不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 本選編

圧倒的な戦力差

「生憎とミナの身体の虫はもう取り除いてある。どうして彼女を狙った?」
「何だと!?嘘を……いや、嘘は吐いていないようだな、ちっ!!」
「兄上、もう止めるでござる!!どうしてイレアビトなどに魂を売ったのでござるか!!」
「うるせえ、お前とカゲマルに俺を責める権利はねえ……お前等だって自分の国の将軍ではなく、別の奴に仕えているだろうが?」
「そ、それは……」


サスケの言葉にハンゾウは咄嗟に言い返す事は出来ず、確かに彼女はハンゾウの言う通りにヨシテルではなく、マリアに仕える事を選択した。しかし、それでもイレアビトの凶行を知っている彼女からすればサスケが彼女に仕えていた事に動揺を隠せない。


「兄上はどうしてイレアビトに忠誠を誓ったのでござる!!」
「俺があの人に忠誠を誓った理由?そんな物、決まっているだろうが……忍びとして生まれたからには最高の主君に仕える、そして俺にとっての最高の主君はあの人以外にいなかった。ただ、それだけの話だ」
「説得しても無駄そうだな……下がってろ、ハンゾウ」


レナはサスケの言葉をため息を吐き出し、彼もイレアビトが育てていた子供達のようにイレアビトに心酔していた。そんな相手にどんな言葉で言い包めようと無意味だと判断したレナは退魔刀を構える。

その一方でサスケはレナが前に出てきた事に笑みを浮かべ、彼としては都合が良かった。仇が自ら出向いてきた事にサスケは大人しくしていられず、彼は複数の薬瓶を取り出すとレナに向けて投げつけた。


「喰らいやがれっ!!」
「……いるか、こんな物」
「ぬあっ!?」


投げつけられた薬瓶の液体の色を確認して毒物の類だと判断したレナは、呆れた表情を浮かべながらも全ての薬瓶を片手で掴み取り、逆にサスケに向けて投げ返す。恐ろしい反射神経で自分が放った薬瓶を投げ返してきた事にサスケは驚くが、咄嗟に彼は投げつけられた薬瓶に向けて蹴りを放つ。


「ちっ……連脚!!」


彼は投げつけられた薬瓶に対して右足を放ち、足刀で全ての薬瓶を破壊する。その結果、液体が飛び散ると煙と変化して通路内に広がり、それを確認したハンゾウが注意を行う。


「レナ殿!!その煙を吸い込んではまずいでござる!!」
「問題ない」


通路に広がろうとする煙に対してレナは風の聖痕を発動させ、通路内に強風を発生させると、煙を押し飛ばす。しかし、煙を掻き消すといつの間にかサスケが消えている事が判明し、何処に消えたのかとレナは顔を見渡すと、ここでミドル人形が動き出す。


『やれ!!』
「……はあっ」


何処からかサスケの声が響き、彼の命令に応じてミドル人形はレナに目掛けて駆け出す。しかし、そんな人形に対してレナは退魔刀を構えると、正面から迫ってきたミドルに向けて刃を振り下ろす。その攻撃に対して人形は反応する事も出来ず、一撃で人形は切り裂かれた。

ハンゾウが苦戦したミドル人形をレナは戦技も使用せずに一撃で破壊すると、直感でレナはサスケが天井に隠れていると判断し、上に顔を向ける。すると、緑影から奪っていたのか「見隠しのマント」で身を隠していたサスケが現れ、レナに向けて短刀を振り下ろす。


「くたばれっ!!」
「笑わせんな」


上から仕掛けてきたサスケに対してレナは無造作に大剣を放つと、サスケは顔面に刃の腹の部分が衝突し、床に倒れ込む。その様子を見てハンゾウは決着が着いたのかと思ったが、ここで彼女は異変に気付く。


「レナ殿、それは人形でござる!?」
「何だって?という事は本物は……」


倒したと思われたサスケだったが、どうやら隠れていたのは彼にそっくりに作り出された人形である事が判明し、退魔刀の一撃を受けて頭部が壊れた人形が床に横たわる。その際にレナは人形に繋がっていた影糸を確認するが、すぐに消えてしまう。


『……化物め、だがこれで終わると思うなよ』
「兄上!!……もう逃げた様でござるな」
「くそっ……厄介な奴に目を付けられたな」


レナは床に倒れた二つの人形に視線を向け、苛立ちを抑えきれずに壁に拳をめり込ませる。その様子を見てハンゾウは消えてしまった兄弟子に対して難ともいえない表情を浮かべた――





――その一方、通路から離れた場所ではサスケは壁に手を押し当てて脂汗を流し、容易く自分の人形を2体も破壊したレナに対して恐怖を抱く。彼を倒すために特製に仕立て上げた人形だったが、圧倒的な戦力差で破壊されてしまった。


「はあっ……くそっ、一筋縄ではいかない相手だと思っていたが、まさかここまでとはな。くそ、あの坊主との戦闘で魔力を使いすぎたのも影響だな」


サスケはダインとの試合を思い返し、予想以上に自分が消耗していた事を知る。ここは一度引き返して体勢を整えるしかなく、通路を立ち去ろうとする。しかし、そんな彼の前に人影が現れると、そこには思いもよらぬ人物が彼の目の前に立っていた。
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