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闘技祭 決戦編
獣人国と王国の決闘騒ぎ
『お待たせしました!!試合場の修復が完了しましたので、これより予選試合第三回戦を始めます!!おおっと、北門から選手の入場です!!呼ばれる前に現れるとは無粋ですね~』
「はははっ……手厳しいな」
『うおおおおおっ!!』
ミドルが試合場に現れた途端、観客席の中から歓声が上がる。大将軍の中でも最古参であり、最も功績を積み重ねたミドルの知名度は高く、彼は槍を掲げながら笑顔を浮かべる。その様子を観客席の王族達も確認し、タイガはつまらなそうに鼻を鳴らす。
「ふん……あの若造が偉くなったものだな」
「どうしたビストよ?あのミドルという者に何か恨みがあるのか?」
「ほっほっほっ……そういえばお主は知らんかったのう。数年前に獣人国と王国の領地の境目に良質な魔石が発掘される鉱山が発見された事は知っておるか?」
「うむ。その話なら聞いた事はあるぞ。確か、両国の間で鉱山の所有権を巡って随分と争っていたそうだな」
「そうじゃのう。あの時は本当に大変だったぞ」
――数年前、二つの国家の領地の境目に存在した鉱山から良質な魔石が発掘される事が判明し、獣人国とバルトロス王国は鉱山が自分達の国の領地だと言い争う。この鉱山を巡って何度も使者のやり取りが行われ、遂には国王同士が直接対面して話し合う事となり、一時期は戦争に発展仕掛ける程に大きな問題になった。
しかし、この問題を解決したのは王妃であり、彼女はある提案を行う。このまま言い争っていても埒が明かず、この際に両国の間で賭けを行うように提案した。
『鉱山の所有権を賭けて両国同士の将軍を戦わせるのはどうでしょうか?勝利した側の国に鉱山の所有権を得られるという内容でお互いの国の代表を勝負させましょう』
この王妃の提案は当然だが反対する人間も多かった。国家の大事を賭け事で解決するなど何事かと憤慨する者も居たが、真っ先にビスト国王は彼女の提案に賛成する。
『我が国は武力国家だ。これまでにどんな問題も武力で解決してきたではないか、ならば我が国最強の将軍を送り込み、勝負に打ち勝って堂々と鉱山を手に入れようではないか!!』
武人気質が多い獣人族の中でも国王は特に自分の国の武力を過信しており、王国の将軍如きに自分達の国の将軍が敗れるはずがないと思い込んでいた。そして両国の間で前代未聞の鉱山を賭けた決闘が行われ、勝負内容は国の代表同士が戦い、武器の制限は無し、相手を戦闘不能に追い込んだ時点で勝利する規則で開始された。
「あの時の勝負は未だに忘れられんのう。正直、妻が何を言い出すのかと思ったが、結果的には大きな被害を生まずに鉱山を手に入れられた」
「ほう、という事は王国が勝利したのか?それは凄いのう」
「ふんっ……俺はあの勝負、完全には納得していないぞ!!」
「そう怒るでない。規則通りに負けた事は事実じゃろう?」
「試合には負けたが、勝負には負けてなどいない!!そもそもあの試合自体が我が国に不利な条件ではなかったか!!」
「一体どうしたというのじゃ?何が起きた?」
ビストの怒り様にデブリは不思議に思い、両国で行われた決闘試合がどのような結果に終わったのかを問い質すと、グガンが楽し気に答える。
「実は儂も決闘の立会人として試合を見ていてな、あの時は本当に大変だったぞ」
「ほう、お主も関わっていたのか。それでどのような試合内容だったのだ?」
「うむ。勝負をしたのは今、試合場にいるミドルという若者と獣人国の先代の将軍のレオじゃ。お主も名前ぐらいは知っておるだろう?」
「うむ」
