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お風呂と名前と喧嘩勃発
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しおりを挟む「まぁ、取り敢えず、両成敗ってことだね。」
結城さんの一声に両者は頷く。
右には顔に痣ができた、マキナさん。
左には頭に包帯を巻く、チアキ?さん。
2人は睨み合っている。
これだけの怪我をするほどのことだったか、分からないけど、殴り合いを始めた時の罵声などが頭に残っていて、今も思い出しただけで鳥肌が立ってくる。
特にチアキさんの素が恐ろしかった…
肝心の結城さんは笑いながら、僕に被害がないようにギリギリのところで彼らをとめてくれた。
ギリギリというのは、僕が半泣きで「2人を止めてくれませんかっ…!」とお願いをするまでのこと。
「…それより、洋服似合ってるよ。少しだけサイズが大きくて、袖から見える指先が特にいいね。」
結城さんは急に話を変えてくる。
そして後の2人も、
「あぁ~、俺もそう思ったっす」など「アタシも思ったわ。」なんて、何事もなかったかのように会話をしている。
よく分からないけど、仲直りしたのかな?
そしてまた、唐突に結城さんは話題を変える。
「そういえば、名前を言ってなかったね。………
…私は結城だよ。」
「俺はさっき言ったよな。言っとくがマキナじゃなく、巻梨だかんな…!」
「アタシはチアキよ。気軽に話しかけてねん!!」
そして3人はじっと僕をみる。
「…えと。ぼ、くは…凛堂って言います。」
僕は姫という名前を言うのが恥ずかしくて苗字しか言えなかった。
下の名前は聞かないで…!
「…ん?下の名前は何っつうんだ?」
ほらきた…マキナさん最低。
「僕の、し…たの名前は…」
3人はまだ、じっと僕を見ている。
「………ひ、姫と言います。」
・・・・・。
「……く…あははは!!!お前姫って言うんか!?男なのに!?くっ…はははっ!!あははは!!」
やっぱ、笑われた。
羞恥がこみ上げる。チアキさんは小声で何か呟いていたが、なにを言っているのか聞こえなかった。
「あらぁ!!いい名前じゃない!!!」
「…うん。私もそう思うよ。いい名だね。」
マキナさん以外の2人は名前を褒めてくれて、チアキさんは頭を撫でて、結城さんは後ろから抱きしめてきた。そう………マキナさん以外は。
は?と驚いていたのは僕よりもマキナさんで、
「いやいや、おかしいだろ!?男なのに姫だぞ!?」
と言うマキナさんに2人は、
「あら、名前に性別なんか関係ないわ。それに人の名前を笑ってるアンタの根性の方がおかしいと思うけど。」
「そうだよマキナ。だってマキナって名前の方がおかしいでしょ?」
「それは俺の名前じゃねぇー!!後おかしくもねぇ!!」
そんな会話をしている時に申し訳ないが、今僕の中での、信頼アンド信用安全メーターのマキナさんのメーターがすごく下がってきている。
おまけに言うと、マキナさんの代わりにチアキさんのメーターがすごく上がっている。
「うっ……ごめんな姫~!!」
今更謝ってきます。遅いです。
「今更謝るだなんて……クズね」
「クズだな。」
「クズですね。」
トドメを刺されたマキナさんが部屋の隅でのの字を書いてブツブツ言っているのは放っておこう。
「…それより、姫ちゃんは何でこんなとこにいんのよ??」
「姫ちゃん?……あ、そうですね。詳しいことは結城さんが分かると思います。」
なんて言ったって途中から記憶がないため説明できない。
チラと結城さんを見ると、結城さんは微笑んで、
「あぁ、それのこと??私が姫を連れてきたのはね、マキナが姫を強姦しようとしてたから助けてあげて、寝てしまったからここに運んだ、と言うわけだよ??」
「ご、ごうかん…?とは何ですか??」
「知らなくていいよ。」
それを話を聞いたチアキさんは、無言で立ち上がり、まだ、部屋の隅でのの字を書いているマキナさんを思い切り蹴った。
「いってぇぇぇえええ!!!???」
何すんだよ!!と抗議するマキナさんにチアキさんは遠慮せずに、
「アンタ、姫ちゃんを強姦しようとしたらしいじゃないの。アタシのことが汚れてるのどうこうよりも。嫌がる相手を強引にシようとするなんて、
最低ね!!!万死に値するわ!!!」
チアキさんは言葉の暴力に、身体的の暴力を浴びせて言った。
結果的にマキナさんは僕に、
「ずびばぜん…もうじわげありまぜん。」
とボロボロになって土下座して謝りました。
そんなに気にしてないんですけどね。
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