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車線・変更
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より子は今日も運転をしているー。
毎日ほぼ変わらない道、景色、音楽ー。
仕事はしている。
かといってやる気を出せる仕事かと言われればそうではない。興味を持てる趣味もなかった。もちろん、こんな日常をつまらなく思っていた。住む家があって、お給料をもらえる仕事につけいて、贅沢なことを言っていると思うのだが、刺激のない日常は、若いあの頃のより子にとってはとてつもなくつまらなく映ってしまったのだ。だからといって何を変えたらいいのか分からない…。四人兄弟の末っ子に産まれたより子、高校を卒業して県外に就職したが、実家の都合もあり、数年で地元に帰って来た。その時期は兄弟全員実家暮らし。実家にお金を入れていたが、実際の一人暮らしほどの出費はなく、そこまでお金には困っていなかった。ただ、あまり家庭内環境は良い方ではなかった。自分の部屋にテレビもある、DVDレコーダーもある、パソコンもある、一日部屋の中で過ごすのに困らないほどのものは揃っていた。しかし、それでも、家の中にいるのは嫌だった。家にいると常にイライラしていた。こんなにも気が休まらない部屋で夜寝るまでの数時間を過ごすことすら無理だった。
「(あぁ、今日も暇を潰すだけのドライブが終わる…)」
変わらぬ昼間の時間を過ごし、そして夜、今日も車にのる。家の駐車場から車を発進させる。きっと今日も今までとなにも変わらない。変わらないと思っていた。車を発進させるまでは…。
よくテレビで人生の転機をテーマにしている番組を観る。より子のように変わらぬ日常からちょっとしたことがキッカケで人生が変わった!人生のどん底からひらめきで一気に億万長者に!など。そんなこと自分にはありえない、実際、より子は億万長者でも、キッカケを迎えた道を進み続けているわけでもない。だとしたら?これから綴ることはなんなのだろう。
予定調和、神が決めてるとは思わないが、出合うことには出合うべくして訪れると思う。
仕事の実績が全てか、確かに社会的評価からしたらそれが全てなのだろうが、紙の上には残らない自分自心の中身の成長を得ることのできた仕事に就けたということは、きっと社会的評価などいらないほど価値のあるものだと思う。
そんな会社、メンバーに出合えたこと。これからの人生を考えられるだけの経験と知識、考え方を与えてくれこと。そんな2年半。より子にとって短くて濃い、たった2年半を、ここから綴る。
ーエンジンをかけ、ブレーキを踏みながらサイドブレーキをおろし、アクセルに足をかけた。いつもは左に出る。でもその日は右に出た。その時は意識的に何も考えていなかったと思う。ただ進む道を変えてみたー
毎日ほぼ変わらない道、景色、音楽ー。
仕事はしている。
かといってやる気を出せる仕事かと言われればそうではない。興味を持てる趣味もなかった。もちろん、こんな日常をつまらなく思っていた。住む家があって、お給料をもらえる仕事につけいて、贅沢なことを言っていると思うのだが、刺激のない日常は、若いあの頃のより子にとってはとてつもなくつまらなく映ってしまったのだ。だからといって何を変えたらいいのか分からない…。四人兄弟の末っ子に産まれたより子、高校を卒業して県外に就職したが、実家の都合もあり、数年で地元に帰って来た。その時期は兄弟全員実家暮らし。実家にお金を入れていたが、実際の一人暮らしほどの出費はなく、そこまでお金には困っていなかった。ただ、あまり家庭内環境は良い方ではなかった。自分の部屋にテレビもある、DVDレコーダーもある、パソコンもある、一日部屋の中で過ごすのに困らないほどのものは揃っていた。しかし、それでも、家の中にいるのは嫌だった。家にいると常にイライラしていた。こんなにも気が休まらない部屋で夜寝るまでの数時間を過ごすことすら無理だった。
「(あぁ、今日も暇を潰すだけのドライブが終わる…)」
変わらぬ昼間の時間を過ごし、そして夜、今日も車にのる。家の駐車場から車を発進させる。きっと今日も今までとなにも変わらない。変わらないと思っていた。車を発進させるまでは…。
よくテレビで人生の転機をテーマにしている番組を観る。より子のように変わらぬ日常からちょっとしたことがキッカケで人生が変わった!人生のどん底からひらめきで一気に億万長者に!など。そんなこと自分にはありえない、実際、より子は億万長者でも、キッカケを迎えた道を進み続けているわけでもない。だとしたら?これから綴ることはなんなのだろう。
予定調和、神が決めてるとは思わないが、出合うことには出合うべくして訪れると思う。
仕事の実績が全てか、確かに社会的評価からしたらそれが全てなのだろうが、紙の上には残らない自分自心の中身の成長を得ることのできた仕事に就けたということは、きっと社会的評価などいらないほど価値のあるものだと思う。
そんな会社、メンバーに出合えたこと。これからの人生を考えられるだけの経験と知識、考え方を与えてくれこと。そんな2年半。より子にとって短くて濃い、たった2年半を、ここから綴る。
ーエンジンをかけ、ブレーキを踏みながらサイドブレーキをおろし、アクセルに足をかけた。いつもは左に出る。でもその日は右に出た。その時は意識的に何も考えていなかったと思う。ただ進む道を変えてみたー
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