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闘技祭 決戦編
白々しい演技
「この手紙……もしや、偽手紙でござるか!?」
「えっ!?レナたんが書いてくれたんじゃないの!?」
「ええっ!?兄貴が書いたんじゃないんすか!?でも、この手紙を届けてきてくれたのは間違いなく氷雨の冒険者の方ですよ!?」
ハンゾウの言葉にティナとエリナは驚き、二人の話によると手紙を渡してきたのは氷雨の冒険者らしい。ヨツバ王国と氷雨は同盟を結んでおり、だからこそ手紙を持ち込んできたのが氷雨の冒険者である事からエリナもティナも本当にレナからの手紙だと信じ切っていた。実際に手紙の筆跡はレナの物と全く同じだったのでティナも疑いもせずにエリナを連れ出して抜け出してきたのだが、レナ自身は当然手紙を書いた覚えはない。
「ティナに手紙を出したのはどんな人?」
「えっと……確かに顔は見覚えがあるっす!!前に腐敗竜との戦闘で一緒に戦ってくれた人だったんで間違いなく氷雨の冒険者で間違いはないはずなんですけど……」
「という事は氷雨の人間の中に裏切者がいるのでござるな」
「あんまり驚かないね」
「予想はしていたでござる。しかし、よく二人は抜け出したでござるな」
「あ、うん。精霊さんの力を使ってここまで来たんだよ」
「精霊……風の精霊?」
「そうっす。兄貴にも見せましたよね?」
皆の前でエリナは掌を差し出すと彼女の手元に緑色の光の球体が出現し、彼女の周囲を円を描くように移動を行う。しかし、その光景にハンゾウは眉を顰め、普通の人間(?)である彼女には精霊は目視できない。
「何かしたのでござるか?妙な気配は感じるでござるが……」
「おお、凄いっすね!!気配だけでも精霊を感じ取れる人なんて滅多にいませんよ」
「私は薄っすらと見える」
「あ、そういえばコトミンは水の精霊魔法を使えたっけ」
人魚族であるコトミンも精霊を認識する事が可能らしく、彼女は風の精霊に掌を差し出すとレナの時と違い、精霊は逃れずに掌に収まる。この精霊を利用すれば魔法の力を強化したり、あるいは風の力を利用して遠方に存在する人間の話声を聞くことが出来る。この精霊の力を利用し、エリナは苦労してヨツバ王国の護衛を出し抜いてティナをここまで連れ出したという。
「エリナ……護衛を任されている人間が護衛対象を連れ出してどうするのさ」
「いや、面目ないっす。姫様がどうしても兄貴に会いたいって聞かないんですよ」
「え~だってこの間はゆっくりと話せなかったし、ウル君達とも会いたかったし……」
「ウルはここには居ないよ。すぐに皆に戻った方が良いね、このままだと俺達が誘拐犯に仕立て上げられそうだよ」
レナは手紙を握りしめながら溜息を吐き出し、ティナとエリナを誘き寄せたのは王妃側の企みで間違いなく、大方の予想はつく。偽手紙でレナの名前を語ってティナを呼び出し、誘拐犯に仕立て上げて捕まえようとしているのだろう。別に兵士如きに捕まるレナではないが、重要なのはヨツバ王国と氷雨の同盟関係に亀裂が生じる可能性が高い。
(早いうちにティナを王国の人達の所に戻さないと……そういえば他の王族は何処で観戦しているんだろう?)
各国の国王は観客席で姿を見かけたが、その他の王族関係者の姿は見ておらず、レナはティナに王族達が何処で試合を観戦しているのかを尋ねる。
「そういえば試合中はティナは何処に居たの?観客席にはいなかったよね?」
「えっとね、私達はこの闘技場の2階にある広間で試合を見てたよ。映像水晶でレナたん達の活躍はばっちり見てたからね!!」
「広間か……そこまで移動するのにどれくらいの時間が掛かる?」
「そんなに遠くはないっすよ。正直、こんな場所で話しているとすぐに見つかるかもしれな……」
「居たぞ!!あそこだ!!」
エリナが言葉を言い終える前に大勢の人間の怒声と足音が通路に響き渡り、全員が視線を向けると武装した兵士達が駆けつけてきた。彼等はティナとレナ達が行動を共にしているのを確認すると、笑みを浮かべて武器を構えた。
「見つけたぞ誘拐犯め!!ティナ王女を解放しろ!!」
「誰が誘拐犯だ。もう少しわざとらしい演技しろよ」
「やはり王妃の罠でござるか!!」
「ちょ、ここで戦うんすか!?いくら何でも不味いんじゃ……」
兵士が武器を構えた瞬間、レナとハンゾウが剣に手を伸ばし、エリナも慌てて弓矢を構えてティナを庇う。既に人払いは済んでいるのか通路には人影は見えず、レナは兵士の数を確認して予想よりも少ない事に疑問を抱く。
「ひいふうみい……全部で15人」
「その程度の人数で拙者達を止められると思っているのでござるか?舐められたものでござる」
「ふんっ!!我々に手を出せば貴様等は犯罪者だ!!即刻逮捕してやる!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!誘拐だなんて誤解だよ!?」
