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最終章 王国編
全てを出し切れ
「う、おおおおおっ!!」
「何をっ!?」
「この光は……!?」
「うわぁっ!?」
咆哮を放ちながらレナは退魔刀に「物質変換」の能力を発動させ、莫大な魔力と引き換えに退魔刀を別の武器へと変化させる。注ぎ込まれる魔力によって物質の構造が作り替えられ、刀身に金色の電流が迸る。その光景を目撃したミドルたちは一瞬だけ視界を奪われ、その隙を逃さずにレナは片手のみの状態で大剣を振り翳す。
――レナの手元に握りしめられた退魔刀の刀身は「カラドボルグ」と同じ材質の金属に変換され、更に刃の部分に嵌め込まれていた七つの魔水晶を「雷光石」と呼ばれるカラドボルグの力の源である魔石へと変換させた。大剣の形状を維持したまま聖剣へと作り替えられた退魔刀、それはつまりこの世には本来存在しないはずの二つ目の聖剣をレナは作り出した。
過去に一度だけ聖剣を能力で生み出した事はあるが、その時は身体に大きな負担を掛けた事でアイリスから二度と同じ真似をしないように忠告されていたが、どうしてもミドルに勝つためにはレナは全ての能力を使用する必要があると判断して全力の一撃を繰り出す。
「喰らえっ……ミドルッ!!」
「っ……!?」
大剣型のカラドボルグと変化させた退魔刀をレナが振り下ろした瞬間、刀身から雷光が放たれ、ロンギヌスを構えるミドルに放たれた。咄嗟にミドルはロンギヌスの能力を利用して雷光を吸収しようとしたが、七つの雷光石から放たれた雷撃の威力は本物のカラドボルグの雷撃さえも上回っていた。
「うおおおおおおっ……!?」
「はああああああっ!!」
ロンギヌスを構えた状態でミドルは雷撃を受け止めようとしたが、あまりにも膨大な雷の魔力を吸収しきれず、ミドルの肉体が電撃によって飲み込まれる。その直後に城壁を破壊して雷撃が城外まで放たれ、建物全体に振動が走る。時間経過によって物質変換の能力が切れた事で退魔刀は元の大剣に戻るが、装着されていた魔石に関しては酷使した影響か砕け散ってしまい、残されたのは大量の魔力を消耗して疲労困憊のレナだけだった。
「はあっ……はっ、これでも……まだ足りないのか……!?」
「ぐうっ……い、今のは……流石に駄目かと思ったよ」
「う、嘘だろ……あの一撃を受けて、何で生きてるんだよ!?」
膝を付いたレナの前には全身に煙を放ちながら槍を床に突き刺して立ち尽くすミドルの姿があり、身体中に火傷を負いながらもミドルは死なず、電流を迸るロンギヌスを握り締めながらレナへ構えようとした。その光景にダインは唖然とした表情を浮かべ、イレアビトでさえもミドルの生命力には目を見張る。
「ミドル……まだ戦えるの?」
「王妃様……ご安心ください、この命ある限り……貴方だけは守って見せましょう」
「くそっ……!!」
「れ、レナ!!すぐに助けに……うわぁっ!?」
「邪魔を、するなっ……!!」
レナを救うためにダインが駆けつけようとした途端、ミドルは槍を振り翳して刃先から電撃を放ち、ダインの足元を焼き焦がす。重症を負いながらもまだ余力を残すミドルにダインは背筋が凍り、同時にレナも負傷した肩を「回復超強化」の魔法でどうにか腕が動かせる程度にまで回復させる。
「くっ……」
「今のは、驚かされたよ……だが、これで僕の勝ちだ……!!」
カラドボルグの雷撃を吸収した事でロンギヌスの槍は電流を帯び、ミドルはレナに向けて刃先を構える。その光景にレナは視界が揺らぎながらも退魔刀を片手で構え、この状況を打破する方法を探す。残された魔力は少なく、もう一度聖剣を作り出して攻撃をする事は出来ない。
(ここまでか……いや、違う。諦めるな……まだ、手は残っている!!)
