を吐く。
快感とは違う種類のそれに違和感を覚えながらも、その音にハッと我に返った俺は慌てて自分の昂りを落ち着ける。
一度部屋を出ようとして、不覚にもドアに腕をぶつけてしまった。
ガタッ
「あ…。」
音に振り向いた晴が俺を見て目を見開く。
気まずい沈黙が部屋を支配するが、見てしまった事を誤魔化すのは不可能だ。
ヤベェ、どうする…
「わぁぁん!蓮、どうしようぅぅ!!」
ーーはぁ!?
何でお前俺に抱き着こうとしてんだよ!?
そんな霰もない格好で来られたら…
「晴!!待て!落ち着け!!」
「蓮、どうしよう!俺の修学旅行が…!」
修学旅行!?
「ちょっ…オイッ!!いいから下隠せ!!」
「隠しても修旅はどうにもなんないよぉ!」
「修旅は置いとけ!何もされたくなかったらそれ以上近付くなよ⁉︎」
必死な俺に、晴は漸く自分の下半身の状態に気付いたらしい。
大慌てで下着を履いて真っ赤になる姿に、俺は頭を抱えた。
「マジ…辛れぇ…。」
無防備も無自覚も、罪すぎるーー。
「…と言う経緯がありまして、自分でしようとしてた訳であります…。」
服を着た晴が説明したのは、あの事件以来自分で抜けなくなったと言う事だった。
恐縮しまくる晴に溜息を付きながらも、その内容には眉を寄せる。
つまり、精神的な影響がここにも出てるって事か?
「これもトラウマなのかなぁ…最悪だよ。
この先誰とも泊まりで遊んだりできないかも…。」
それで2ヶ月後に迫った修旅を連呼してた訳か。
確かに、溜まりっぱなしだと修旅の朝に悲劇が起きないとも限らない。
「蓮、忘れて!ほんとごめん!!」
羞恥からベッドに頭を打ち付ける晴の肩を掴んで、こっちを向かせる。
「忘れてる場合かよ。困ってんだろ?」
晴の話だと、最後に出したのは俺が「消毒」した時。
つまりーー
「前に触った時は平気だったんだろ。俺の手ならイケるかもよ。」
純粋に助けたい気持ちと下心、どっちが強いかと言われたら…まあ、アレだ。
「でも、蓮にそんな事させらんない…」
「男同士で抜き合いとか別に珍しくねぇから。」
んな訳ねぇだろ、と思いつつ晴を丸め込む。
「修旅までに治さないと同部屋の奴にバレるぞ?」
切り札のようなその言葉に、晴はおずおずと頷いた。
「…じゃ、じゃあ…お願い…してもいい?
あ、でも嫌になったらすぐ止めていいから!」
不安そうな晴の後ろに周り、俺の足の間に座らせる。
「あッ…」
下着を下げて色の淡いそれを扱くと、晴の口から甘い声が漏れた。
「晴、ちゃんと声に出して言え。その方がもっと気持ち良くなるから。」
「…ん…、きもちぃ…」
言わせたくて態とそう教えると、素直に従う。
グチュグチュと音を立てる度に頭を仰け反らせて感じる晴に、俺の劣情も煽られっぱなしだ。
「もっとしてほしい?」
「ンッ…もっと……!もっとしてッ…!」
教えた通り言葉に出して快感を得ていく姿に、俺の中心が熱り立つ。
「れんっ…れん、お願…いッ…!!」
「あー、最高すぎる…」
強請る声に低く呻いて、手の動きを早めた。
「アァァッーー!!もうダメ…イク!イッちゃう!」
白い喉を見せて仰向く唇を塞いで舌を絡めると、晴の熱が弾けた。
「ーーんうぅッッ!!!」
矯正と甘い唾液を口内に飲み込んで解放すると、晴が必死に息を整える。
「ちゃんとイケたな。量はそうでもねぇけど、めっちゃ濃いわ。」
手に受けた白濁を見せると、真っ赤になった晴にティッシュで拭われた。
「怖くなかったか?」
その問いに顔を手で覆いながらも頷く姿に、抑えきれない欲望が口をつく。
「こんだけ濃かったら、もう一回出しといた方がいいな。」
「え⁉︎ちょっと、蓮⁉︎」
「コッチでもしておいた方が上書きになるだろ。」
尤もらしくそんな風に言って、晴をベッドに押し倒した。
出したばかりの白濁が残るそこを、舌で丁寧に舐め取る。
そのまま全てを口内に収めると、晴の背中が弓形に浮いた。
「ひゃあんッ!ヤッ…ダメ、そこ汚い…!」
必死に抵抗しているが、足に力が入らないらしい。
それをいい事に舌を巻き付けて可愛がると、晴のそこはまたフルンと立ち上がった。
「また固くなったな。」
態と見せ付けて、その視線を感じながらゆっくりと熱を込めて愛撫する。
「やぁんッ…れん…アッ、アッ、あぁぁ!」
俺の髪を掴んで耐える晴が身悶えた。
「蓮!ダメ、もうダメーー出ちゃう!!」
強い快楽から逃げようと浮いた腰を押さえつけて、追い立てる。
「口離してーー!!あぁぁぁッッッ!!!!」
強く吸った刺激に耐えきれず、晴が達した。