「いいからティナは下がってて……コトミン、ちょっと面倒見てて」
「んっ……頑張って」
非戦闘員のティナをコトミンに任せ、レナは両拳を叩き合わせながら兵士達と向かい合う。
「えっ!?レナたんが書いてくれたんじゃないの!?」
「ええっ!?兄貴が書いたんじゃないんすか!?でも、この手紙を届けてきてくれたのは間違いなく氷雨の冒険者の方ですよ!?」
ハンゾウの言葉にティナとエリナは驚き、二人の話によると手紙を渡してきたのは氷雨の冒険者らしい。ヨツバ王国と氷雨は同盟を結んでおり、だからこそ手紙を持ち込んできたのが氷雨の冒険者である事からエリナもティナも本当にレナからの手紙だと信じ切っていた。実際に手紙の筆跡はレナの物と全く同じだったのでティナも疑いもせずにエリナを連れ出して抜け出してきたのだが、レナ自身は当然手紙を書いた覚えはない。
「ティナに手紙を出したのはどんな人?」
「えっと……確かに顔は見覚えがあるっす!!前に腐敗竜との戦闘で一緒に戦ってくれた人だったんで間違いなく氷雨の冒険者で間違いはないはずなんですけど……」
「という事は氷雨の人間の中に裏切者がいるのでござるな」
「あんまり驚かないね」
「予想はしていたでござる。しかし、よく二人は抜け出したでござるな」
「あ、うん。精霊さんの力を使ってここまで来たんだよ」
「精霊……風の精霊?」
「そうっす。兄貴にも見せましたよね?」
皆の前でエリナは掌を差し出すと彼女の手元に緑色の光の球体が出現し、彼女の周囲を円を描くように移動を行う。しかし、その光景にハンゾウは眉を顰め、普通の人間(?)である彼女には精霊は目視できない。
「何かしたのでござるか?妙な気配は感じるでござるが……」
「おお、凄いっすね!!気配だけでも精霊を感じ取れる人なんて滅多にいませんよ」
「私は薄っすらと見える」
「あ、そういえばコトミンは水の精霊魔法を使えたっけ」
人魚族であるコトミンも精霊を認識する事が可能らしく、彼女は風の精霊に掌を差し出すとレナの時と違い、精霊は逃れずに掌に収まる。この精霊を利用すれば魔法の力を強化したり、あるいは風の力を利用して遠方に存在する人間の話声を聞くことが出来る。この精霊の力を利用し、エリナは苦労してヨツバ王国の護衛を出し抜いてティナをここまで連れ出したという。
「エリナ……護衛を任されている人間が護衛対象を連れ出してどうするのさ」
「いや、面目ないっす。姫様がどうしても兄貴に会いたいって聞かないんですよ」
「え~だってこの間はゆっくりと話せなかったし、ウル君達とも会いたかったし……」
「ウルはここには居ないよ。すぐに皆に戻った方が良いね、このままだと俺達が誘拐犯に仕立て上げられそうだよ」
レナは手紙を握りしめながら溜息を吐き出し、ティナとエリナを誘き寄せたのは王妃側の企みで間違いなく、大方の予想はつく。偽手紙でレナの名前を語ってティナを呼び出し、誘拐犯に仕立て上げて捕まえようとしているのだろう。別に兵士如きに捕まるレナではないが、重要なのはヨツバ王国と氷雨の同盟関係に亀裂が生じる可能性が高い。
(早いうちにティナを王国の人達の所に戻さないと……そういえば他の王族は何処で観戦しているんだろう?)
各国の国王は観客席で姿を見かけたが、その他の王族関係者の姿は見ておらず、レナはティナに王族達が何処で試合を観戦しているのかを尋ねる。
「そういえば試合中はティナは何処に居たの?観客席にはいなかったよね?」
「えっとね、私達はこの闘技場の2階にある広間で試合を見てたよ。映像水晶でレナたん達の活躍はばっちり見てたからね!!」
「広間か……そこまで移動するのにどれくらいの時間が掛かる?」
「そんなに遠くはないっすよ。正直、こんな場所で話しているとすぐに見つかるかもしれな……」
「居たぞ!!あそこだ!!」
エリナが言葉を言い終える前に大勢の人間の怒声と足音が通路に響き渡り、全員が視線を向けると武装した兵士達が駆けつけてきた。彼等はティナとレナ達が行動を共にしているのを確認すると、笑みを浮かべて武器を構えた。
「見つけたぞ誘拐犯め!!ティナ王女を解放しろ!!」
「誰が誘拐犯だ。もう少しわざとらしい演技しろよ」
「やはり王妃の罠でござるか!!」
「ちょ、ここで戦うんすか!?いくら何でも不味いんじゃ……」
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「ふんっ!!我々に手を出せば貴様等は犯罪者だ!!即刻逮捕してやる!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!誘拐だなんて誤解だよ!?」
「いいからティナは下がってて……コトミン、ちょっと面倒見てて」
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