先の試合で敗れたタイガが将軍を務める前、獅子王の渾名を持つレオという人間が将軍を務めていた事はデブリも知っている。レオの武勇はヨツバ王国にも伝わるほどだが、ある時に急に引退してタイガに将軍の位を譲ったと聞いていた。
「レオとミドルの試合は凄まじかったぞ。両者は一進一退の攻防を繰り広げ、1時間にも渡る激戦を繰り広げた」
「それは凄いな。だが、勝ったのはミドルなのだろう?」
「いや、実は勝負の最中にレオの武器が破壊されたのだ。すぐに獣人国側は新しい武器を用意しようとしたが、その時にあの王妃が異議を申し立てたのだ。武器を失った時点でレオは戦闘不能、実戦ならば殺されていたとな」
「なんと……」
両者の実力は伯仲していたが、武器の性能はミドルが上回り、最終的にはレオの武器を破壊した。だからこそ王妃はこれが実戦ならば武器を失ったレオの敗北だと主張し、ミドルの勝利を宣言する。
「当然、獣人国は激怒したがな。しかし、事前に交わした規則通りに則れば王国側の言い分は正しい。だからこそ立会人の儂も王国側の勝利を認めた」
「何が勝利を認めただっ!!貴様等と王国が裏で繋がっていたのは知っておるぞ!!鉱山から回収される魔石の三割を巨人国に流すように裏取引していたのだろう!?」
「それを言ったらお主の国も一割だけを流す取引を結ぼうとしたではないか。国を想う者ならば当然より国家を豊かにする選択を選ぶのは当たり前ではないかのう?」
「貴様……!!先に取引を持ち掛けてきたのはお主だろう!!」
「いい加減にせんか!!そんな話を堂々とこんな場所でするんじゃない!!」
「そうだぞ。今はゆっくりと試合を楽しもうではないか。はっはっはっ……」
取っ組み合いの喧嘩に発展しそうになったビストとグガンを慌ててデブリは引き留め、そんな彼等を見てバルトロス13世は呑気そうな笑い声を上げる。そんな彼の姿に3人は心底呆れてしまい、これが国を治める人間なのかと嘆く。
※最弱職の方の若かりし頃のデブリと比べたらは今のデブリは苦労してますね……(;´・ω・)カワイソウニ
「はははっ……手厳しいな」
『うおおおおおっ!!』
ミドルが試合場に現れた途端、観客席の中から歓声が上がる。大将軍の中でも最古参であり、最も功績を積み重ねたミドルの知名度は高く、彼は槍を掲げながら笑顔を浮かべる。その様子を観客席の王族達も確認し、タイガはつまらなそうに鼻を鳴らす。
「ふん……あの若造が偉くなったものだな」
「どうしたビストよ?あのミドルという者に何か恨みがあるのか?」
「ほっほっほっ……そういえばお主は知らんかったのう。数年前に獣人国と王国の領地の境目に良質な魔石が発掘される鉱山が発見された事は知っておるか?」
「うむ。その話なら聞いた事はあるぞ。確か、両国の間で鉱山の所有権を巡って随分と争っていたそうだな」
「そうじゃのう。あの時は本当に大変だったぞ」
――数年前、二つの国家の領地の境目に存在した鉱山から良質な魔石が発掘される事が判明し、獣人国とバルトロス王国は鉱山が自分達の国の領地だと言い争う。この鉱山を巡って何度も使者のやり取りが行われ、遂には国王同士が直接対面して話し合う事となり、一時期は戦争に発展仕掛ける程に大きな問題になった。
しかし、この問題を解決したのは王妃であり、彼女はある提案を行う。このまま言い争っていても埒が明かず、この際に両国の間で賭けを行うように提案した。
『鉱山の所有権を賭けて両国同士の将軍を戦わせるのはどうでしょうか?勝利した側の国に鉱山の所有権を得られるという内容でお互いの国の代表を勝負させましょう』
この王妃の提案は当然だが反対する人間も多かった。国家の大事を賭け事で解決するなど何事かと憤慨する者も居たが、真っ先にビスト国王は彼女の提案に賛成する。