レナはミドルが攻撃を仕掛ける前に空間魔法を発動させ、どうにか動かせる程に回復させた腕を利用して異空間から武器を取り出す。
「これで……終わりだっ!!」
「終わるかぁっ!!」
ロンギヌスの刃先から電撃が放たれた瞬間、咄嗟にレナは異空間から神器「チェーン」を取り出し、前方に向けて放り出す。その結果、放たれた銀色の鎖に雷撃が衝突した事で電流が帯電し、周囲に放電現象を引き起こす。
「なっ!?」
「うわぁっ!?」
「くっ……!?」
普通の鎖ならば雷撃に耐え切れずに焼き尽くされていただろうが、神器チェーンは魔法の伝達性に特化した金属で構成されているため、ロンギヌスから放たれた雷撃を吸収すると同時に外部へと放出する。その結果、無差別に電流が周囲に拡散し、慌ててイレアビトとダインは距離を取る。
玉座の間全体に金色の電流が迸る中、レナは異空間から「聖剣レーヴァティン」を取り出し、右手に退魔刀、左手にレーヴァティンを構えてミドルの元へ向かう。その様子に気付いたミドルはロンギヌスから雷撃を放出するのを中断し、迫りくるレナに向けて槍を振りはらう。
「このっ!!」
「当たるかぁっ!!」
「ぐふっ!?」
体勢を屈めて槍を回避したレナはレーヴァティンを振り翳してミドルの腹部に突き刺し、そのまま退魔刀を振りぬいて胴体を切り裂こうとしたが、咄嗟にミドルは右足でレナの顎を蹴り飛ばす。
「がああっ!!」
「ぐふっ!?」
勢い良く蹴り飛ばされれたレナは床に倒れ、ミドルは腹部を抑えながら膝を付く。貫通には至らなかったがそれでも致命傷には変わりはなく、どちらも血反吐を吐きながら立ち上がる。土竜との決戦の時にミドルは驚異的な回復力で傷を治したが、あれはレベルの急激な上昇によって成長痛が引き起こした現象のため、現在の彼は傷を自力で治す事は出来ない。
「げほっ……くそ、口切った」
「顎を完全に砕くつもりで蹴ったんだが……魔術師とは思えない程に頑丈だね」
「赤ん坊の頃から鍛えてるからな……実際、頑丈のスキルも覚えたのは赤ん坊の頃だし」
二人は起き上がるとお互いを睨み合い、次の一撃で相手を仕留めるために最後の力を振り絞る。ミドルは槍を中段に構え、レナはレーヴァティンを手放して退魔刀を両手で構えた。
「これが最後だ……言い残す言葉はあるかい?」
「……あんたの事は忘れないよ」
「いい返答だ……来いっ!!」
ミドルは自分から動くつもりはないらしく、槍を構えたまま浮かずに迎撃の体勢を保つ。そんな彼に対してレナはカイの教えを思い返し、何も考えずに全力の一撃を繰り出すために退魔刀を握り締める。イレアビトもダインも二人の緊張感を感じ取り、どちらも手を出さずに成り行きを見守る。
――玉座の間に静寂が訪れ、最初に動いたのは当然レナだった。両手で握り閉めた退魔刀を振り翳し、残された全ての体力、魔力を費やして渾身の一撃を繰り出すために「瞬動術」を発動して正面から接近する。まるで弾丸を想像させる速度で迫りくるレナに対し、ミドルも目を見開いて槍を放つ。
「――一刀両断」
「――刺突・閃!!」
正面からレナは退魔刀を振り下ろし、ミドルは槍を突き出す。その結果、ロンギヌスの刃先とレナの退魔刀の刀身が衝突し、これまでで一番激しい金属音と衝撃波が生まれた。
「ああああっ――!!」
「おおおおっ――!!」
お互いの全力を込めて繰り出した一撃が交わり、退魔刀の刀身に亀裂が生じた。だが、それでもレナは力を緩めず、力を振り絞る。その結果、ロンギヌスの刃先が徐々に震え、やがて力負けして槍が弾かれた。
「だああっ!!」
「ぐあっ……!?」
ロンギヌスが弾かれた瞬間、ミドルは大きく体勢を崩し、そのまま前進したレナの退魔刀の刃がミドルの身体に食い込み、肉体を斬り裂いた――