口の中に広がった独特のそれを躊躇いなく飲み込む。
それから丁寧に舐めてそこを綺麗にすると、晴の身体がヒクヒクと震えた。
そのまま眠ってしまった晴の身体をタオルで拭って、部屋着を着せてベッドに横たえる。
さて、目が覚めたらどんな反応をするのか。
それは少し怖くも有り…楽しみでもあった。
「晴、するよな?」
「えっと…うん、お願いします…。」
耳元で囁くと、真っ赤になりながらも頷く晴に自然と口角が上がる。
結局あの日、目を覚ました晴は狼狽えて謝りっぱなしだった。
それを宥めすかして『一人でできるようになるまで』と言い包め、俺は週1で晴の「手伝い」をしている。
頻度はもっとあっていい…何なら毎日でもいい位だが、晴は元々ほとんどしていなかったらしい。
向かい合ってヌチヌチと音をさせながら擦るとすぐに甘い声が上がる。
「アッ、それ、気持ち…ッ」
「此処、こうされたいんだ?」
「ひゃぁッ!」
晴の気持ちを案じて我慢していた時期もあったが…鈴口を弄られて甘く鳴く姿を見ていると、身体から堕とすのも有りかと思ってしまう。
自分の手じゃ満足できないようになればいいーー
「ねぇ、ハァ、俺も蓮の、触っていい?」
「………………は?」
思考を切り裂く唐突な言葉に、思わず手を止めた。
「だってさ、してもらってばっかだし。俺も蓮のできたらいいのにって思って。」
して欲しい。
して欲しすぎるが、それはダメだ。
主に俺の理性的な問題で。
「ごめん、そうだよな。俺、多分下手だし…。
蓮の事気持ち良くできないか…。」
違う、そうじゃないと、ションボリ俯いてしまった晴の顔を慌てて覗き込む。
「そりゃ晴がしてくれたら嬉しいけど…お前、俺の触れんの?」
「え?当たり前じゃん。」
ーーマジ?
いや、これは多分、俺に対する罪悪感から言っているだけだ。
「はぁ、分かった。無理しなくていいからな?」
実際に目にしたら触れないって事が分かるだろうと、ズボンの前を寛げる。
案の定、俺のモノを見た晴は目を見開いた。
だがそれは、抵抗感からでは無かったらしい。
「デッッカ!!俺、男として自身無くすわ…。ちょっと勃ってるだけでこれって…ん?」
その反応に思わず苦笑する。
「晴の見えてんだぜ?勃つに決まってんだろ。
触って、晴の声聞いたら即バキバキだわ。」
自分に欲情する俺を、晴はどう思うだろうか。
「…引いた?」
「ううん。なんか、嬉しい…。」
そう言って優しく俺のモノに触れてくる。
「ドクドクして、熱い…。」
そんな風に言われて気遣う余裕なんてある訳もなく、晴のモノを握り込んだ。
「晴、同じようにして。」
「ンッ…、アッ…んぁっ…」
嬌声を上げながらも懸命に手を動かす晴に、興奮が止まらない。
力が入らないらしい晴の手を離させて、2人のモノを片手にまとめて扱く。
「アァァッ!気持ちいい…レンッ…!」
「俺も…ハァ、お前のが当たって凄ぇイイ…!」
お互いのモノが擦れ合う倒錯感にクラクラする。
「アァッ!出ちゃう!蓮、も…イクッ…!」
「くっ……、イケ…!!」
白濁を飛ばした晴を見ながら、俺も自分を追い立てていく。
「………ッ晴…!」
独りでする時のように目を閉じて名前を呼ぶと、何か柔らかい感触を感じた。
事態が飲み込めず唖然として、ようやく気付く。
晴に、舐められてるーー。
自覚した瞬間ゴポリと量が増した先走りを、拙い動きの舌が次々と舐め取って。
晴の口内に招き入れられる先端を、信じられない思いで見つめる。
それは艶っぽいものではなく、子猫が興味津々に戯れるような動きで。
それなのに、晴の温かい口内と柔らかい舌を感じて頭が真っ白になる。
熱に蕩けた瞳は、それでも真っ直ぐに俺を映していて。
晴をそうさせているのが自分だと思うと、もう堪らなかった。
チュルッと音を立てて吸われ、とんでもない快感と共に放った白濁は相当な量だっただろう。
それを、晴の口に…
「晴!出せ!ほら!」
一気に興奮が冷めて、ティッシュの上に吐き出させる。
そのまま無言になる晴に、焦りと不安が込み上げた時。
スースー
穏やかな寝息が聞こえてきて、ガクッと力が抜けた。
「嘘だろ…寝るのかよ…。」
お前は俺をどうしたいんだ…。
振り回されているのを感じて溜息を吐きながら、晴を抱き締める。
「起きたら、覚えてろよ?」
悔し紛れに囁いた俺の言葉に、晴がフニャリと笑った気がした。
●●●
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