『我が国は武力国家だ。これまでにどんな問題も武力で解決してきたではないか、ならば我が国最強の将軍を送り込み、勝負に打ち勝って堂々と鉱山を手に入れようではないか!!』
武人気質が多い獣人族の中でも国王は特に自分の国の武力を過信しており、王国の将軍如きに自分達の国の将軍が敗れるはずがないと思い込んでいた。そして両国の間で前代未聞の鉱山を賭けた決闘が行われ、勝負内容は国の代表同士が戦い、武器の制限は無し、相手を戦闘不能に追い込んだ時点で勝利する規則で開始された。
「あの時の勝負は未だに忘れられんのう。正直、妻が何を言い出すのかと思ったが、結果的には大きな被害を生まずに鉱山を手に入れられた」
「ほう、という事は王国が勝利したのか?それは凄いのう」
「ふんっ……俺はあの勝負、完全には納得していないぞ!!」
「そう怒るでない。規則通りに負けた事は事実じゃろう?」
「試合には負けたが、勝負には負けてなどいない!!そもそもあの試合自体が我が国に不利な条件ではなかったか!!」
「一体どうしたというのじゃ?何が起きた?」
ビストの怒り様にデブリは不思議に思い、両国で行われた決闘試合がどのような結果に終わったのかを問い質すと、グガンが楽し気に答える。
「実は儂も決闘の立会人として試合を見ていてな、あの時は本当に大変だったぞ」
「ほう、お主も関わっていたのか。それでどのような試合内容だったのだ?」
「うむ。勝負をしたのは今、試合場にいるミドルという若者と獣人国の先代の将軍のレオじゃ。お主も名前ぐらいは知っておるだろう?」
「うむ」
先の試合で敗れたタイガが将軍を務める前、獅子王の渾名を持つレオという人間が将軍を務めていた事はデブリも知っている。レオの武勇はヨツバ王国にも伝わるほどだが、ある時に急に引退してタイガに将軍の位を譲ったと聞いていた。
「レオとミドルの試合は凄まじかったぞ。両者は一進一退の攻防を繰り広げ、1時間にも渡る激戦を繰り広げた」
「それは凄いな。だが、勝ったのはミドルなのだろう?」
「いや、実は勝負の最中にレオの武器が破壊されたのだ。すぐに獣人国側は新しい武器を用意しようとしたが、その時にあの王妃が異議を申し立てたのだ。武器を失った時点でレオは戦闘不能、実戦ならば殺されていたとな」
「なんと……」
両者の実力は伯仲していたが、武器の性能はミドルが上回り、最終的にはレオの武器を破壊した。だからこそ王妃はこれが実戦ならば武器を失ったレオの敗北だと主張し、ミドルの勝利を宣言する。
「当然、獣人国は激怒したがな。しかし、事前に交わした規則通りに則れば王国側の言い分は正しい。だからこそ立会人の儂も王国側の勝利を認めた」
「何が勝利を認めただっ!!貴様等と王国が裏で繋がっていたのは知っておるぞ!!鉱山から回収される魔石の三割を巨人国に流すように裏取引していたのだろう!?」
「それを言ったらお主の国も一割だけを流す取引を結ぼうとしたではないか。国を想う者ならば当然より国家を豊かにする選択を選ぶのは当たり前ではないかのう?」
「貴様……!!先に取引を持ち掛けてきたのはお主だろう!!」
「いい加減にせんか!!そんな話を堂々とこんな場所でするんじゃない!!」
「そうだぞ。今はゆっくりと試合を楽しもうではないか。はっはっはっ……」
取っ組み合いの喧嘩に発展しそうになったビストとグガンを慌ててデブリは引き留め、そんな彼等を見てバルトロス13世は呑気そうな笑い声を上げる。そんな彼の姿に3人は心底呆れてしまい、これが国を治める人間なのかと嘆く。
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