「何をっ!?」
「この光は……!?」
「うわぁっ!?」
咆哮を放ちながらレナは退魔刀に「物質変換」の能力を発動させ、莫大な魔力と引き換えに退魔刀を別の武器へと変化させる。注ぎ込まれる魔力によって物質の構造が作り替えられ、刀身に金色の電流が迸る。その光景を目撃したミドルたちは一瞬だけ視界を奪われ、その隙を逃さずにレナは片手のみの状態で大剣を振り翳す。
――レナの手元に握りしめられた退魔刀の刀身は「カラドボルグ」と同じ材質の金属に変換され、更に刃の部分に嵌め込まれていた七つの魔水晶を「雷光石」と呼ばれるカラドボルグの力の源である魔石へと変換させた。大剣の形状を維持したまま聖剣へと作り替えられた退魔刀、それはつまりこの世には本来存在しないはずの二つ目の聖剣をレナは作り出した。
過去に一度だけ聖剣を能力で生み出した事はあるが、その時は身体に大きな負担を掛けた事でアイリスから二度と同じ真似をしないように忠告されていたが、どうしてもミドルに勝つためにはレナは全ての能力を使用する必要があると判断して全力の一撃を繰り出す。
「喰らえっ……ミドルッ!!」
「っ……!?」
大剣型のカラドボルグと変化させた退魔刀をレナが振り下ろした瞬間、刀身から雷光が放たれ、ロンギヌスを構えるミドルに放たれた。咄嗟にミドルはロンギヌスの能力を利用して雷光を吸収しようとしたが、七つの雷光石から放たれた雷撃の威力は本物のカラドボルグの雷撃さえも上回っていた。
「うおおおおおおっ……!?」
「はああああああっ!!」
ロンギヌスを構えた状態でミドルは雷撃を受け止めようとしたが、あまりにも膨大な雷の魔力を吸収しきれず、ミドルの肉体が電撃によって飲み込まれる。その直後に城壁を破壊して雷撃が城外まで放たれ、建物全体に振動が走る。時間経過によって物質変換の能力が切れた事で退魔刀は元の大剣に戻るが、装着されていた魔石に関しては酷使した影響か砕け散ってしまい、残されたのは大量の魔力を消耗して疲労困憊のレナだけだった。
「はあっ……はっ、これでも……まだ足りないのか……!?」
「ぐうっ……い、今のは……流石に駄目かと思ったよ」
「う、嘘だろ……あの一撃を受けて、何で生きてるんだよ!?」
膝を付いたレナの前には全身に煙を放ちながら槍を床に突き刺して立ち尽くすミドルの姿があり、身体中に火傷を負いながらもミドルは死なず、電流を迸るロンギヌスを握り締めながらレナへ構えようとした。その光景にダインは唖然とした表情を浮かべ、イレアビトでさえもミドルの生命力には目を見張る。
「ミドル……まだ戦えるの?」
「王妃様……ご安心ください、この命ある限り……貴方だけは守って見せましょう」
「くそっ……!!」
「れ、レナ!!すぐに助けに……うわぁっ!?」
「邪魔を、するなっ……!!」
レナを救うためにダインが駆けつけようとした途端、ミドルは槍を振り翳して刃先から電撃を放ち、ダインの足元を焼き焦がす。重症を負いながらもまだ余力を残すミドルにダインは背筋が凍り、同時にレナも負傷した肩を「回復超強化」の魔法でどうにか腕が動かせる程度にまで回復させる。
「くっ……」
「今のは、驚かされたよ……だが、これで僕の勝ちだ……!!」
カラドボルグの雷撃を吸収した事でロンギヌスの槍は電流を帯び、ミドルはレナに向けて刃先を構える。その光景にレナは視界が揺らぎながらも退魔刀を片手で構え、この状況を打破する方法を探す。残された魔力は少なく、もう一度聖剣を作り出して攻撃をする事は出来ない。
(ここまでか……いや、違う。諦めるな……まだ、手は残っている!!)
