不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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魔人編

七魔将の歴史

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『七魔将は魔人族がまだ魔族と呼ばれていた時代、魔王に忠誠を誓った存在です。最も七魔将は位であって実際の所は何度か代替えが行われていますけど』
『そうなんだ』
『ここから重要なのは封印されていた七魔将に関してですが、その内の一人は既にレナさんが倒しています。七魔将の中で「魔眼将」と呼ばれたメドゥーサはレナさんが倒していますからね』
『えっ!?あのメドゥーサが七魔将!?』


メドゥーサが七魔将という言葉にレナは驚き、ソルの話によると彼は七魔将の石像の内に5対は封印したが、残りの2体に関しては封印は出来なかったという。その内の2名の内の1人がレナがかつて倒したメドゥーサである事が判明した。


『魔眼将メドゥーサは元々は魔王軍でしたが、魔物使いの勇者によって使役され、その後は他の七魔将を封印する役目を与えられ、あんな地下深くに封印されていました。メドゥーサは魔物使いの勇者が死んだときに契約は解除されましたが、事前に勇者はメドゥーサが外の世界に出ないように洗脳していたんです。メドゥーサは地下迷宮を自分の住処だと認識し、地下に入り込んだ侵入者を絶対に許さないようにしたんです』
『洗脳……敵を操って石化させたり、洗脳して出てこれないようにするなんて勇者も結構あくどい事をやってるな』
『戦争において卑怯なんて言葉はありませんよ。実際に七魔将が消えた事で魔王は倒す事が出来たんです』


七魔将が誕生したのは遥か昔の事らしく、それこそバルトロス帝国が建国されたばかりの頃の時代に存在したという。バルトロス帝国が滅びたのは400年ほど前、それから更に数百年の時を遡るため、この世界でも神話として語られる時代に七魔将と魔王は世界に現れたという。

魔王は倒す事には成功したが、石化した七魔将に関しては手を出す事が出来ず、石像の状態では残念ながら倒す手段はなかったという。下手に石像を刺激すれば復活する恐れもあるため、帝国の古文書にのみ七魔将の存在と封印の場所が記されていた。


『ソルが封魔札を利用して七魔将の石像を封印したのは好判断です。封印札は外部から無理やりに破壊されない限り、封印が解かれる事はありません。今現在も七魔将の内の五名は封印されています。ですが……唯一封印を逃れた存在がいます』
『あの闘技祭で現れた竜人か……』


レナは闘技祭でミナを襲撃し、試合場に現れた竜人の事を思い出す。得体の知れない存在だったが、あれが七魔将の一人なのかと尋ねると、アイリスは肯定する。


『敵の名前は竜人将ガイアです。元々は蛇竜と呼ばれる竜種ですが、ある時に魔王が作り出した呪具によって竜人のような姿に変えられたんです』
『呪具?』
『呪術師や死霊使いが扱う呪い系統の魔道具です。死霊人形を作り出す時に使用される死霊石もこれに含まれます。要するに身に付けるだけで呪われるアイテムです』
『ああ、なるほど……って、あいつの正体は竜種なの!?竜種級の戦闘力を誇るって、そのまんまの意味かい!!』
『まあ、本当の姿と同等の力は引き出せないはずですけどね』


ガイアは七魔将の中では「竜魔将」と呼ばれ、その正体は「蛇竜」と呼ばれる竜種らしい。蛇竜は名前の通りに蛇型の竜種であり、その戦闘力は火竜や牙竜さえも捕食対象にするほどの力を誇るという。


『ガイアは七魔将の中で唯一封魔札の封印を逃れた存在です。メドゥーサが死亡した後、しばらく時間が経過した後にガイアは復活を遂げました』
『そうだったのか……でも、それを早く説明してくれればよかったのに』
『すいませんね、石化から解除されたのは結構最近だったみたいで……それに石像にされた生物の意識は読み取ることが出来ないんですよ。私も常にこの世界の生物の意識を感じているわけじゃありませんからね。それに大会の時はレナさんの傍にホネミンさんがいたから連絡も取れませんでしたし……』
『まあ、それなら仕方ないか……』


アイリスが七魔将の復活に気付くのが遅れたのは石化の魔眼によって石像にされた存在は彼女でも意思が読み取れないらしく、七魔将のガイアの復活も闘技祭の時に初めて知ったという。闘技祭の際はホネミンがレナの傍に居たので彼に報告が出来ず、冒険都市を離れるまで連絡が取れなかった。


『七魔将の存在を隠していたのは当時のレナさんではどうしようもなかったし、そもそも何もしなければ復活するはずもありません。封魔札は簡単には壊せないので問題はないと思ったんですが……事態は変わりました。敵に封魔札を破る方法を知られたようです』
『えっ!?そんな方法があるの?』
『あります。というか、レナさんなら封魔札を破壊できる武器を既に身に付けています。あらゆる魔法を跳ね返す性質を持ち合わせた武器……それらの類ならば封魔札を破壊する事ができます』
『武器……あ、まさか鏡刀か!?』


レナは自分が所持している鏡刀の存在を思い出し、この刀は元もは「反鏡剣」と呼ばれる武器を素材に作り出された者であり、反鏡剣の性質はあらゆる魔法を鏡のように跳ね返す力を持つ。敵は闘技祭でレナが鏡刀を使う場面を目撃し、その武器の存在を知ってしまった。
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