不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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魔人編

屋敷に訪れた者

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――闘技祭が終了した後、壊れた退魔刀とデュランダルの修復のためにレナは錬金術師の能力を使用した後、伝説の鍛冶師ゴイルの世話になった、ゴイルはこの国一番の鍛冶師であり、二人の武器も快く打ち直してくれた。伝説の聖剣とそれに匹敵する武器を直す機会など早々なく、彼はなんと一晩で修理を果たす。


「おう、中々面白い仕事が出来たぜ!!」
「あ、ありがとうございます」
「おおっ、ピカピカではないか!!」
「まあ、修理代は……そうだな、金貨100枚という所だな。がはははっ!!」


レナとゴウライは打ち直して貰った武器を返して貰い、彼にお礼を告げた。当然だが修理代としてはかなりの金額を請求されたが、どちらもS級冒険者であるため金銭面はかなり余裕があった。

武器を修復して貰った後、レナは屋敷に戻ったあとに客が尋ねて来た。その人間の名前を聞いたレナは驚きながらも屋敷の中へ案内させると、彼の前に聖光石のペンダントを掲げたソルが現れた。


「ふっはっはっ!!こうしてちゃんと顔を合わせて話すのは初めてでな、我が子孫よ!!」
「はあ……あの、どちら様でしたっけ?」
「何と!?貴様、先祖の顔を見忘れたのか!!」
「見忘れるも何も知りませんけど……」
「何なんだよこのおっさん……」


昨日はレナの優勝祝いという事で夜遅くまで宴が開かれ、いつもの面子もレナの屋敷に泊まっていた。レナと仲間達はいきなり訪れたソルに戸惑うが、ナオが口を開く。


「……思い出した!!ソルという名前、父上から聞いた事がある!!確か、このバルトロス王国の初代国王の名前だったはず!!」
「初代国王?」
「その通りだ!!やっとわかったか!!」
「……まさか、貴方が自分の事を初代国王だと言い張るつもり?」


ソルはナオの言葉を聞いて満足気に頷くが、それに対してマリアは訝し気な表情を浮かべる。目の前のソルはどう見てもバルトロス王国が建国された時代の人間には見えず、仮に森人族だとしても400年近くも経てば外見に変化は訪れる。少なくともソルの場合は30代前半といったところで非常に若々しかった。

そもそも初代国王は建国後は子供を残して行方不明となっており、暗殺されたという説が上がっていた。だが、ソルは自分は死んではおらず、今日まで生きてきた理由を話す。


「我はとある事情で王都の地下に存在するメドゥーサの魔眼によって石化されていたようだ。気が付いたときには既に外の世界は400年も経過していて驚いたぞ!!」
「メドゥーサの魔眼……」


メドゥーサに関してはレナもよく知っており、王都の地下でレナが倒した魔人族である。メドゥーサを打ち倒した時、石化されていた魔物や人間達は石化から解除されたという話は聞いているが、長い間を石化に陥っていた生物は石化が解除するのに時間が掛かるという話も聞いている。


「俺の場合はこの聖光石のペンダントのお陰か、割と早い段階で石化が解除された。その後、しばらくはこの世界を旅していた」
「ちょっと待ちな!!それじゃあ、あんたは本当にあのソル・バルトロスなのかい?この国の初代国王なら、レナとナオはあんたの子孫になるわけかい?」
「さっきからそう言っているだろう!!我こそがソル・バルトロスだ!!」
「……マリア」
「……俄かには信じがたい話だけど、確かにあのペンダントは本物よ」


マリアは「鑑定眼」の能力を使用してソルが所持する聖光石が本物である事を見抜くと、ソルは満足そうに頷き、そのペンダントを机に置く、レナやナオが所有するペンダントよりも一回り程大きく、外見は少々異なるが確かに同じ素材で構成された代物だった。


「この聖光石のペンダントを所持する事が許されるのはバルトロス王家の人間のみ、厳重な管理が施され、現在では聖光石を生成する方法は失われている……つまり、このペンダントが本物という事はこの方の言っている事は……」
「やっと理解してくれたか!!」
「う~ん……辻褄は合うんだけど、いきなり先祖とか言われてもな」


レナとしてはソルが先祖だと言われても反応に困り、ナオとしてもどう扱えばいいのか分からなかった。初代国王であるのならば丁重に扱うべきだが、何しろ400年も前に死んだと思われた人物が現れて反応に困る。

聖光石のペンダントの確認を終えるとソルはそれを首に戻し、改めてレナとナオと向き合う。400年も前の先祖ではあるが、その面影はレナとナオにはないが、ナオの父親やレナの叔父に当たるバルトロス12世とは雰囲気が似ているらしく、ナオは懐かしい気持ちを抱く。


「確かに貴方と我が父上は雰囲気が似ている気がします。ですが、どうして今まで正体を隠していたのですか?」
「我としても色々と悩んだのだ。いきなり400年だと言い張っても信じてくれるかどうか分からなかったからな。だが、色々と考えた末にここへやってきたのだ。その理由は一つ、奴等の復活を伝えるためだ!!」
「奴等?復活?」
「メドゥーサが数百年も王都の地下を守り続けてきたのか、理由は知りたくはないか?」


ソルの言葉を聞いてレナは考え込み、メドゥーサが数百年も王都の地下に閉じこもり、地上には出て来なかった理由は知りたかった。ソルは石化がされる前、どうして一国の王である自分が王都の地下へ潜り込んだのかを話す。


「そもそも俺がメドゥーサに敗れ、石化されたのは理由がある!!それは帝国の古文書に記された内容が関わっている!!」
「帝国の……古文書?」
「うむ、知っての通りだが俺は元々はバルトロス帝国の帝族でもあった!!まだ帝国で位していた頃、俺はあの王都の地下にメドゥーサが存在する事を知った!!奴はとんでもない存在を守っている事もな!!」


バルトロス王国の初代国王はバルトロス帝国の帝族であり、言ってみればレナもナオもバルトロス帝国の皇帝の血筋でもある。ソルは当時は皇帝の一族として育てられていた時、古文書を解読して現在は王都と呼ばれている場所に恐るべき存在が眠っている事を知る。
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