レナはミドルが攻撃を仕掛ける前に空間魔法を発動させ、どうにか動かせる程に回復させた腕を利用して異空間から武器を取り出す。
「これで……終わりだっ!!」
「終わるかぁっ!!」
ロンギヌスの刃先から電撃が放たれた瞬間、咄嗟にレナは異空間から神器「チェーン」を取り出し、前方に向けて放り出す。その結果、放たれた銀色の鎖に雷撃が衝突した事で電流が帯電し、周囲に放電現象を引き起こす。
「なっ!?」
「うわぁっ!?」
「くっ……!?」
普通の鎖ならば雷撃に耐え切れずに焼き尽くされていただろうが、神器チェーンは魔法の伝達性に特化した金属で構成されているため、ロンギヌスから放たれた雷撃を吸収すると同時に外部へと放出する。その結果、無差別に電流が周囲に拡散し、慌ててイレアビトとダインは距離を取る。
玉座の間全体に金色の電流が迸る中、レナは異空間から「聖剣レーヴァティン」を取り出し、右手に退魔刀、左手にレーヴァティンを構えてミドルの元へ向かう。その様子に気付いたミドルはロンギヌスから雷撃を放出するのを中断し、迫りくるレナに向けて槍を振りはらう。
「このっ!!」
「当たるかぁっ!!」
「ぐふっ!?」
体勢を屈めて槍を回避したレナはレーヴァティンを振り翳してミドルの腹部に突き刺し、そのまま退魔刀を振りぬいて胴体を切り裂こうとしたが、咄嗟にミドルは右足でレナの顎を蹴り飛ばす。
「がああっ!!」
「ぐふっ!?」
勢い良く蹴り飛ばされれたレナは床に倒れ、ミドルは腹部を抑えながら膝を付く。貫通には至らなかったがそれでも致命傷には変わりはなく、どちらも血反吐を吐きながら立ち上がる。土竜との決戦の時にミドルは驚異的な回復力で傷を治したが、あれはレベルの急激な上昇によって成長痛が引き起こした現象のため、現在の彼は傷を自力で治す事は出来ない。
「げほっ……くそ、口切った」
「顎を完全に砕くつもりで蹴ったんだが……魔術師とは思えない程に頑丈だね」
「赤ん坊の頃から鍛えてるからな……実際、頑丈のスキルも覚えたのは赤ん坊の頃だし」
二人は起き上がるとお互いを睨み合い、次の一撃で相手を仕留めるために最後の力を振り絞る。ミドルは槍を中段に構え、レナはレーヴァティンを手放して退魔刀を両手で構えた。
「これが最後だ……言い残す言葉はあるかい?」
「……あんたの事は忘れないよ」
「いい返答だ……来いっ!!」
ミドルは自分から動くつもりはないらしく、槍を構えたまま浮かずに迎撃の体勢を保つ。そんな彼に対してレナはカイの教えを思い返し、何も考えずに全力の一撃を繰り出すために退魔刀を握り締める。イレアビトもダインも二人の緊張感を感じ取り、どちらも手を出さずに成り行きを見守る。
――玉座の間に静寂が訪れ、最初に動いたのは当然レナだった。両手で握り閉めた退魔刀を振り翳し、残された全ての体力、魔力を費やして渾身の一撃を繰り出すために「瞬動術」を発動して正面から接近する。まるで弾丸を想像させる速度で迫りくるレナに対し、ミドルも目を見開いて槍を放つ。
「――一刀両断」
「――刺突・閃!!」
正面からレナは退魔刀を振り下ろし、ミドルは槍を突き出す。その結果、ロンギヌスの刃先とレナの退魔刀の刀身が衝突し、これまでで一番激しい金属音と衝撃波が生まれた。
「ああああっ――!!」
「おおおおっ――!!」
お互いの全力を込めて繰り出した一撃が交わり、退魔刀の刀身に亀裂が生じた。だが、それでもレナは力を緩めず、力を振り絞る。その結果、ロンギヌスの刃先が徐々に震え、やがて力負けして槍が弾かれた。
「だああっ!!」
「ぐあっ……!?」
ロンギヌスが弾かれた瞬間、ミドルは大きく体勢を崩し、そのまま前進したレナの退魔刀の刃がミドルの身体に食い込み、肉体を斬り裂いた――
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